18、19の両日、幕張メッセで「第1回体操JAPAN CUP 2009」が行なわれる。大会には北京オリンピック金メダリスト4名を含む48名が出場、参加国は7カ国に及ぶ。3年後のロンドンオリンピックを見据えた、世界トップクラスの強豪選手たちが顔を揃える。日本のエース格は北京オリンピック男子個人総合銀メダリスト内村航平(日体大)と、女子の鶴見虹子(朝日生命体操ク)だ。2人を中心に男女ともに好成績が期待される。初日の18日は国別団体、2日目の19日は個人総合が行なわれ、ハイレベルな激戦が繰り広げられる。
(写真:右から出場予定の鶴見、内村、ファビアン選手)
 北京の熱狂からおよそ1年。今年は日本を舞台に各国の選手が妙技を競う。2日間の日程で行なわれるJAPAN CUPは、初日に男子6カ国、女子4カ国が参加する団体戦が行なわれる。団体戦に出場する国々はオリンピックに匹敵する素晴らしいチームが揃った。特に男子はオリンピック団体金メダルの中国を始め、団体1位から6位までの国が全て顔を揃える。女子でも北京オリンピック団体金メダルの中国を始め、入賞国4カ国が出場する。

 団体戦は2009年から採用された新ルールに基づいた選手権となる。現行ルールで世界のトップレベルの選手が集うのは今大会が初めてとなり、ロンドンオリンピックに向け、新ルールのチーム戦を戦う貴重な経験となる。新ルールは5−3−3制とよばれる採点システム。従来のルールでは1チーム6名でメンバーが構成されていたが、新ルールの下では5名で構成される。各種目で3名が演技し、3名全員の得点が有効となる。つまり、以前の方式に比べ、スペシャリストとしての技量よりも各種目で力を発揮する総合力が問われる方式へと変更された。

 ロンドンオリンピックに向けた大会だけに、各国は若手実力者中心にチームを編成してきた。しかし、その中にあっても過去に素晴らしい実績をあげた選手がいる。北京オリンピックつり輪、団体金メダリストのチェン・イビン(中国)や04年アテネオリンピックあん馬金メダリストのテン・ハイビン(中国)など世界チャンピオンが顔を揃え、北京五輪男子鉄棒銅メダリストのハンブッヘン・ファビアン(ドイツ)などオリンピックメダリストも多数参戦する。

 日本の期待を一身に集めるのは、北京オリンピック個人総合、団体銀メダリストの内村だ。北京オリンピックまで日本を牽引した冨田洋之、鹿島丈博らが競技の一線から身をひいたため、今後は名実ともに日本のエースとしての働きが期待される。

 会見の席で、現在の調子について問われた内村は「肩と手首が万全ではないが、少ない練習時間で調整して最低限の結果がでるようにしたい。順位は関係なく、チームが一丸となって楽しく美しい演技をすることが目標」と語った。

 一方の女子団体、北京オリンピック5位入賞の日本は北京オリンピックの出場メンバーで今大会に臨む。個人総合でも活躍が期待される鶴見は「北京では悔しい想いもした。メダルをとるため、満足のいく演技をしてお客さんに感動してもらいたい」と個人、団体ともに3位以内という目標に掲げた。

 2日目の個人総合には男女とも各国2名ずつの選手が出場し、初代王者を目指してしのぎを削る。今大会では国内の体操競技大会としては珍しく巨大LEDビジョンが登場する。各競技が同時に行なわれる体操競技では、いずれの種目でどの選手が演技しているかがわかりにくかった。その問題点を解決するため、今大会では日本人選手をはじめとする注目選手が演技に入る前に、場内DJと大型ビジョンで観客を盛り上げ、会場が一体となる大会を目指す。

 ロンドンオリンピックでも北京に続き多くのメダル獲得が期待される体操ニッポン。2012年への長い道のりはJAPAN CUPから始まっていく。


<体操JAPAN CUP 2009>

7月18日(土)・19日(日)
千葉・幕張メッセ

第1日目 男子・女子団体選手権
第2日目 男子・女子個人総合選手権

両日ともに12:00開場、13:00開会式