11日、なでしこジャパン(女子日本代表、FIFA世界ランク4位)はポルトガルで行われている国際招待大会・アルガルベ杯9位決定戦で女子アイスランド代表(同20位)を2対0で下した。前半は両チーム得点を奪えず、スコアレスで終了。後半2分、MF宮間あや(岡山湯郷Belle)のゴールで先制すると、14分には宮間が再び得点をあげる。そのまま相手に反撃を許さず完封勝ち。なでしこジャパンは前回の準優勝を大きく下回る9位で大会を終えた。今後は5月に国内でテストマッチを2試合行い、6月のW杯を迎える。

 宮間、途中出場で2得点(アルガルベ)
日本女子代表 2−0 アイスランド女子代表
【得点】
[日本] 宮間あや(47分、59分)
 W杯連覇へ向けて弾みをつけることはできなかった。「打ちのめされた大会だった」と、なでしこジャパンのキャプテン・宮間が語るように、5度目の出場となったアルガルベカップで過去最低の9位という結果に終わった。

 女子デンマーク代表(同16位)とのグループリーグ(GL)初戦を1対2で落とした日本は、つづく試合で女子ポルトガル代表(同42位)に3対0で快勝。初代表に選ばれたFW横山久美(AC長野パルセイロレディース)がデビュー戦でゴールを決めるなど、波に乗るかと思われた。しかし、GL最終戦で女子フランス代表(同3位)に1対3と逆転負けを喫し、1勝2敗でC組3位。9位決定戦に回ることとなった。

 迎えたアイスランドとの試合で、なでしこジャパンはフランス戦からスタメンを10人入れ替えた。しかし、それがカンフル剤とはならず、前半は無得点だった。佐々木則夫監督は後半開始と同時に宮間、FW大儀見優季(ヴォルフスブルク)ら3人を投入。司令塔とエースが入ったことにより、チームは一気に勢いづいた。

 2分、MF宇津木瑠美(モンペリエ)の左からのクロスを、ニアサイドで宮間がボールをコントロール。左足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺した。先制点を奪ったなでしこジャパンは、14分にリードを広げる。左サイドを突破したDF上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟レディース)のクロスに、宮間がゴール中央で飛び込んだ。宮間のシュートを大儀見が押し込み、ゴールネットを揺らす。既にゴールラインを割っていため、宮間のゴールとなった。交代選手の活躍により、なでしこジャパンは2対0で9位決定戦に勝利した。

「皆さんの期待に添えることができなかった。これをバネに修正していきたい」と佐々木監督は口にし、宮間は「絶対に這い上がる」と誓った。カナダでのW杯までは、あと3カ月。残された時間で、どこまでいい準備ができるか。4年前、逆境を乗り越えて掴んだドイツでの世界一。カナダでは、そこからの4年間の進化が問われる。