25日、女子東アジアカップ2013の第2戦が韓国・華城競技場で行われ、なでしこジャパン(日本女子代表、FIFAランク3位)が北朝鮮女子代表(同9位)と0−0で引き分けた。なでしこは前半、北朝鮮に押し込まれたが、粘り強く守ってゴールは割らせなかった。後半は一転して攻勢を強めたものの、決定機をモノにできず、ノーゴールに終わった。日本は北朝鮮と勝ち点4で並んでいるが、得失点差で首位をキープ。27日は3連覇をかけて、開催国・韓国(同16位)と対戦する。

 大儀見、代表100試合目飾れず(華城競技場)
日本女子代表 0−0 北朝鮮女子代表
「3連勝するつもりだったので情けない」
 MF宮間あやは悔しさを隠さなかった。主導権を握った後半は、常に北朝鮮を押し込みながらもゴールネットは揺らせず。8戦ぶりの無得点に終わった。

 序盤、なでしこは持ち前の細かいパスワークで主導権を掴みにかかった。しかし、華城競技場の長い芝が影響してボールが伸びず、パスカットされる場面が多かった。前線にボールを運んでも、ゴール前を固めた相手を崩すアイデアを欠き、なかなかシュートまで持ち込めなかった。

 逆に、北朝鮮の前線の選手にロングボールを放り込むシンプルな攻撃に押し込まれた。前半32分、相手のロングボールに対応したDF岩清水梓が日本の右サイド深くでFWラ・ウンシムにボールを奪われる。パスをつながれ、最後はMFチョ・ウンジュにPA内でシュートを打たれが、ゴール上へ。前半終了間際には、MFリ・エギョンにPA内左45度からクロスバー直撃のシュートを許した。この他の場面では体を張った守りでゴールは割らせなかったものの、リズムに乗り切れないまま試合を折り返した。

 後半は立ち上がりからボールを支配して北朝鮮ゴールに迫った。後半3分、MF川澄奈穂美がPA内中央へスルーパス。これに走り込んだ大儀見が右足で合わせたが、GKのファインセーブに防がれた。この試合で始めて決定機をつくった場面だった。

 29分には、宮間がPA手前から浮き球のパスを送る。FW大野忍とGKが競り合ってこぼれたボールを、大儀見が左足で狙ったがGKの体に当って得点ならず。なでしこはチャンスをつくるものの、ゴールが遠かった。

 39分、途中出場のMF岩渕真奈が宮間のスルーパスから鋭いターンでDFをかわしてPA内に侵入。狙い澄ましてゴール右にシュートを打ったが、GKが左足に当てるスーパーセーブ。最後まで決定機をモノにできなかった。

 佐々木則夫監督は選手たちの健闘を称えたものの、「シュート精度が悪かった」と攻撃面の課題を指摘した。宮間も「決定的なチャンスはつくっているがそれまでのボールの動かし方に課題が多い」と反省の弁を口にした。

 首位で迎える最終戦は優位な立場ではあるが、北朝鮮が中国に大差で勝利すれば逆転される可能性がある。しかも中1日という強行軍。宮間が「チーム一丸となって戦い、勝ちたい」と語ったように、まさに総力戦で3連覇を達成できるか。