「冬場で30分かかっていたウォーミングアップがバイオラバーのマットを敷いて実施すると10分で体がほぐれた」
「捻挫の際、バイオラバーのサポーターを巻くと、短時間で腫れが引いた」
 山本化学工業のバイオラバーは、ウォーミングアップやケアに必要なアイテムとして、実際に使用したアスリートに受け入れられている。

 なぜ短い時間で体がほぐれ、回復が早まるのか。それはバイオラバーに血流改善の機能があるからだ。
「血流の速度や量がアップすることで筋肉が温まりやすくなる。これにより、体のパフォーマンスが向上する。このことが選手たちに実感としてあるのではないでしょうか」
 山本化学工業の山本富造社長は、スポーツ界での広がりを、そう語る。

 そして、このほどバイオラバーの血流改善効果について、実証的に認められる検査結果が出た。東京大の医学・工学博士が、バイオラバー装着時の血流データを調べたところ、他の血流改善を促す方法とは異なる特徴が見つかったというのだ。

「血流改善には、マッサージなどの刺激を与えたり、薬剤を活用するなど、いろいろなやり方があります。ただ、どの方法も血流が良くなるには、始めてからしばらく時間がかかるそうです。また改善効果にも波があり、持続的に良くなるわけではないとのことでした」
 山本社長は、そう前置きした後、バイオラバーについて話を続ける。

「一方、バイオラバーは30秒で一気に血流が良くなり、その効果が継続するとのデータを得られました。調査した先生も“これは通常では考えられない”とビックリされていましたね。これまで医学的に血流改善効果があることは証明されていましたが、工学の観点からも、それがはっきりと認められました」

・血流が短期間に即改善する。
・改善効果が持続して見られる。
 山本社長の説明によれば、この2点がバイオラバーの他にはない特徴というわけだ。

 血流改善は4つの観点からチェックされる。最初の2つは血流速度と血流量だ。血流速度が速くなれば、必然的に量も多くなり、血の巡りは良くなる。

 バイオラバーを装着すると、血流速度は30代で平均1.37倍、50代で1.56倍、70代で1.73倍アップする数値が出たという。「年齢を重ねている方が血液の粘度が高い。高齢者の方が血流改善の効果が見られるというのもデータとして出てきたのは価値あること」と山本社長は測定結果を喜ぶ。

 3つ目は血液量だ。これは血管断面に血液がどのくらい含まれているかを調べる。一見、血液量が増えることが血流改善につながるように思えるが、山本社長によれば、「話はそう単純ではない」という。

「断面あたりの血液量が増えるのは、それだけ血管が拡張しているということになります。血管を広げて血流を良くするのは、その分、体に負担がかかる。循環器系に問題がある方にとってはリスクの高い方法になります」
 バイオラバーを装着した際、血液量に変化はない。つまり、血管が拡張するわけではないのだ。

 血流改善最後のチェックポイントである体圧もパイオラバーは違いがない。このことから体圧を上げ、血管を圧迫して血液を流しているわけでもないこともわかった。総合するとバイオラバーは血管を圧迫したり、広げたりすることなく、血流速度を上げ、血流量を増やす。「4つのチェックポイントから理想的な血流改善方法のひとつであることが認められたんです」と山本社長は笑顔をみせる。

 血流改善でひとつのエビデンスを得られたことで、バイオラバーの用途はさらに広がる可能性がある。それは体温上昇による免疫力アップといった健康面での活用にとどまらない。現在、一例としては育毛のサポートが考えられている。

 ストレス社会の現代、薄毛、抜毛は男女ともに共通した悩みだ。髪の毛が細くなったり、抜けてしまうのは、加齢やその他の環境的要因によって頭皮の血流が悪くなるからである。頭皮の血流を改善することが、育毛促進につながる。

「就寝時に頭皮の血流を良くするために、バイオラバーの枕カバーをつくったりするのもひとつのアイデアかもしれませんね。課題としてはおもしろいとみています」
 山本社長はその他の活用法にも頭を巡らせている。血流を短時間で、継続して改善させ、血管に負担もかけない。バイオラバーの特性をより生かす方法が近い将来、新たに見つかるかもしれない。

 山本化学工業株式会社