バドミントン
「小学生の頃から取材をしていただいた時には、“将来はオリンピックに出たい”と言っていました。でも、やっぱり夢というか……。テレビで他の競技を見ていても、華があって、いっぱい取り上げられているオリンピックの大会で、“自分も戦いたい”“いつか出たいな”と思っていました」 4年に1度のスポーツの祭典であるオリンピックは、多くのアスリートにとって、頂点の大会という位置づけにある。バドミントンプレーヤーの松友美佐紀も同じだった。ただ、その頃の彼女にとっては、まだ漠然とした夢にすぎなかった。しかし時を経るにつれ、その想いは徐々に輪郭を帯びていった。
近年の日本バドミントン界の女子ダブルスは、多士済々である。一世を風靡した“オグシオ”こと小椋久美子&潮田玲子組、北京五輪4位の“スエマエ”こと末綱聡子&前田美順組、ロンドン五輪銀メダリストの“フジカキ”こと藤井瑞希&垣岩令佳組……。日本ユニシス実業団バドミントン部女子チームに所属する橋礼華&松友美佐紀組の“タカマツ”も、その系譜に名前を刻もうとしている。2人がペアを結成したのは、聖ウルスラ学院英智高校時代に遡る。
その経歴は枚挙に暇がないほど、華やかである。日本ユニシス実業団バドミントン部女子チームに所属する松友美佐紀は、小中高のシングルスすべてで日本一を経験している俊英だ。高校時代から組んでいる1学年先輩の橋礼華とのダブルスは、今や日本のトップクラスどころか、世界でも指折りの存在となりつつある。そして松友はバドミントンの実力もさることながら、頭脳明晰である。中学3年時の内申はオール5、高校3年時の最後の成績もオール5だった。「天は二物を与えず」ということわざがあるが、美女アスリートと言われる彼女に、天は二物も三物も与えていた。
5日、バドミントンの全日本総合選手権大会が開幕する。前回ベスト8の選手をはじめ、今季の全日本社会人選手権、全日本学生選手権(インカレ)、全国高等学校選手権(インターハイ)など、各カテゴリーにおける上位選手に加え、4日に行われた予選を勝ち上がってきた選手たちが出場。東京・代々木第二体育館を舞台に、バドミントンの日本一を決める戦いがいよいよスタートする。