日本、ブラジルに完敗 ネイマールに4失点喫す 〜国際親善試合〜
14日、国際親善試合がシンガポール・ナショナルスタジアムで行われ、日本代表がブラジル代表に0−4で敗れた。日本は開始からネイマールを中心としたブラジルの攻撃に押し込まれると前半18分、そのネイマールに先制点を奪われた。日本もチャンスを迎えたものの、決めきれず、1点ビハインドのまま試合を折り返した。すると後半3分、ネイマールに追加点を決められて点差が拡大。ネイマールには32分、36分にもゴールを許した。なかなか効果的な攻撃ができない日本は、FW岡崎慎司のシュートが右ポストを直撃するなど、ツキもなかった。
柴崎、ミスから失点に絡む(シンガポール・ナショナルスタジアム)
日本代表 0−4 ブラジル代表
【得点】
[ブ] ネイマール(18分、48分、77分、81分)
猛暑も、劣悪なピッチコンディションも王国の背番号10には関係なかった。日本はネイマールに4ゴールを奪われ、攻撃陣も無得点。攻守ともに実力の差を見せつけられた。
日本は序盤からボールを持ったネイマールの仕掛けに苦しめられた。前半16分、PA手前からドリブルで切れ込もうとするネイマールに対し、DF酒井高徳とMF柴崎岳が対応した。だが2人相手でも止まらないネイマールに柴崎がたまらず手をかけてしまいFKを献上。これをネイマールに右足で直接狙われた。シュートはGK川島永嗣が一歩も動けなかったものの、ゴール左のクロスバーを直撃して事なきを得た。
しかし18分の場面は防げなかった。DFラインの裏へFWジエゴ・タルデッリにスルーパスを通され、ネイマールに抜け出される。川島が前に出てシュートコースを消しにいったものの、うまくかわされ、無人のゴールに蹴り込まれた。ネイマールの巧妙な動きだしに、マークについていた酒井はついていけなかった。直後にもネイマールにPA内左サイドを崩されてシュートを打たれるなど、日本は相手エースにきりきり舞いさせられた。
落ち着いたパス回しを見せるブラジルを前に、日本はなかなかリズムをつかめない。24分、FW小林悠が左サイドからのクロスが相手DFに当たってこぼれたボールを左足ボレーで狙うもゴール上へ。35分には岡崎が右サイドからのアーリークロスに頭で合わせたが、ゴール左に逸れた。巡ってきたチャンスを生かせず、0−1で試合を折り返した。
反撃したい日本は後半開始から動いた。MF森岡亮太を下げてFW本田圭佑を投入。本田は左ウイングに入り、MF田中順也が左インサイドハーフにポジションチェンジした。足元で収められる本田にボールを集めて、攻撃の糸口を見つけようというアギーレ監督の意図がうかがえた。
ところが、である。日本は後半3分、自分たちのミスから2点目を奪われてしまった。柴崎がピッチ中央で横パスを受けた際、ファーストタッチが大きくなったところをMFコウチーニョに奪われ、最終ラインの裏へロングパスを出される。抜け出したネイマールに、GKとの1対1を冷静にゴール右へ流し込まれた。攻撃を組み立てようと前がかりになった時に起きたミス。アギーレ監督は「前半は良い戦いをしていた。だが2点目を決められて崩れた」と同シーンを悔やんだ。柴崎もひとつのミスが致命的になることを痛感しただろう。
その後も日本の守備陣は縦横無尽に動き回るネイマールを抑えることができない。裏への抜け出し、鋭い仕掛けからシュートを打たれるのみならず、スルーパスでチャンスも創出された。
32分、ネイマールが右サイドから上げたクロスをカカに頭で合わされ、クロスバーを直撃してこぼれたボールをコウチーニョにミドルシュートで狙われた。シュートは川島が弾いたもののの、ゴール前を転々とするボールをネイマールに押し込まれた。ネイマールにはハットトリック達成から3分後にも左サイドからのクロスを頭で叩き込まれた。結局、試合を通して相手エースを止められなかった。
攻撃面での決定力不足も響いた。10分にPA内右へ抜け出した岡崎が右足で狙ったものの、ゴール右ポストを直撃。44分には途中出場のFW柿谷曜一朗が左サイドからのクロスに頭で合わせたが、GKジェフェルソンの好セーブに防がれた。
0−4。ジャマイカ戦からスタメンを6人変更したことも影響したとはいえ、王国との差はやはり大きかった。岡崎が「相手の力が上だった」と悔しそうに語れば、後半7分からピッチに立ったFW武藤嘉紀も「ブラジルとの実力の差が浮き彫りになってしまった」と素直に完敗を認めた。その上で武藤は「このレベルを体感したので、さらにレベルアップできるように、日々の練習からしっかり取り組んでいきたい」と前を見据えた。2失点目に関しては日本のミスが要因だったとはいえ、ブラジルのシンプルな展開も見事だった。日本も相手の攻撃を奪った後に素早く展開すれば似たようなチャンスをつくれるはずだ。大事なのは完敗した経験を今後に生かせるかどうかである。
