福留孝介(シカゴ・カブス)、4年契約で約54億円、黒田博樹(ロサンゼルス・ドジャース)、3年総額で40億円だそうな(2007年12月28日付朝日新聞による)。へ〜え、は〜あ。
もう20年以上も前のことになる。当時、三冠王として球界に君臨していたロッテ・オリオンズの落合博満選手に、雑誌の企画をお願いしたことがある。「落合の打撃教室」というグラビアで、川崎球場の室内練習場を借り切って撮影した。今にして思えば、夢のような贅沢な企画である。
それは、滋味あふれる光景であった。場所は札幌ドームの3塁側ベンチ(この球場は3塁側がホームチームなんだそうですね)。 ベンチに深々と座った北海道日本ハムの平野謙コーチが、まだ試合中だというのに満面の笑みを浮かべて何やら話している。左腕を相手の肩にまわして、抱きかかえるようにして。 肩を抱かれているのはダルビッシュ有である。平野コーチは、天井を向いたり、何やら指さしたりしながら、実に表情豊かに話し続ける。ダルビッシュは、うん、うん、と何度もうなづく。平野コーチは、ついには歯をむき出して大笑いした――。
あれは、9月の日曜日の夕方だっただろうか、近所の公園で久しぶりにシャドウピッチングの真似事などをしていると、サッカーボールを蹴っていたはずの小学生らしい男の子たちが、いつの間にか言い争いを始めている。
「老大はたいした奴だった」 「天をたたきかえしたよな」 「でも、勝ったのは誰だよ」 「老大にとっちゃそんなこと、もう問題じゃない。やることはやったんだから」 ――「柿たち」より
タイロン・ウッズは藤川球児を打てませんでしたね。7月26日の阪神−中日戦。3−2と阪神1点リードで迎えた8回裏、久保田智之が2死満塁まで攻め立てられて、打席にはこの時点でのホームラン王・ウッズ。ここで救援した藤川は、アウトローにストレートを投げ込んで、ものの見事に三振に仕留めた。
先日発表されたオールスター・ファン投票の最終結果には、ある顕著な特徴があった。東北楽天の選手が8人も選ばれたこと? もちろんパ・リーグの特徴はそれに尽きるが、ここで話題にしたいのはセ・リーグである。首位を走る巨人の選手がやけに少ない。選ばれたのは中継ぎ投手の林昌範と捕手の阿部慎之助、三塁手・小笠原道大の3人だけ。楽天ではなく、久々に首位を快走する日本一の人気球団こそ、8つくらいのポジションを占めても不思議ではないのに。
メジャーリーグで今一番注目されている日本人選手は誰だろうか。残念ながらアメリカに行ったことがないので、かの地の風土はよく知らないのだが、きっとダイスケ・マツザカではないだろう。もちろん、ヒデッキー・マツイでもない。おなじヒデッキーでも、レッドソックスの岡島秀樹なのではないだろうか。