王座奪還へ、青学大が3年ぶり4回目の往路優勝 ~箱根駅伝~

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 2日、第96回東京箱根間往復大学駅伝競走は、東京・大手町から神奈川・芦ノ湖までの往路5区間(107.5km)で行われ、青山学院大学が3大会ぶり4度目の往路優勝を果たした。2区でトップに立った青学大は、3区で2位に下がったものの、4区で再び先頭に立ち、逃げ切った。区間新記録連発の高速レースを5時間21分16秒の往路新で制した。2位は1分33秒差で國學院大学が、3位には3分17秒差で東京国際大学が入った。いずれも同校最高順位を更新した。連覇を目指す東海大学は3分22秒差の4位。往路2連覇中だった東洋大は11位と苦しい前半戦となった。

 

 往路の順位は以下の通り。

(1)青山学院大(2)國學院大(3)東京国際大(4)東海大(5)明治大(6)帝京大(7)創価大(8)駒澤大(9)早稲田大(10)拓殖大(11)東洋大(12)中央学院大(13)中央大(14)順天堂大(15)日本大(16)法政大(17)神奈川大(18)日本体育大(※)関東学生連合(19)筑波大(20)国士館大

※OP参加のため順位なし

 

 創設100周年となった箱根駅伝は高速レースとなった。

 

 21.3kmを走る1区は実力者が揃った。2年連続の1区区間賞の東洋大・西山和弥(3年)、東海大黄金世代の鬼塚翔太(4年)に加え、当日のエントリー変更で青学大はエース格の𠮷田圭太(3年)、早稲田大学は中谷雄飛(2年)が入った。

 

 1km通過は2分45秒のハイペースでスタートした。すると10kmを過ぎたあたりで西山が先頭集団から遅れ始めた。優勝候補の一角、東洋大が崩れる波乱の1区は創価大学の米満怜(4年)が制した。六郷橋の坂道を抜け、トップに立ったのは國學院大の藤木宏太(2年)だ。先頭を引っ張っていた有力校のランナーを引き離す。一度は離された米満だったが、藤木をかわしトップで襷を渡した。

 

 創価大に続き、國學院大、日本体育大学が襷リレー。連覇を狙う東海大は4位、青学大は7位、東洋大は14位で鶴見中継所を通過した。エース区間“花の2区”は、激しく順位が入れ替わった。1年生ながら抜擢された青学大の岸本大起が6人抜きの快走。序盤で先頭集団に追いつくと、残り500mで一気に抜け出した。

 

 青学大、早大、東海大、國學院大、帝京大学の順で戸塚中継所を通過。2区の区間賞は「学生最強」の呼び声が高い相澤。09年に山梨学院大学4年のメクボ・ジョブ・モグス(現サンベルクス)がマークした区間記録を7秒更新する1時間5分57秒て走った。14位から7位と大きく順位を上げ、往路3連覇への望みを繋いだ。

 

 1区からハイペースで展開されたレースは、3区でも区間記録が生まれた。5人抜きのエース伊藤達彦(4年)から襷を受け取ったイェゴン・ヴィンセント・キベット(1年)が圧巻の走りを見せた。大きなストライドを生かし、7人抜きでトップに立つ。従来の記録を2分以上塗り替え、59分25秒という驚異的なタイムを叩き出した。

 

 平塚中継所の通過順位は東京国際大、1分21秒差で青学大が、1分26秒差で國學大が襷を繋いだ。國學院大から1分39秒差の4位で帝京大学。前回覇者の東海大はトップから2分11秒遅れの5位で襷リレーとなった。

 

 4区で再び首位に返り咲いたのがフレッシュグリーンの襷だ。4区を走る吉田祐也(4年)は最初で最後の箱根路である。「競技人生10年の中、この1時間のために努力をしてきた」。1分21秒の差を跳ね返し、1分2秒の貯金をつくってみせた。1時間30秒で区間記録を更新し、往路のアンカー飯田貴之(2年)に襷を託した。

 

 山上りの5区には前回区間賞の國學院大・浦野雄平(4年)、同2位の東海大・西田壮志(3年)というスペシャリストがいるが、昨年は平地の8区を任された飯田が快走で逃げ切った。区間賞こそ東洋大の宮下隼人(2年)に譲ったものの、1時間10分40秒は区間記録を更新。2位との差をさらに広げ、トップでゴールテープを切った。

 

 青学大が総合力の高さを示した。スーパーエースはいなかったものの、安定した走りが光った。原晋監督は「1区から超ハイペースの中、学生たちは耐えてくれた」と称えた。「総合優勝しなければ“終わり良ければ総て良し”とはならない。一丸となって戦いたい」。昨年は5連覇を逃し、今シーズンは無冠の青学大が王座奪還へ大きくリードした。

 

(文/杉浦泰介)

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