4月22日はアースデイである。環境問題が地球全体の課題として叫ばれるようになって久しいが、山本化学工業では“エコ”という言葉が一般的になる前から、環境にやさしい製品づくりに取り組んできた。

 たとえば一般的なラバー素材は原油からつくられることが少なくないが、山本化学工業のバイオラバーは新潟県の黒姫山で採取された石灰石を主原料としている。石灰石を加熱することで発生するガスを化学重合し、ラバーの元をつくっているのだ。

 加熱には、2004年の新潟中越地震、07年の新潟中越沖地震で発生した瓦礫を活用。瓦礫を焼却して発生した熱は建物内にパイプで循環させた水で冷却され、外に出ないよう工夫がなされている。温められた水もそのまま排出するのではなく、工場に隣接された水槽に貯められる。ここではウナギが養殖されている。

 さらにウナギ用のエサが沈殿して水が汚れるのを防止するため、隣の水槽にはティラピアを放ち、ウナギの食べ残しをきれいにしてもらってから放水する。こうした環境に十分配慮された工程の下、バイオラバーはつくられている。

「バイオラバーは電気も使わず、常温の状態で赤外線を発生することで体の中から体温の上昇を手助けします。その意味でも、地球にやさしい製品と言えるでしょう」
 山本富造社長はそう語る。電気を利用したり、石油、ガスを燃やして外部から体を温めるには、それなりの加熱が必要になる。その分、多くのエネルギーが使われるというわけだ。

「しかも外からの熱は皮膚を刺激するだけで、体の芯から温めているわけではありません。たとえばお風呂に入った時のことを思い出してください。湯船につかっている時は確かに体が温まって気持ちがいいですが、お風呂から出て、そのままの状態でいると湯冷めしてしまいますよね。外から与えられた熱の効果は一時的なもので終わってしまうんです」
 一方で、バイオラバーから発せられる赤外線は体内に届き、内部から体を温める効果がある。バイオラバー自体が発熱するわけではないため、ずっと装着していても他の温熱機器のように、低温やけどになる心配もない。これらの点がバイオラバーの大きな強みだと山本社長は考えている。

 そんなバイオラバーはこのほど、日本統合医療学会において健康機器として第1号の認定を受けた。
「昨年秋に申請を出して、他にも多数申し込みがあったそうです。その中で選ばれたのがバイオラバーだけでした。正直、認定をいただけると思っていなかったのでビックリしましたね」
 山本社長にとっても予想外の朗報だったようだ。

 統合医療とは、「対症療法」と「原因療法」という<二つの療法を統合することによって両者の特性を最大限に活かし、一人ひとりの患者に最も適切な『オーダーメイド医療』を提供しようとするもの>(統合医療学会サイトより)だ。<治療と予防医療の両面から対症療法・原因療法を相互発展・連携させていくこと>(同サイト)を目的としている。

「バイオラバーは薬を飲んでいたり、他の治療を行っている方でも、プラスアルファで利用できる商品です。これが統合医療のコンセプトに合致したのではないかと考えています。有効性、安全性の観点からも専門家の方に精査していただいた結果なので、非常にうれしいですね」
 地球にも人にもやさしいバイオラバー。山本化学工業では、この効果をひとりでも多くの人に体感してほしいと考えている。

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