18日に有明コロシアムで開催された「戦極 第二陣」の一夜明け会見が19日、都内ホテルで行われた。会見にはジョシュ・バーネット(フリー)やホジャー・グレイシー(ホジャー・グレイシー柔術アカデミー)(写真)など試合に勝利した8選手が出席した。
「新世代のグレイシー」として注目されたホジャーは近藤有己(パンクラスism)から見事な一本勝ちをおさめた。2005年に寝技の世界選手権ともいわれる「アブダビコンバット」で99kg未満級、無差別級の2階級を制覇した経験もある、「寝技世界一」の男はその称号にふさわしい試合をみせた。
 会見では、「新しいイベントである戦極と共に成長したい」と今後も日本で戦うことを宣言した。次戦は未定だが、再び「戦極」のリングに上がる日はそう遠くなさそうだ。

 メーンイベントに登場したバーネット(写真)は、共に練習し、セコンドについたこともあるジェフ・モンソン(アメリカン・トップチーム)を3−0の判定で下した。KOか一本勝ちにこだわりながらも、判定決着となった親友対決を振り返り、「友人との対戦はこれっきりにしてほしい」と戦いづらさを感じていたことを明かした。

 また肺に真菌感染症を患い、約一年半ぶりの総合格闘技のリングとなったケビン・ランデルマン(ハンマーハウス)は川村亮(パンクラスism)と対戦し、判定3−0で復帰戦を飾った。試合前、“新しいモンスターの誕生”を強調したランデルマンであったが、善戦する川村を前に苦しい試合を強いられた。以前の爆発的な突進力は影を潜めたが、試合後には「(試合前から左肩の筋を痛めていたため)今日の試合は右ジャブで勝った。今後はスイッチして戦うかもしれない(ランデルマンはオーソドックススタイル)」と冷静な分析を行なっていた。これが新しいモンスターの姿なのかもしれない。

 そして数少ない日本人ヘビー級選手として参戦した中尾“KISS”芳広(TEAM TACKLER)はBIG・ジム・ヨーク(ファイブ・リングス・ドージョー)を相手に2RTKO勝利をあげた。中尾は試合後のリングで、「第三陣」(6月8日)に参戦が決まっている藤田和之(藤田事務所)に対戦を要求。場内は大きく盛り上がった。だが一夜明けて、「もうワンステップ、ツーステップ段階を踏んでから」と國保尊弘広報にたしなめられ、「國保さんにお任せして待ちます」と冷静さを取り戻していた。

 当日の会場では、初代PRIDEライト級王者で同階級の第一人者である五味隆典(久我山ラスカルジム)が「第四陣」に参戦することが発表された。今後、五味を標的とした「Road to 五味」のトーナメントが組まれる予定だ。その最有力として、昨日勝利した北岡悟(日本/パンクラスism)、光岡映二(日本/和術慧舟會RJW)が候補にあがった。両選手共に、「与えられた試合に勝つだけ」といった謙虚な姿勢をみせたが、この3人の日本人を中心としたライト級王者を巡る争いにも注目が集まりそうだ。
 
 今後の「戦極」大会日程は以下のとおり。 

「戦極〜第三陣〜」
2008年6月8日、さいたまスーパーアリーナ
開場16:00 開始17:00

<対戦決定カード>
ニック・トンプソン(フリースタイル・アカデミー)×マイケル・コスタ(シュート・ボクセ・アカデミー)

<出場予定選手>
吉田秀彦(吉田道場)
藤田和之(藤田事務所)
マーシオ・“ペジパーノ”クルーズ(グレイシー・フュージョン)
ファビオ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー)
ホドリゴ・ダム(アライアンスBJJ)
ほか

「戦極〜第四陣〜」
2008年8月24日、さいたまスーパーアリーナ

<出場予定選手>
五味隆典(久我山ラスカルジム)

「戦極〜第五陣〜」
2008年9月28日、国立代々木競技場 第一体育館