bjリーグは日本バスケットボール協会(JBA)が国際バスケットボール連盟(FIBA)から資格停止処分を受けたことに対し、28日、都内でリーグとしての見解を発表した。会見で河内敏光コミッショナーは「バスケットボールのプロパー(専門家)として、誠に残念。忸怩たる思いでいます」とコメント。今後は制裁解除へ向けて、引き続きリーグ統合などに最大限の努力を尽くすことを誓った。
 河内コミッショナーは、新リーグ組織委員会のメンバーとして制裁回避に努めてきた。だが、それは叶わなかった。6月中旬に発足した組織委は、FIBAから設けられた回答期限まで15回の会議を行った。ガバナンスの構築、代表の強化策、プロリーグの統一の3つの指摘をクリアするために、何をすべきかを議論してきた。リーグの統一に関しては、まずは並列というかたちでチャンピオンシップやオールスターなどの交流戦を設け、段階的統一案も上がったが解決には至らなかった。

 FIBAから下された裁定により、全世代の男女バスケットボール日本代表は国際試合への出場ができなくなる。協会の混迷に選手たちが巻き込まれたかたちだ。選手、ヘッドコーチとして日本代表経験のある河内コミッショナーは「本当に悔しい」と唇を噛んだ。今後はFIBAから日本にタスクフォース(実行団)を送り、FIBA主導でJBAの改革に着手するとみられている。

 一向に進まない日本バスケットボール界にブザーは鳴らされた。ただ、これで試合終了としてはいけない。「悔しいままでは何も進まない。これを改革のチャンスとして捉えたい」。河内コミッショナーの言うように、ピンチはチャンスと捉えることもできる。選手たち、そして子供のたちのためにも、一刻も早い解決を願う。

(文・写真/杉浦泰介)