BCリーグでは各地区のチャンピオンが決定し、6日からはリーグチャンピオンシップが開催される。上信越地区では前後期を制覇し、初の完全優勝した新潟アルビレックスBCがプレーオフに初進出した信濃グランセローズを、北陸地区では福井ミラクルエレファンツが、4連覇を狙った石川ミリオンスターズをそれぞれ破り、リーグの頂点を目指して対戦する。プレーオフでは初顔合わせの両者。どちらも優勝すれば初の栄冠となる。
 昨季に続いてのリーグチャンピオンシップ進出を果たした新潟は、投打ともにレギュラーシーズンの勢いそのままという印象だ。特に打線は、どこからでも得点できることが、相手投手に脅威を与えている。信濃との地区チャンピオンシップでは7番・足立尚也(横浜商科大学高−桜美林大)が2安打3打点など、下位打線の活躍が目立った。

 投手陣も盤石だ。先発の寺田哲也(作新学院高−作新学院大)は疲労が見え始めた7回こそ、失点したものの、1、3、4、5、6回は三者凡退に切ってとる好投を披露し、エースとしての役割を果たした。リリーフしたセットアッパー羽豆恭(中央学院高−中央学院大)、クローザーのロバート(八王子実践高−亜細亜大−ロサンゼルスドジャース<マイナー>)も安定したピッチングで信濃打線に追加点を与えなかった。

 一方、まさに3度目の正直で石川を下し、初のリーグチャンピオンシップに進出した福井は、ロースコアに持ち込むことができるかがカギとなる。石川との地区チャンピオンシップでは、引き分けに終わった第1戦こそ、互いに2ケタ安打の打撃戦となったが、第2戦、第3戦は2−0、2−1と僅差のゲームを逃げ切った福井が連勝。特に優勝を決めた第3戦は初回に2点を先制したものの、2回以降はゼロ行進。結局、先発の高谷博章(北海高−浅井学園大)が完封し、2点を死守した。

 レギュラーシーズンでの両者の対戦成績は、前期は3勝3敗と五分であったものの、後期は6勝0敗と新潟が圧勝している。それだけに、やや新潟に分がありそうだ。ただ、新潟は地区チャンピオンシップを1試合しか行なっておらず、短期決戦の戦い方を知っているのは福井という見方もできる。石川との接戦を制したという勢いも武器となりそうだ。後期は一度も負けたことのない福井に土をつけられた際に、新潟がどう気持ちを切り替えるのか。初戦で福井が勝てば、そのまま勢いに乗る可能性もある。いずれにせよ、新潟の打線と福井の投手陣がカギを握る。