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二宮清純「プロ野球の時間」

第504回 アクシデントを乗り越えて高く羽ばたけ 広島・會澤翼捕手

 その瞬間、球場中が凍りついた。ひび割れたヘルメットのツバが事態の深刻さを物語っていた。 8月2日、横浜スタジアム。横浜DeNA対広島。9回表1死一、二塁の場面で広島ベンチは代打に思いっ切りのいいバッ
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若きタイトリストの明日 小久保裕紀

 球界を代表するスラッガーが、ついにバットを置く。14日、福岡ソフトバンクの小久保裕紀が今季限りでの引退を発表した。小久保はプロ入り2年目の1995年にホームラン王を獲得し、97年には打点王に輝いた。
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第550回 戦争で散った沢村のライバル・景浦将

 地方球場でオールスターゲームを2度開催したことがあるのは松山市の坊っちゃんスタジアムだけだ。球場名は言うまでもなく松山が舞台となった夏目漱石の小説「坊っちゃん」に由来する。ファウルグラウンドを除き、
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二宮清純「プロ野球の時間」

第503回 イチロー、電撃トレードの背景

 イチローがマリナーズからヤンキースに電撃トレードされた。若手投手2人プラス金銭との交換トレードだった。7月30日には本拠地ヤンキースタジアムで、オリオールズのミゲル・ゴンザレスからメジャーリーグ通算
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第549回 柔道、国際的に普及したがゆえの試練

 アトランタ、シドニー、アテネで五輪柔道3連覇(男子60キロ級)を達成した野村忠宏は試合前の“儀式”をことのほか、大切にしていた。 ひとつは家族からの手紙に目を通すこと。「読むのは試合の3日前と前日の
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二宮清純「プロ野球の時間」

第502回 首位独走・原巨人を支える“知的戦力”

 巨人が交流戦で初めて優勝した。24試合で17勝7敗。連敗は一度もなかった。 セ・リーグとパ・リーグの交流戦が始まって8年目になるが、セ・リーグのチームが優勝したのは初めてのことである。 巨人の圧勝を
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☆五輪特別編☆高橋尚子「勝負の分かれ目」<後編>

 おそらく日本中の視聴者があるシーンを脳裡に思い浮かべたに違いない。 今年1月に行われたシドニー五輪選考を兼ねた大阪国際女子マラソン。日本の弘山晴美は35km地点でスパートをかけ勝負に出たものの、シモ
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第548回 「選択と集中」よりも日本の底力を

 JOCはロンドン五輪での目標を「世界5位以内」と定めた。何を持って5位以内とするのか。言うまでもなく、それは「金メダル数」である。 本紙の国別メダル表を見ても分かるように金メダルの数が順位を決定する
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二宮清純「プロ野球の時間」

第501回 宙に浮いた侍ジャパンの着地点はどこか 日本プロ野球選手会・新井貴浩会長(阪神)

 苦渋の決断であることは、伏し目がちなその表情が物語っていた。 労組・プロ野球選手会がオールスターゲーム期間中の7月20日、大阪市内で臨時大会を開き、来年3月に開催予定の第3回ワールド・ベースボール・
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第547回 「幸運は用意された心のみに宿る」

 最近、気に入っている言葉がある。言葉の主はフランスの細菌学者ルイ・パスツール。「偶然は準備のできていないものには微笑まない」。スポーツを取材していると、この言葉が骨身に沁みる。 近年の五輪では北京で
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