「やれんのか! 大晦日! 2007」を開催した同イベント実行委員会と、「HERO′S」を主催するFEGによる新総合格闘技イベント「DREAM」の旗揚げ戦となる「DREAM.1 ライト級グランプリ2008開幕戦」が3月15日、さいたまスーパーアリーナで行われた。大みそかに予定されながら延期となっていた注目の青木真也(パラエストラ東京)×J.Z.カルバン(アメリカン・トップチーム)は、途中、青木の首にカルバンのヒジが入るアクシデントで青木にドクターストップがかかり、試合はノーコンテストとなった。
(写真:メーンの青木(右)×カルバンはノーコンテストに……)
 約1年半ぶりの日本での試合となったミルコ・クロコップ(フリー)は、公募によって直前に対戦が決定した水野竜也(U−FILE CAMP)を1R56秒KOで下し、格の違いを見せつけた。

 7試合が行われたライト級GPは、KIDの後輩・朴光哲(KRAZY BEE)がヨアキム・ハンセン(フロントラインアカデミー)に判定で敗れ、宮田和幸(フリー)がルイス・ブスカペ(ブラジリアントップチーム)に一本負けを喫するなど日本勢は黒星スタートとなったが、永田克彦(新日本プロレスNEW JAPAN  FACTORY)がアルトゥール・ウマハノフ(SKアブソリュート)に判定勝ちで日本人初白星をあげると、続いて石田光洋(T−BLOOD)が、大みそかの青木戦で潜在能力の高さを見せたチョン・ブギョン(フリー)を相手に苦戦の末し判定勝ち、川尻達也(T−BLOOD)もブラックマンバ(フリー)に判定勝利をあげた。エディ・アルバレス(ファイト・ファクトリー)×アンドレ・ジダ(ブラジル/Universidade Da Luta)の目が離せない打撃の攻防は、アルバレスが1R6分47秒、TKO勝利をおさめた。

 最大の注目だったカルバン×青木は、まさかのノーコンテストという結果になった。
 青木がカルバンのハイキックをくぐり抜け、コーナーに押し込んだところで、カルバンのヒジ打ちが青木の首に入ってしまった。反則となるこの攻撃でカルバンにはイエローカードが出され、青木はダメージ回復のため3分間のインターバルが与えられる。しかし、3分を過ぎても回復せずレフェリーやドクターの協議が続く。
 ドクターが青木の首から腕につながる神経が牽引されて麻痺が起こっていると説明し、「試合続行不可能」によりノーコンテストとなった。トーナメントの勝ち上がりについては「主催者預かり」となった。
 
 青木はマイクを手にすると涙ながらに「今日、会場まで来てくれたお客さん、本当にすみません。僕も闘いたいんです。でも腕が上がらないんです。世界最強を目指してまだまだ頑張ります!」とファンに向けコメントした。
 一方のカルバンも「こんなことになって申し訳ありません。こんなつもりじゃありませんでした。大晦日に続いてがっかりさせてしまったのが残念です」と観客に謝罪した。
 その後のインタビューで青木は「すごく練習してきて打撃も見えて、良い流れだと思っていたところだった。こういうアクシデントでこれからどうするとか、次の試合どうなるとか、いまは何も考えられない。白紙の状態」とうなだれた。
 試合後、笹原圭一イベントプロデューサーは「個人的には再試合させたい」と語ったが、どのような判断となるのか注目が集まる。

 久しぶりに日本のリングに登場したミルコは、公募によって直前に対戦が決定した水野と対戦。前日会見で「120%の力で勝ちを狙いにいく」と意気込んでいた水野は序盤から果敢に前に出るが、ミルコは首相撲からのヒザ蹴りで水野の体勢を崩すと、一気に打撃をたたみかけ、1R56秒、あっさりとKO勝利をあげた。
 試合後、リング上でミルコが「水野選手の勇気をたたえたい。次はもっと強い相手と戦います」とアピールすると、観客からは拍手と歓声がわいた。
(写真:1年半ぶりの日本での試合となったミルコ(左)は水野をわずか56秒でマットに沈めた)
  
 休けい明けには4月29日、さいたまスーパーアリーナで行われる「DREAM.2ミドル級グランプリ2008開幕戦」(さいたまスーパーアリーナ)に出場が予定されている選手が紹介され、秋山成勲、船木誠勝、桜庭和志らがファンに挨拶した。

試合結果は以下のとおり。

<第1試合> 
○ミノワマン(日本/フリー)
1R 1分25秒ヒザ十字固め
×イ・グァンボム(韓国)

<第2試合>
○桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
1R 4分12秒レフェリーストップ
×門馬秀貴(日本/和術慧舟會A−3)

<第3試合> ※ライト級グランプリ1回戦
○ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントラインアカデミー)
2R判定3−0
×朴光哲(日本/KRAZY BEE)

<第4試合> ※ライト級グランプリ1回戦
○ルイス・ブスカペ(ブラジル/ブラジリアントップチーム)
1R7分37秒裸締め
×宮田和幸(日本/フリー)

<第5試合> ※ライト級グランプリ1回戦
○永田克彦(日本/新日本プロレスNEW JAPAN  FACTORY)
2R判定3−0
×アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート)

<第6試合> ※ライト級グランプリ1回戦
○石田光洋(日本/T−BLOOD)
2R判定3−0
×チョン・ブギョン(韓国/フリー)

<第7試合>
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/フリー)
1R0分56秒KO
×水野竜也(日本/U−FILE CAMP)

<第8試合> ※ライト級グランプリ1回戦
○エディ・アルバレス(アメリカ/ファイト・ファクトリー)
1R6分47秒レフェリーストップ
×アンドレ・ジダ(ブラジル/Universidade Da Luta)

<第9試合> ※ライト級グランプリ1回戦
○川尻達也(日本/T−BLOOD)
2R判定3−0
×ブラックマンバ(インド/フリー)

<第10試合> ※ライト級グランプリ1回戦
青木真也(日本/パラエストラ東京)
1R 3分46秒ノーコンテスト
×J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)