年の瀬になっていよいよ「ぷよぷよ」が動き始めました……。なぜ、そんなに時間がかかるのか、聞いてください。
そもそもゲームに興味がない私にとってゲーム、そしてeスポーツはハードルが高い事案でした。さらにプレイの様子を録画してYouTubeにアップし、YouTuberになることをセットで開始したのも見通しが甘かった。録画、編集など、準備することが多すぎてハードルが高くなっていきました。しかも「ぷよぷよ始めます！」と宣言したため、義務感に押しつぶされそうになり、ますます遠ざかってしまったのでした。
こんなぐずぐずの私なのにもかかわらず、あるリモートミーティングで前向き感たっぷりにeスポーツへの挑戦とばかりに話したところ、同席されていたIOデータ機器の細野会長がゲームの録画用ビデオキャプチャーを提供してくださいました。「やった、これでユーチューバーだ！」と喜んだのもつかの間、どうやってもうまく録画できません。そこに救世主として現れたのがIOデータ機器の乙村氏でした。ありがとうございます。
ここからは、ぽんこつユーチューバー（ですらない・笑）の私を手取り足取り導いてくださった、乙村氏（以下、敬称略）の渾身のサポートぶりをご覧ください。
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◎某月某日
伊藤：ううう。ビデオキャプチャーはそもそもPCにつなぐもの？ 私のぷよぷよはPS4をテレビにつないでいます。どんなに頑張ってもつながらないもやもやの日曜日でした。何か方法はありますか？
乙村：ゲーム機とテレビの間に入るような接続です。
伊藤：むむむ。そうか。もやもや。やってみます。ほんと親離れのできぬ越後屋（私のニックネーム）ですみません。ありがとうございます。ちなみに提供いただいた機材はこちらですが、なんか様子が違うような……。
乙村：何ていう製品？（注 乙村さんはどのキャプチャ製品が私に送られていたのか知らない）
伊藤：ビデオキャプチャーとあります。
乙村：わかりました。確認してみます。
◎翌日
乙村：こんにちは。細野にも「伊藤さんが難儀している」と、軽く伝えておきました。にこやかに「乙村の方でちゃんとサポートしておいて～」とのことです（笑）
伊藤：よろしくお願いいたします……。
乙村：ナレーション入れは後からにしてまずは録画をやりましょう。ゲーム機と本機とをHDMIで接続（本機の入力へ）。そして本機の出力からHDMIでテレビに接続します。SDカードは入ってますか？
伊藤：入っています。
乙村：では、録画開始。で、SDカードに録画されているかどうかを確認しましょう。ここまでをやってみてください。
伊藤：はい、ありがとうございました。やってみます。
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こうした乙村さんのサポートによって、なんとかビデオキャプチャーを接続することはできました。だが、まだまだ難問が山積みでした。接続したもののテレビ画面にぷよぷよが出ない！ プレステの音楽がブツブツと途切れ途切れに聞こえてきます。PS4の代わりにPCを接続すると正常に表示されて、録画もできる。うーん、どうしてー！ ということで、引き続き乙村さんに「ヘルプ」です。
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伊藤：（症状を説明する）。というわけなんですが……。
乙村：解像度の問題かな……。システムのメニューで解像度の変更ができるようになっていると思うのですが、ちなみにゲーム機の解像度ってどれくらいなんですか？ それと、パススルーにすることもできるようになっていると思うので、パススルー（本機からみて入力をそのまま出力させる機能）ではどうなるか確認してみるのも一つありますね。もし720×480の解像度（ゲーム機）の場合は、HDMIではなくRCA（ピンジャック）のケーブルでゲーム機と本機とをつなぐ必要がありますね。
伊藤：解像度、パススルー、HDMI、RCA……ふ～む。家に帰って調べてみます。
◎帰宅後
乙村：確認できましたか？
伊藤：どこをみればよいかわからず……。箱に記載されていますか？
乙村：ゲーム機側の説明書などに記載されてませんかね？
伊藤：ご親切にありがとうございます。確認します。1920×1080、1280×720、720×480と箱に記載されています。
乙村：では、ゲーム機で1280とか1920で表示（固定）するような設定があると思うのですが、そこはどうなっていますか？ ちなみに、ゲーム機って何を使ってますか？
伊藤：PS4です。
