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松井秀喜とイチロー――海を渡ったライバル物語<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 マリナーズのイチローが「天才」と呼ばれるのは、こうした芸当をいとも簡単にやってのけるからだろう。 3月7日(現地時間)のジャイアンツ戦、イチローはサウスポーのスコット・エアーから右中間スタンドに特大
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川口和久vs.西武ライオンズ――「最高のボールとは何か」<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 いくつか疑問が残る。ワンポイントではあったにしろ、なぜあの場面で疲れの残っていた川口をリリーフに起用したのか。ライオンズの森監督は「これで最終戦に川口は使えない」と判断し、「広島が勝ちに来てくれたの
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川口和久vs.西武ライオンズ――「最高のボールとは何か」<中編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 とはいえ肉眼で見る限り、運命のボールは失投ではなかった。見逃せばインコース高目のボール球。3球勝負も川口の「焦り」と見るのは間違いだろう。バッター・イン・ザ・ホールのカウントでズバッと勝負球を投げ込
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川口和久vs.西武ライオンズ――「最高のボールとは何か」<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 狭山丘陵の一角にある西武球場は、すりばち状になっているため、秋になるとライト後方から吹いてくる風が中空ですさぶように舞う。 試合の中盤ごろから風が徐々に強くなり、スタンドの観客は一斉にジャンパーやコ
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改革元年を彩る“新采配”の原点

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 3年連続最下位。昨季、合併問題でミソをつけたオリックスにとって、仰木彬の4年ぶりの監督復帰は、久々に放ったクリーンヒットだった。 69歳での監督就任は根本陸夫(故人・元福岡ダイエーホークス監督)の6
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イチローの「心眼」。<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 広く知られていることだが、イチローは小学3年生から中学3年生までの7年間、ほぼ毎日、名古屋空港近くのバッティングセンターに通った。イチローによると1ゲーム25球、それを平均して5ゲーム行った。つまり
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イチローの「心眼」。<中編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 1994年のシーズン後、オリックス球団は吹田市にある「田村スポーツビジョン研究所」(田村知則所長)に視覚機能の測定を依頼した。イチローにいくつかの検査を試みたところ、際立って高い数値を示す項目が浮上
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イチローの「心眼」。<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「他の選手が“速いな!”と驚いている時でも、僕の目には遅く見えることがある」 サラリとイチローは言った。 その口ぶりには気負いも、執着もない。 目深にかぶった帽子のひさしから時折のぞく目はギリッとして
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伊東浩司が見る「9秒台」の夢<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 アジア大会100メートル準決勝の当日、伊東から小山に電話が入った。「先生、スタートで出遅れないためにはどうすればいいでしょう」 小山は答えた。「スタートに意識をとられる必要はない。それよりもピックア
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伊東浩司が見る「9秒台」の夢<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「何か別世界にいるような感じでした。夢の中を走り終え、目がさめると、ゴールの2メートルくらい先にランニングタイムが出ていた。9秒99、アレッて感じでした。まだ余力を残していたし、タイムにこだわったわけ
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