男子棒高跳び・デュプランティス(スウェーデン)、世界新&大会3連覇! 男子3000m障害は三浦龍司が2大会連続入賞 ~世界陸上東京大会~

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 15日、東京2025世界陸上3日目のイブニングセッションが東京・国立競技場で行われ、男子棒高跳び決勝は世界記録保持者のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が6m30の世界新をマークし、大会3連覇を成し遂げた。男子3000m障害決勝は三浦龍司(SUBARI)が8分35秒90で8位に入り、2大会連続の入賞。金メダルはジョーディー・ビーミッシュ(ニュージーランド)が8分33秒88で獲得した。

 

(写真:14度目の世界記録更新となったデュプランティス ©Dan Vernon for World Athletics)

 女子100mハードル決勝はディタジ・カンブンジ(スイス)が。日本の福部真子(日本建設工業)と中島ちさと(長谷川体育施設)は同日に実施された準決勝で敗れた。男子110mハードル予選は村竹ラシッド(JAL)と野本周成(愛媛県競技力向上対策本部)が準決勝進出。泉谷駿介(住友電工)は準決勝に進めなかった。男子走り幅跳び予選は橋岡優輝(ANA)、津波響樹(大塚製薬)、伊藤陸(スズキ)が、男子400mハードル予選は井之上駿太(富士通)、小川大輝(東洋大)豊田兼(トヨタ自動車)が予選敗退となった。

 

 既にメダルの色は確定していた。この日の全種目の結果が出ていたが、観客の視線は棒高跳びのピットに注がれていた。ノーミスで大会3連覇を達成したデュプランティスの試技が残っていたからだ。絶対王者は自身が今年8月に世界記録を更新した6m29から1cm記録を伸ばす6m30にチャレンジした。

 

 観客の大きな手拍子に乗り、助走を始めた。1回目の跳躍はわずかにバーに触れ、この日初めての失敗。2回目の跳躍はバーは落ちた。場内に流れる曲に合わせ、テンポの速い手拍子に乗って走り出した3回目もバーに触れたが持ちこたえた。場内は割れんばかり歓声。今大会最初で、デュプランティス自身は14度目の世界新記録が生まれた。

 

(写真:「観客から力をもらえた」とデュプランティス ©Mattia Ozbot for World Athletics)

 優勝が決まるまでは失敗する気配すらなかった。5m55は一発クリア。5m75はパス。5m85も一発で成功すると5m90はパス。5m95と6mを一発クリア。6m5をパスすると6m10と6m15も一発で成功。ライバルのエマノイル・カラリス(ギリシャ)は6m10を失敗するとパスして6m15に挑戦。ここでも失敗すると6m20も失敗。この瞬間、デュプランティスの金メダルが確定した。世界陸上は3連覇。オリンピックを含めれば世界大会5連覇偉業を成し遂げた。

 

「プレッシャーは優勝に対するものが一番ある。それが決まれば軽くなる。世界記録挑戦はデザートのようなもの。いわばボーナスラウンド。私自身大好きで“世界記録の時間だ!”という気持ちになる」

 観客の視線、声援を独占した中での“ボーナスラウンド”は2度の失敗はあったものの、最後のチャンスで決めてみせた。役者が違う。そう思わせるほど圧倒的だった。

 

 ポールを軽やかに跳び越える。大声援に背中を押された新世界の“鳥人”は東京の夜空を高らかに舞った。

 

(写真:ハードルだけでなく水壕を跳び越えるのが3000m障害の特徴だ ©Ross Turteltaub for World Athletics)

「今までで一番手応えがあった。“メダルが見えた”かも、という手応えがあったのでその分悔しさは大きいですね」
 男子3000m障害の三浦は23年前回ブダペスト大会6位入賞に続き、2度大会連続入賞。オリンピックを含めれば世界大会4度目の入賞だ。
 
 序盤から4、5番手の好位置に付けた。終盤、一時は入賞圏外に順位を落としたものの、ラスト1周でキレのあるスパート。最後のコーナーで3番手に浮上した。水濠を跳び越えた後、後続に抜かれ、接触もあって順位を落としたが8位でフィニッシュ。世界と勝負できる実力を改めて証明した。
 
 報道陣からの「金メダルは見えましたか?」という質問に対し、「欲張って『見えた』と言わせていただきたいです」と笑顔で答えた。
 

(文/杉浦泰介)

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