乙村：PS4でしたか。そうしたら解像度ではなくPS4側の設定かもしれません。PS4の「設定」で「システム」→HDCPを有効にする となっているかと思いますので、そのチェックをはずしてみてください。
伊藤：ありがとうございます。がんばります。
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解像度やパススルー、HDMIにRCA……と暗号のような言葉のオンパレードに逆にやる気マックス。PS側の「設定」で「システム」→HDCPを有効にする、となっているチェックを外しました。これでゲームの音声も流れるようになり、録画にも音が入りました。が、しかし。私の声が入っていません。
いくらヘタっぴゲーマーとはいえ、ゲーム動画にプレイヤーの実況音声は欠かせません。なんで！ 声が小さいのか？ など、悪戦苦闘しても状況は好転せず。またしても乙村さんに「ヘルプ！」です。
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乙村：どうでしたか？
伊藤：できました！ でも音声（私の声）が録音されないんです……。
乙村：ゲームはテレビに映り、そしてゲームの音はOKですか？
伊藤：はい！ ゲームの音は録れています。でも、音声が……。
乙村：もうちょっと、というところですね。
伊藤：画面右下にマイクとスピーカーのマーク、そのボリュームを調整する矢印があります。これを上げているのですが……。私の美声がはいりません。
乙村：私とデュエットでないとダメなのかも（笑）（ここで、本論に関係のないカラオケの話題で３往復）。機器のシステムメニューはどうなってますかね？ ちなみにマイクはヘッドセット（４極端子）である必要があるようですから、普通のマイクはダメですよ。使っているマイクの写真、プリーズ！
伊藤：えっ!?（心の声・マイクが必要だったのか……）
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というわけで、私の音声が入らないのはマイクがなかったのが原因でした。
実は、今どきのPCのように、どこかにマイクがついているのかと思い、ビデオキャプチャーに向かって大声で叫んでいたのです。それでは、音声が入るわけがありません。
その後、手持ちのイヤホンマイクで実験。PS4に接続すると、PS4本体に録画されてしまいました。これではビデオキャプチャの存在そのものの意味がない。どうしよう。すると、乙村さんの「接続が違う。ビデオキャプチャに接続です」とサポートを受け、無事に完了。やっと、つながった！
というわけで、高らかにマイクでおしゃべりをしながらプレイ動画を録画してみました。録画に気を取られて手元がおぼつかない（というか、もともとおぼつかない・笑）にもかかわらず、初めて勝ちました！ 記念すべき初勝利を録画できたということは、もしかして私って「もってる！」かもしれません。
今まで「嫌い、苦手、面倒くさい」と遠ざけていたにもかかわらず、突然の気持ちの変化。ぷよぷよサイコー！
初勝利から数日後、あるリモート会議に参加しました。イベントの話題で「eスポーツ、ありますよね」とにこやかに提案するも、「それってゲームでしょ」と即却下されたので、ますますやる気が湧いています。eスポーツの良さを少しでも語れるようになりたいから始めたぷよぷよです。「ぷよぷよをやることが、eスポーツの勉強に果たしてなるのか？」という、この数カ月の疑問は一切捨て、このお正月は帰省なし、初詣なし。ぷよぷよオンリー！では、皆様、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
＜伊藤数子（いとう・かずこ）プロフィール＞
新潟県出身。パラスポーツサイト「挑戦者たち」編集長。NPO法人STAND代表理事。スポーツ庁スポーツ審議会委員。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問。STANDでは国や地域、年齢、性別、障がい、職業の区別なく、誰もが皆明るく豊かに暮らす社会を実現するための「ユニバーサルコミュニケーション事業」を行なっている。その一環としてパラスポーツ事業を展開。2010年３月よりパラスポーツサイト
「挑戦者たち」を開設。また、全国各地でパラスポーツ体験会を開催。2015年には「ボランティアアカデミー」を開講した。著書には『ようこそ！ 障害者スポーツへ～パラリンピックを目指すアスリートたち～』（廣済堂出版）がある。
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