東京オリンピック空手競技最終日が7日、東京・日本武道館で行われた。男子75kg超級準決勝は荒賀龍太郎(荒賀道場)がタレク・ハメディ(サウジアラビア)に判定で敗れた。3位決定戦を行わないため、荒賀は銅メダルを手にした。組手では日本初のメダル獲得となった。女子組手61kg超級の植草歩(JAL)は1次リーグ敗退だった。

 

 2016年に世界王者となった荒賀が、低迷が続いていた日本空手・組手陣の最後の砦として踏ん張った。

 

 各組5人中上位2人までが準決勝に進める1次リーグを3連勝した荒賀。初戦を3-2でスタートすると、2戦目は4-2で勝利した。3戦目は18年世界選手権銅メダリストのウール・アクタス(トルコ)に5-3と競り勝った。プールA1位で準決勝にコマを進めた。

 

 準決勝はアジアを制したことがあるハメディ。リーチの長い足技を警戒してか、荒賀も思うように踏み込めないように映った。“スピードドラゴン”の異名をとる荒賀の高速突きは不発。逆に相手からは2度の突きを食い、0-2で敗れた。

 

 オリンピック競技初採用の空手。形は男女共にメダルを獲得したが、組手はここまで1人も表彰台に上がれていなかった。全6種目全滅の危機を脱した。「日本発祥の空手。日本代表としてメダルなしでは帰れない」と荒賀。目標としていた金メダルにこそ届かなかったが、武道の聖地で意地を見せた。

 

(文/杉浦泰介)