(文・鈴木友多)
柴崎、ミスから失点に絡む(シンガポール・ナショナルスタジアム)
日本代表 0−4 ブラジル代表
【得点】
[ブ] ネイマール(18分、48分、77分、81分)
猛暑も、劣悪なピッチコンディションも王国の背番号10には関係なかった。日本はネイマールに4ゴールを奪われ、攻撃陣も無得点。攻守ともに実力の差を見せつけられた。
日本は序盤からボールを持ったネイマールの仕掛けに苦しめられた。前半16分、PA手前からドリブルで切れ込もうとするネイマールに対し、DF酒井高徳とMF柴崎岳が対応した。だが2人相手でも止まらないネイマールに柴崎がたまらず手をかけてしまいFKを献上。これをネイマールに右足で直接狙われた。シュートはGK川島永嗣が一歩も動けなかったものの、ゴール左のクロスバーを直撃して事なきを得た。
しかし18分の場面は防げなかった。DFラインの裏へFWジエゴ・タルデッリにスルーパスを通され、ネイマールに抜け出される。川島が前に出てシュートコースを消しにいったものの、うまくかわされ、無人のゴールに蹴り込まれた。ネイマールの巧妙な動きだしに、マークについていた酒井はついていけなかった。直後にもネイマールにPA内左サイドを崩されてシュートを打たれるなど、日本は相手エースにきりきり舞いさせられた。
落ち着いたパス回しを見せるブラジルを前に、日本はなかなかリズムをつかめない。24分、FW小林悠が左サイドからのクロスが相手DFに当たってこぼれたボールを左足ボレーで狙うもゴール上へ。35分には岡崎が右サイドからのアーリークロスに頭で合わせたが、ゴール左に逸れた。巡ってきたチャンスを生かせず、0−1で試合を折り返した。
反撃したい日本は後半開始から動いた。MF森岡亮太を下げてFW本田圭佑を投入。本田は左ウイングに入り、MF田中順也が左インサイドハーフにポジションチェンジした。足元で収められる本田にボールを集めて、攻撃の糸口を見つけようというアギーレ監督の意図がうかがえた。
ところが、である。日本は後半3分、自分たちのミスから2点目を奪われてしまった。柴崎がピッチ中央で横パスを受けた際、ファーストタッチが大きくなったところをMFコウチーニョに奪われ、最終ラインの裏へロングパスを出される。抜け出したネイマールに、GKとの1対1を冷静にゴール右へ流し込まれた。攻撃を組み立てようと前がかりになった時に起きたミス。アギーレ監督は「前半は良い戦いをしていた。だが2点目を決められて崩れた」と同シーンを悔やんだ。柴崎もひとつのミスが致命的になることを痛感しただろう。
その後も日本の守備陣は縦横無尽に動き回るネイマールを抑えることができない。裏への抜け出し、鋭い仕掛けからシュートを打たれるのみならず、スルーパスでチャンスも創出された。
32分、ネイマールが右サイドから上げたクロスをカカに頭で合わされ、クロスバーを直撃してこぼれたボールをコウチーニョにミドルシュートで狙われた。シュートは川島が弾いたもののの、ゴール前を転々とするボールをネイマールに押し込まれた。ネイマールにはハットトリック達成から3分後にも左サイドからのクロスを頭で叩き込まれた。結局、試合を通して相手エースを止められなかった。
攻撃面での決定力不足も響いた。10分にPA内右へ抜け出した岡崎が右足で狙ったものの、ゴール右ポストを直撃。44分には途中出場のFW柿谷曜一朗が左サイドからのクロスに頭で合わせたが、GKジェフェルソンの好セーブに防がれた。
0−4。ジャマイカ戦からスタメンを6人変更したことも影響したとはいえ、王国との差はやはり大きかった。岡崎が「相手の力が上だった」と悔しそうに語れば、後半7分からピッチに立ったFW武藤嘉紀も「ブラジルとの実力の差が浮き彫りになってしまった」と素直に完敗を認めた。その上で武藤は「このレベルを体感したので、さらにレベルアップできるように、日々の練習からしっかり取り組んでいきたい」と前を見据えた。2失点目に関しては日本のミスが要因だったとはいえ、ブラジルのシンプルな展開も見事だった。日本も相手の攻撃を奪った後に素早く展開すれば似たようなチャンスをつくれるはずだ。大事なのは完敗した経験を今後に生かせるかどうかである。
(文・鈴木友多)