2日、日本サッカー協会は「FIFA ビーチサッカーワールドカップ タヒチ2013」(9月18日〜28日)に臨む日本代表12名を発表した。GK照喜名辰吾(ソープマライア)、FP河原塚毅(ソープマライア)、FP牧野真二(LEON福岡)は6大会連続のW杯出場。一方で、FP茂怜羅オズ(東京レキオスBS)、FP松田圭祐(AVANTE OSAKA)、FP松尾那緒弥(プラシア山口)がW杯代表に初選出された。ラモス瑠偉監督がW杯で指揮を執るのは4度目となる。日本代表は7日、8日にお台場海浜公園でビーチサッカーサッカースイス代表と国際親善試合を行う。
「もう一度、世界を驚かせたい」
 ラモス監督は力強くW杯への意気込みを語った。目標は自身が初めて日本を率いた05年大会のベスト4以上だ。そのために、沖縄合宿では選手たちに「見ていて可哀相になった」と語るほどの過酷なフィジカルトレーニングを課した。しかし、「W杯でベスト4」を合言葉として掲げたチームに、文句を言う選手はいなかった。

 今大会、日本のキーマンとなるのが茂怜羅オズだ。昨年末にブラジルから帰化。今年1月に行われたW杯アジア予選では7ゴールを挙げる活躍でチームを本大会出場に導いた。日本に帰化する前は母国・ブラジル代表入りや、ポルトガル代表選出のために同国への帰化も打診されたほどの選手だ。

「茂怜羅がいなかったら、(アジア予選は)勝てなかった。彼みたいな選手がよく日本に帰化する決心をしてくれた。ここまで日本を愛してくれたことにすごく感謝している」
 と、指揮官は厚い信頼を寄せる。W杯という大舞台は初出場だが、経験値と技術の高さは折り紙つき。W杯ではキャプテンを務めることが決定しており、まさにラモスジャパンの大黒柱としての活躍が期待される。

 日本はグループDに入り、18日のロシア戦を皮切りに、20日にコートジボワール、22日にパラグアイと戦う。D組で2位以上に入れば決勝トーナメントに進出できる。ポイントは前回優勝国ロシアとの初戦だ。指揮官は前回王者を次のように分析した。

「すごく走るチームで、恐ろしいくらいに疲れ知らずの選手が多い。4分くらいになると、(一度の交代で)4人を交代する。あれは戦術だと思うが、4分くらいで自分の力をすべて出し切って、また違う4人が出てくる。(交代しても)そんなに(サッカーの質が)変わらない」

 そんなロシアに走り負けないために、選手たちはフィジカルトレーニングで体をいじめ抜いた。ラモス監督も「素晴らしかった」とレベルアップを確信している。下馬評はロシア有利だが、王者相手に互角の勝負ができれば、次の試合に向けて自信につながる。そして、コートジボワール戦、パラグアイ戦で確実に勝ち点を稼ぎ、決勝トーナメントに駒を進めたい。

 W杯に臨む上でスイスとの親善試合は、腕試しに打ってつけの機会だ。スイスは09年W杯(ドバイ)で準優勝した強豪。ラモス監督たっての希望で対戦が実現した。

「(スイス戦は合宿の疲労もあって)そんなにのびのびできないと思う。あくまでも、私たち(の目標)はW杯ベスト4に入ること。ただ、もちろん勝つことにこだわっている。(スイス戦には)せっかくみなさんが来てくれるし、テレビ放送もある。ビーチサッカーを盛り上げるためにも、いい試合をしないといけない。だから僕は強いチームとやりたいと(協会に)お願いした。ただやって勝つだけじゃなくて、ビーチサッカーのおもしろさ、日本がどのくらい強いのかを見せたい」

 ラモス監督はこのように意気込んだ。誰よりも日の丸を愛する指揮官と、それについてきた選手たち。ラモスジャパンが、世界を驚かす旅へと出航する。

<ビーチサッカー日本代表メンバー12名>

GK
照喜名辰吾(ソープマライア)
宜野座寛也(東京レキオスBS)
FP
河原塚毅(ソープマライア)
牧野真二(LEON福岡)
田畑輝樹(東京レキオスBS)
尾田博文(東京レキオスBS)
當間正人(ソープマライア)
小牧正幸(東京レキオスBS)
松田圭祐(AVANTE OSAKA)
山内悠誠(G.C.Nerine)
茂怜羅オズ(東京レキオスBS)
松尾那緒弥(プラシア山口)