19日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループB第2節で、オランダがオーストラリアに3−2で勝利した。オランダは前半20分、FWアリエン・ロッベンのゴールで先制したが、21分にFWティム・ケイヒル、後半9分にはMFマイル・ジュディナクに決められて逆転された。それでも13分にFWロビン・ファンペルシーのゴールで追いつくと、23分にFWメンフィス・デパイが決勝点を決めた。連勝のオランダは勝ち点を6に伸ばしてベスト16進出を決めた。

 ケイヒル、豪快ボレー弾も実らず(ポルトアレグレ)
オランダ 3−2 オーストラリア
【得点】
[オランダ] アリエン・ロッベン(20分)、ロビン・ファンペルシー(58分)、メンフィス・デパイ(68分)
[豪州] ティム・ケイヒル(21分)、マイル・ジュディナク(54分)

 オランダが打ち合いを制して、グループリーグ突破へ前進した。

 オランダは序盤、オーストラリアにボールポゼッションで上回られ、かつ相手の激しいプレッシングになかなかリズムを掴めなかった。
 そんな状況を打破したのは、圧倒的な個の力だった。20分、ロッベンがピッチ中央付近からドリブルで一気にPA内左へ進入。そこから左足を振り抜いて、ゴール右へ流し込んだ。劣勢だったオランダがロッベンの2戦連続ゴールで先制に成功した。

 このまま勢いに乗りたいところだったが、直後にオランダは同点弾を奪われる。ケイヒルに右サイドからのアーリークロスを、左足ダイレクトで撃ち抜かれた。シュートはクロスバーを叩いてゴールラインを越えた。オランダはその後もオーストラリアの攻勢に押し込まれた。それでもGKヤスパー・シレッセンを中心に粘り強く守り、1−1のまま試合を折り返した。

 迎えた後半もオーストラリアのペースで試合は進み、9分、オランダが逆転を許した。左サイドを仕掛けたMFオリバー・ボザニッチのクロスが、DFダリル・ヤンマートの手に当たってしまいPKを献上。これをジュディナクに確実に決められた。

 打ち合いの様相を呈した試合は、ここからさらに動く。13分、ファンペルシーがデパイからのスルーパスに抜け出し、PA内左の位置で左足を一閃。シュートはニアサイドを抜けてゴールネットに突き刺さった。さらに23分、同点弾をアシストしたデパイが、PA手前から右足でミドルシュート。低い弾道のシュートが、GKの手を弾いてゴール右下に決まった。

 この試合において組織力では、オランダはオーストラリアに劣っていた。しかし、ロッベンのドリブルをはじめ、個の力で相手組織を打ち崩した。初戦のスペイン戦では、組織的な守備で相手を圧倒。個と組織が噛み合ったトータルフットボールで、オランダ悲願の初優勝へ視界は良好だ。

(鈴木友多)

【オランダ出場メンバー】
GK
ヤスパー・シレッセン
DF
ロン・フラール
ステファン・デ・フライ
ブルーノ・マルティンス・インディ
→メンフィス・デパイ(45分+2)
ダレイ・ブリント
ダリル・ヤンマート
MF
ナイジェル・デ・ヨング
ジョナサン・デ・グズマン
→ジョルジニオ・ワイナルドゥム(78分)
ヴェスレイ・スナイデル
FW
ロビン・ファン・ペルシー
→イェレマイン・レンス(87分)
アリエン・ロッベン
 
【オーストラリア出場メンバー】
GK
マット・ライアン
DF
ジェイソン・デイビッドソン
マシュー・スピラノビッチ
ライアン・マッガワン
アレックス・ウィルキンソン
MF
トミー・オアー
→アダム・タガート(77分)
マイル・ジュディナク
マット・マッケイ
マーク・ブレシアーノ
→オリバー・ボザニッチ(51分)
FW
ティム・ケーヒル
→ベン・ハロラン(69分)
マシュー・レッキー