リポビタンDツアー2014で欧州遠征中の日本代表(IRBランキング9位)は15日、ブカレストでルーマニア代表(同18位)を18−13で破った。日本はテストマッチ(国同士の公式試合)での連勝記録を11に伸ばした。日本はFB五郎丸歩のPGで先制したものの、前半27分にペナルティトライを奪われ、逆転を許す。しかし、2本のPGで1点差に追い上げると、後半に入ってからも五郎丸が3PGを成功させ、試合をひっくり返した。
 80分間を通じてノートライ。このところジャパンが得意にしていたスクラムでも押し込まれた。それでも勝った。
「2年前は、このような試合は勝てなかった」
 試合後のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)のコメントはチームの成長に手応えを感じている様子だった。

 前半14分、PGで先制したジャパンだが、すぐにPGを返され、同点に追いつかれる。そして27分、自陣でのパスミスから相手に攻め込まれ、ゴール10メートル前でのスクラムとなる。

 ジャパンは今春からフランスからマルク・ダルマゾコーチが就任し、スクラムの強化を図っている。6月のイタリア戦や、先日のマオリ・オールブラックス戦ではスクラムで押し負けなかったが、ルーマニアも対策を練っていた。逆に押し返され、日本のスクラムが崩れる。反則をとられ、ペナルティトライと認定された。コンバージョンも決まって3−10と逆転を許す。

 しかし、日本は慌てなかった。速いパス回しで相手陣に迫り、反則を誘ってPGで得点を重ねる。32分、前半ロスタイムと五郎丸が立て続けにPGを決め、9−10と1点差で試合を折り返した。

 迎えた後半の立ち上がり、右サイドの突破から敵陣に攻め入ると、PGを獲得。五郎丸が確実に成功させ、12−9と逆転に成功する。さらに17分にもPGで3点を追加した。試合終了間際には五郎丸が、この日6本目のPGをきっちりと枠内に収め、試合を決定づけた。

「ベストな試合ではなかったし、シャープなプレーでもなかった」
 指揮官が指摘したように、ジャパンは最後までルーマニアの守りを完全に打ち破ることはできなかった。だが、SO小野晃征の「アタックしているからこそ、ペナルティーをもらってPGで点数を積み重ねることができた。常にジャパン側が試合をコントロールしていた」とのコメントも事実だ。

「テストマッチ11連勝には満足していない」
 エディーHCはじめ、各選手のコメントも、もう勝っただけでは納得していない。ジャパンはグルジアに渡り、23日に同国代表(IRBランキング15位)と今年最後のテストマッチに臨む。