島﨑もも(東京女子体育大学新体操競技部/愛媛県松山市出身)最終回「フロアで大輪の花を咲かす」

facebook icon twitter icon

 2025年11月7日から9日にかけて、群馬・高崎アリーナで行なわれた全日本新体操選手権大会、聖カタリナ学園高校3年の島﨑もも(現・東京女子体育大学1年)は個人総合16位だった。3大会連続入賞を逃し、3度目の出場にして過去最低の成績に終わった。

 

 不振の原因は明らかだった。心身ともに準備ができていなかったからだ。以下は島﨑の回想――。

「高校3年生の全日本選手権前は、本当に苦しい時期でした。自分ではどうすることもできないくらい気持ちが追い込まれていて、一度家を出てしまったこともありました。練習に行くことも、新体操のことを考えることも嫌になり、このまま全部やめてしまいたい、と……」

 

 彼女を踏みとどまらせたのは、支えてくれきた人たちの存在だった。

「周りの人たちがずっと心配してくれて、何度も声をかけてくれました。特に家族や先生、友だちなど、自分のことを大切に思ってくれている人たちの存在が大きかった。“新体操が好きだから続けたい”と思えたわけではありません。でも、ここまで続けてきたものを、苦しいという気持ちだけで終わらせてしまっていいのか、と少しずつ考えるようになりました」

 

 翌春、島﨑は新体操の名門・東京女子体育大学に進学した。生まれ育った愛媛を離れ、東京での寮生活を始めた。環境が劇的に変わり、心機一転、臨んだ5月の東日本学生選手権大会(東日本インカレ)は5位とまずまずの成績を残した。

 

 だが8月の全日本学生新体操選手権大会(全日本インカレ)は17位に終わった。この秋に高崎アリーナで開催される全日本選手権大会の出場権は獲得できたものの、「納得できる内容ではなかった」と本人は悔しがっていた。

 

 

「試行錯誤の時間」

 東京女子体育大学で、島﨑を指導する秋山エリカに、選手が大成するために必要な点を聞くと、こう答えた。

「自分がどこに行きたいか、目的地を定めること。それがオリンピックや世界選手権なのか、全日本優勝なのか。どんな演技者でありたいのか、ひいてはどんな人間でありたいのかというところの見極めにもつながっていくものだと思います。本人がどこを目指したいかは、一番重要な点です。やりたいことをやらせてあげたいというのが指導者としての本音です」

 

 これに対する、島﨑の答えはこうだ。

「将来は日本代表として、世界選手権やオリンピックに出られる選手になりたい。そのためには、まずは日本で上位に入る。これから、どんどん自分を磨いていき、全日本で3位以内に入れるような選手になりたいです」

 

 島﨑は、ステージを上げるための課題を「表現力」と捉えている。
「メリハリをつけるのが苦手で、特に強弱の強の部分。『曲に負けている』と言われることもあります」

 

 再び秋山に聞いた。
「苦手な手具があったとしても、作品をまず好きになり、音楽への理解を深めていけば、自分のモノにできるはずです。彼女はまだこれから。お洋服と一緒で、何が似合うのかどうかは、着せてみないとわからない。この1年はいろいろと着せてみて、何が一番似合うのか、自信を持って人前に立てるのか。私は試行錯誤の時間というふうに考えています。今は失敗を恐れずどんどんチャレンジしてもらいたいというのが正直な気持ちです」

 

 秋山の言葉を借りれば、現在の島﨑は、自分に合う“洋服”を模索中なのだ。小・中・高の恩師である髙橋瑛味子が「つま先から伸ばした時の足が綺麗。これは親にもらった“ギフト”だと思います」と惚れ込んだ美しい足のライン。大学から指導する秋山は「華やかさを持っていますし、将来性のある選手」と期待を寄せている。

 

 島﨑がフロアの上で大輪の花を咲かせる時期を、楽しみに待ちたい。

 

(おわり)

 
島﨑もも(しまざき・もも)プロフィール>
2007年12月4日、愛媛県松山市出身。小学1年時に地元の新体操クラブにスカウトされ、競技を始める。16年~2020年度にかけて、5年連続で愛媛県優秀選手賞を受賞。18年度〜21年度の4年連続で新体操ナショナル強化指定選手に選出される。高校1年時に全国高校総合体育大会(インターハイ)で2位に入る。翌年のインターハイも2位。3年時には全国高校新体操選抜大会とインターハイで優勝。国際大会にも出場した。今春から東京女子体育大学に進学。身長161cm。リフレッシュ方法は散歩。
 
(文・写真/杉浦泰介)

 

プレゼント

 島﨑もも選手の直筆サイン色紙をプレゼント致します。ご希望の方はこちらより、お問い合わせ種別「その他」を選んでいただき、本文の最初に「島﨑もも選手のサイン希望」と明記の上、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、この記事や当サイトへの感想などがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締め切りは2026年9月30日(水)迄です。たくさんのご応募お待ちしております。

 


 

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP