(写真:BJCを制した原田<左>と伊藤)

 9日、第15回ボルダリングジャパンカップ(BJC)最終日が東京・駒沢室内球技場で行われた。女子は伊藤ふたば(TEAM au)が決勝4課題中3完登で3年ぶり2度目の優勝。スポーツクライミングの東京オリンピック代表に内定している野口啓代(TEAM au)は同じ完登数ながらゾーン獲得数の差により、準優勝だった。男子は原田海(日新火災)が2完登で初V。東京オリンピック代表内定の楢﨑智亜(TEAM au)は同完登数だったものの、ゾーン獲得数が原田より1少なかったために2位となった。

 

 ボルダリングの日本一を決めるBJCは、女子は17歳の伊藤が、男子は20歳の原田が、東京オリンピック代表内定者を破って優勝した。

 

 先に決勝行った女子は、BJC皆勤賞の野口が第1課題から連続で一撃(1課題を1回の試技でクリア)達成。通算12度目の優勝へ、最後のBJCで好スタートを切った。

 

 一方の伊藤はこの日の準決勝で1位通過したものの第2課題で完登できなかった。ただゾーン(各課題に設けられた到達点)を獲得した。これが後々生きてくる。

 

 各選手がゾーンすら獲得できず、軒並み失敗に終わった第3課題。「得意系だった」と手足の長い伊藤は苦にしなかった。2回の試技で成功し、ここで暫定トップに立った。

 

 伊藤は最終課題も見事にクリアし、3年ぶりのボルダリング日本一の称号を手に入れた。14歳で最年少優勝した際は「まぐれ」と勢いで駆け上がった頂点。国際大会も経験し「実力もついて強くなって優勝できた」と手応えも十分だ。

 

(文・写真/杉浦泰介)