11日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は追加種目選定のスケジュールなどを発表した。8日から応募は開始されており、応募可能な競技団体は国際オリンピック委員会(IOC)が承認する国際競技団体(IF)で、現時点で2020年大会に正式種目に含まれていない競技を統括している団体(雪上また氷上で行われる競技のみは除く)に限る。第一段階の応募期限は6月8日までで、22日に第二段階に進むIFには詳細な質問事項が送付される。第二段階へと進んだIFは7月22日までに質問事項への回答を提出し、8月に東京でプレゼンテーションを行う。東京2020種目追加検討会議を経て、組織委員会が最終選考。9月30日がIOCへの提出期限となっている。
「広くすべてのIOC加盟の資格のあるIFに門戸を開いた上で絞り込みを行っていく」。組織委の武藤敏郎事務総長が語ったように野球・ソフトボール、スカッシュ、相撲、空手など33の五輪非実施競技団体にチャンスは残された。

 昨年末、IOCのトーマス・バッハ会長が推し進める40項目に及ぶ中長期改革案「五輪アジェンダ2020」がIOC総会で採択された。そのうちのひとつが開催都市に追加種目の提案権を与えることだ。これにより野球・ソフトボールの五輪種目復活や、過去に候補に上がりながら涙を飲んできたスカッシュや空手にも可能性が出てきていた。

 組織委によると、IOCに追加種目の提案をする主要原則は以下の3点だという。
<若者へのアピールを中心にオリンピック・ムーブメントとその価値を推進するものであること>
<東京2020大会のビジョンを反映し、日本での機運を高め、世界中の新たな聴衆を巻き込むことにより大会に付加価値をもたらすものであること>
<選考手続きは、開かれた公平なものであること>

 残り4カ月の間、2段階に分かれた選考のプロセスを経て、9月末までに組織委はIOCに提案する種目を決める。各IFは自らの五輪種目としての“価値”をアピールする。正式決定は来年8月にリオデジャネイロで開催されるIOC総会だが、まずはIF間の戦いに勝たねば、五輪への道は開かれない。