27日、2020年東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は都内で調整会議を開いた。議題は主に先週行われた第2回IOCプロジェクトレビューの報告。舛添要一都知事からは、19日の都議会の特別委員会で表明した会場計画の見直しについて説明があった。会議終了後の議事報告では、組織委の森喜朗会長と舛添都知事がともに現状では手薄なパラリンピック体制の強化を誓った。
 IOCから高評価を得たプロジェクトレビューから約1週間。財政の“コンパクト化”を計る東京都と組織委の次なる一手は「パラリンピックの強化」だ。舛添都知事は「ロンドンの大会が成功したのはパラリンピックが成功したから」と語る。

 森会長は「組織委員会の中も手薄なんですよ。知事は厚生労働大臣も長くやっておられたから、厚労省をよくわかっている。専門家なので、少し考え方を示してほしい」とサポートを要請。舛添都知事は「パラリンピック体勢が手薄だなと感じましたので、都からも必要な支援があればする。少しその体制を固めたいと思っております」とバックアップを誓った。

 国内で話題に上がっている大会の地方開催について、森会長は「IOCが今、預かっている状況で、どこにどう移すかは決定ではない。当然、IOCで決めていただくということになります」と静観の構えを見せた。競技枠拡大についても「本格的に取り組む気持ちはまだありません」と話すにとどまった。

 すべてはIOCのトーマス・バッハ会長が進める40項目からなる改革案「五輪アジェンダ2020」の行方次第。来月にモナコで行われるIOC総会で、承認されれば、地方開催と競技枠拡大の加速は間違いないだろう。「この考え方は私どもの組織委員会がとってきた方向と大体似ている。その点で私の方としても、モナコの総会で了解を得て欲しい」と森会長。東京の行く末は、やはりモナコでの審判に委ねられている。

(文・写真/杉浦泰介)