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人物史の体裁で内像描く

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 紀元前508年からおよそ180年間にわたって花開いた世界史にも稀有な民主政――それがアテネ民主政である。古代ギリシアの最盛期にあって、なぜアテネ民主政だけが安定的に持続することができたのか。本書の出
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等身大の隣国を描き出す

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 赤いメガネでモノを見れば赤く見える。青いメガネで見れば青く見える。透明なレンズはないものかと探していたら、この本に出くわした。 という書き出しでスタートする本書は主観や情緒を極力排し、等身大の隣国を
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固定観念や先入観を疑え

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 背筋が凍るような米国のレントゲン技師の失敗を紹介しよう。ある医師が時代をさかのぼって患者の胸部X線写真をチェックしたところ、見つかった腫瘍の90%が、前のX線写真にも写っていたという。要するに技師が
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ストレートな著者の思い

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 長嶋茂雄はサインを求められると決まって「野球というスポーツは人生そのものだ」と書く。それからタイトルとなった。 今から10年前のことだ。長嶋の背番号が「33」から「3」に戻ったと聞いて巨人のキャンプ
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行き着く先は重税国家?

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 日本経済新聞社とテレビ東京が11月下旬に実施した世論調査によると、鳩山内閣の支持率は68%と依然として高い。 この高支持率を支えているのが、「事業仕分け」である。「1時間くらいの議論で何がわかるか」
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「伝説の興行師」痛快な生き様

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 あくまで個人的な基準だが「卑しい人」は嫌いだが「怪しい人」は大好きである。70年代、「カリスマ興行師」の康芳夫さんには本当に楽しませてもらった。同世代の人間を代表してお礼を申し上げたい。 モハメド・
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辛口批判、ピッチ飛び出す

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 辛口と言えばサッカージャーナリズムの世界ではこの人を措いてほかにはいない。日系ブラジル人のセルジオ越後さんだ。 ズバリこう書く。<ボクは、岡田監督を代えるべきだと思っています。(中略)日本に必要なの
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常識が治癒を遅らせる

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 夏休み、田舎育ちの私は近所の川でよくサカナ捕りをして遊んだものだ。足をすりむいたりすると「破傷風になるぞ」と親に叱られ、傷口に消毒薬をかけられた。 しかし、著者によれば消毒は<傷口に熱湯をかけるよう
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根源的な思考にいざなう

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 「パロール・ドネ」というフランス語を直訳すれば、「与えられた言葉」あるいは「贈られた言葉」とでもなるのだろうか。もちろん、無理に日本語に訳すより原題の語感を生かすべく、訳者はこの訳題を選んだのだろう
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高い目標、甲子園Vは通過点

二宮清純「本はともだち」(第3金曜更新)

 PL学園出身のプロ野球選手は七十人を超える。その人数にも驚くが、桑田真澄、清原和博、立浪和義をはじめ、名選手を多く輩出するのも、この学校の特徴である。 同校OBがプロ野球で成功する理由は何か。十一人
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