タンザニアのシンブ、男子マラソン金 齋藤みうが女子3000m障害で日本新 ~世界陸上東京大会~
15日、東京2025世界陸上3日目が行われ、男子マラソンはアルフォンスフェリックス・シンブ(タンザニア)が2時間9分48秒で優勝。2位アマナル・ペトロス(ドイツ)とのトラック勝負で同タイムながら、わずかに競り勝った。日本勢トップは近藤亮太(三菱重工)の11位(2時間10分53秒)。小山直城(Honda)は23位(2時間13分42秒)、吉田祐也(GMOアスリーツ)は34位(2時間16分58秒)だった。女子3000m障害予選は齋藤みう(パナソニック)が9分24秒72の日本記録を更新したものの、第3組6位で決勝進出はならなかった。男子ハンマー投げの福田翔大(住友電工)と女子棒高跳びの諸田実咲(アットホーム)は予選落ちとなった。

(写真:まるで短距離走のような僅差で勝敗が決まった男子マラソン ©Mattia Ozbot for World Athletics)
2日前の男女競歩35km、前日の女子マラソンに続き、タフなレースとなった男子マラソン。22人が途中棄権するレースは、シンブが制した。
マラソンに珍しくフライングで仕切り直すという異例のスタートとなった。暑さからかスローペースとなったレースは15km付近まで先頭集団が50人以上という大集団を形成した。日本勢もその大集団に加わり、好機を窺った。
細かいペースの上げ下げで集団は少しずつ削れていった。日本人は30km通過時点で一度は全員が先頭集団から遅れを取ったが、近藤が「ここでつかなきゃ、この先の人生で後悔する」と集団に食らいついた。
しかし40km手前で先頭から8秒差の10番手に落ちた。「集団で身を隠し40kmで勝負できればと思っていた。38、9kmで駆け引き始まったところで自分の限界がきた」と近藤。細かい駆け引きによる消耗は大きかった。近藤も最後まで粘ったが「力不足」と11位で、日本勢6大会ぶりの入賞には届かなかった。
残り1kmで5人に絞られた優勝争いは、国立競技場に戻る前にシンブ、ペトロス、イリアス・アウアニ(イタリア)の3人によるトラック勝負となった。バックストレートでアウアニが脱落。ラストの直線でペトロスが抜け出すも、シンブが猛烈な追い上げ。2人が並んでゴールテープを切ったが、わずかにシンブが競り勝った。
長距離種目には珍しい同タイムフィニッシュ。シンブ自身も「(どちらが勝っていたか)わからなかったよ。でもスクリーンを見たらフィニッシュのシーンが映っていたので、『私がチャンピオンだ!』と」と笑顔で語った。

(写真:17年前の日本記録を塗り替えた齋藤<中央> ©Dan Vernon for World Athletics)
日本勢はモーニングセッションで3種目3人の予選落ちとなったが、3000m障害の齋藤が日本記録を17年ぶりに塗り替えた。「自分の今の力を最大限出し切った」と従来の記録を9秒以上更新した。
それでも予選通過ラインの各組5位以内には入れず6位。5位とは9秒以上の差があった。「(男子3000m障害の)三浦(龍司)選手のように国際大会で勝負できる選手になりたい。まだまだですが、まずは決勝進出して入賞できる選手になっていきたいです」。23歳は前を向いた。
(文/杉浦泰介)