6月8日に、さいたまスーパーアリーナで開催される「戦極〜第三陣〜」の記者会見が20日、都内ホテルで行なわれ、既に参戦が発表されていた吉田秀彦(吉田道場)(写真)はモーリス・スミス(モーリス・スミス キックボクシングセンター)と対戦することが決まった。また三崎和雄(GURABAKA)×ローガン・クラーク(ミネソタ・マーシャル・アーツ・アカデミー)などの対戦カードも発表された。
 吉田の相手、モーリス・スミスは1984年にWKA世界キックボクシングヘビー級王座に輝いた、伝説のプロ・キックボクサーだ。一方の吉田は「PRIDE」(2006年5月)での西島洋介(高田道場)戦以来、勝利から見放されている。会見で吉田は、「勝負にこだわり、とにかく勝ちたい」と繰り返し、勝利への執念を感じさせた。4月から吉田はトレーナーを招き、ボクシングトレーニングで打撃を強化しているという。「自分のかたち(グラウンド)に持っていきたい」としながら、勝利を最優先した練習内容に、その強い思いがうかがえた。

 さらに吉田は、「第二陣」で近藤有己(パンクラスism)に勝利したホジャー・グレイシー(ホジャー・グレイシー柔術アカデミー)に対して、「自分がいつまで現役でやれるかわからないので、体力・気力が充実しているうちに戦いたい」と対戦を熱望した。この発言に関して國保尊弘広報は「吉田選手がモーリスを下して、そのうえで待望論があれば」と条件付きで認める考えを示した。「グレイシー最強の遺伝子」との決戦実現のためには、吉田の約2年ぶりの勝利が必要になりそうだ。

 また、三崎(写真)の対戦相手に決まったローガン・クラークは、長身を生かした絡みつくような寝技が持ち味だ。会見に出席した三崎曰く「立ってよし、寝てよしのやっかいな選手」である。
 三崎は「第二陣」をみて、「もっと観客と一体化したい」と感じたという。「これが最後になっても悔いが残らない試合をする」という自身の信条を体現し、ミドル級トップにふさわしい戦いで観客を熱狂させたいところだ。

 そのほか、藤田和之(藤田事務所)の対戦者として、トラビス・ビュー(エリート・パフォーマンス)が決まった。トラビス・ビューは総合格闘技60戦以上のキャリアを誇り、「UFC」や「PRIDE」に出場した経験がある選手だ。また、チェ・ム・ベ(チーム・タックル)とマーシオ・“ペジパーノ”・クルーズ(グレイシー・フュージョン)の対戦も同じく発表された。チェ・ム・ベはレスリングの韓国代表を8年務め、2004年に韓国人として「PRIDE」に初参戦した経歴を持つ。マーシオ・クルーズは世界柔術選手権王者に6度輝き、2003年に寝技の世界選手権ともいわれる「アブダビコンバット」の99kg以上級で優勝した強豪だ。

「戦極〜第三陣〜」の大会概要は以下のとおり。

「戦極〜第三陣〜」
2008年6月8日、さいたまスーパーアリーナ
開場16:00 開始17:00

<対戦決定選手>
吉田秀彦(吉田道場)×モーリス・スミス(モーリス・スミス キックボクシングセンター)
三崎和雄(GURABAKA)×ローガン・クラーク(ミネソタ・マーシャル・アーツ・アカデミー)
藤田和之(藤田事務所)×トラビス・ビュー(エリート・パフォーマンス)
チェ・ム・ベ(チーム・タックル)×マーシオ・“ペジパーノ”クルーズ(グレイシー・フュージョン)

<既報決定カード>
ニック・トンプソン(フリースタイル・アカデミー)×マイケル・コスタ(シュート・ボクセ・アカデミー)

<既報出場予定選手>
ファビオ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー)
ホドリゴ・ダム(アライアンスBJJ)