羽生結弦、西川貴教とガンダム挿入歌で“コラボ” ~ファンタジー・オン・アイス2024幕張公演~

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 フィギュアスケート・アイスショーの「ファンタジー・オン・アイス2024」幕張公演が24日、千葉市の幕張メッセで開幕した。プロフィギュアスケーター・羽生結弦らが登場し、観客を魅了した。公演は前半、後半の2部制で行われた。羽生は1部終盤に登場し、「Danny Boy」を演じた。2部終盤には歌手のT.M.Revolution/西川貴教が機動戦士ガンダムSEEDの挿入歌「Meteor-ミーティア-」を歌う中、羽生が華麗なスケーティングを披露し、“共演”した。同幕張公演は25日、26日と続けて幕張メッセで行われる。

 

 西川の有名な曲はいくつもある。しかし今回、この「ミーティア」で羽生とコラボしたことに意味があった。この曲の歌詞は、多くの犠牲の上にいま、自分の命が存在している――と教えてくれる。さらに聞く者に「美しい星たちの正体は一体何なのか?」と考えさせる内容だ。

 

 これらはレクイエムの思いが人一倍強い羽生が、常に氷上で表現していることだ。さらに、ミーティアは日本語で流星などを意味する。かつて、被災したのち、避難所で見た星空から希望を見出した青年がいた。

 

 切なさと儚さを感じさせるキーボードとギターの前奏と共に、羽生にスポットライトが当たった。

 

 羽生は白を基調とし、青でアクセントをつけた衣装に身を包んでいた。先述したアニメの主人公が操縦する機体(モビルスーツ、機体名:フリーダム)を連想させるあざやかな色使いだった。右肩には白と青のグラデーションの羽根がついていた。これもフリーダムの機体を模したものでもあり、この歌詞の最後に<羽根>という単語が使われているから飾り付けたのだろうか。細部にまでこだわった衣装に早くも流石、と思わざるを得なかった。

 

 もともと羽生は音と歌詞に合わせて演じるスケーターだ。この日はさらに凄みが増していたように映った。西川が歌い上げる歌詞に沿うように指先にまで意味を持たせながら氷上を滑った。<触れてても 冷たい指先>の歌いだしに合わせ、自らの指先を見つめ、顔の近くに持っていった。

 

「陸上でダンスの振りを入れて、それを氷の上で、フィギュアスケートの振りに落とし込む」と過去に羽生は語っていた。まさに、この日は上半身の振りは陸上仕様ながら下半身はしっかりとフィギュアスケート仕様だった。これらがバラバラに見えず見事なまでに絶妙なほど「一体」となっていた。

 

 演技終盤、西川が大サビに入る少し前。羽生はジャンプを跳ぶために助走をつけた。しかし、彼は自分の間合いでは跳ばず、もう一度膨らみ直した。羽生は一瞬、ステージ上の西川を確認したように記者席からは見えた。そして、羽生はタイミングを計りながら西川の美声が一番盛り上がるところでトリプルアクセルを決めた。

 

 このアニメの主人公は“戦いたくない。でも、自分が戦わないと大勢の人が報われない、助からない”という葛藤を抱えながら戦場に出ていった。

 

“こんな状況で自分はスケートをやっていていいのか。でも、たくさんの支えがあってスケートができている。自分が勝ち得た成果で人々は喜んでくれる”と覚悟を決め、王者になるため茨の道を歩んだ青年を、我々は知っている。

 

 さまざまな要素が重なって見えた羽生と西川による「ミーティア」だった。

 

(文/大木雄貴)

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