12日、卓球のITTFワールドツアー・グランドファイナル初日が中国・鄭州で行われた。東京五輪シングルス日本代表選考レースにおける最終戦。石川佳純(全農)が世界卓球金メダリストのリゥ・シーウェン(中国)にストレート負け。平野美宇(日本生命)はワン・イーディ(中国)を1-4で破れた。これにより東京五輪シングルス代表を決める基準となる2020年1月時点の有効ポイントで、石川の日本人2番手が確定。伊藤美誠(スターツ)に続き、東京五輪出場がほぼ確実になった。団体戦要員の3人目は2人とのダブルスの相性や戦型などを考慮し、強化本部により推薦される。

 

 最後の最後までデッドヒートした東京五輪シングルス代表の座は石川が射止めた。石川はロンドン、リオデジャネイロに次ぐ3大会連続でシングルス代表に選ばれることになる。

 

 この日、石川はリゥ・シーウェンと対戦。第2ゲームこそデュースだったが、0-4で完敗だった。石川の初戦敗退により、平野がワン・イーディに勝てば、逆転で東京五輪切符を掴むことになる。平野は3年前のリオ五輪は補欠という立場。試合に出れず現地で悔しい思いをしていた。

 

 しかし、先に3ゲームを取られる苦しい展開だった。第4ゲームこそ取り返したが、第5ゲームも奪われた。平野も初戦敗退に終わり、選考レースはそのまま上位にいた石川がシングルス2番手の座を確実なものとした。試合後のミックスゾーンでどちらも涙を見せた。それだけ熾烈な選考レースだったのだろう。

 

 石川は団体戦は2大会連続メダリストとなったが、個人戦では4位、1回戦敗退と表彰台に届いていない。27歳で迎える東京五輪は未踏の地に挑む戦いとなりそうだ。

 

(文/杉浦泰介)