連日熱戦を繰り広げてきた北京オリンピックもついに最終日を迎える。日本勢最後の登場となるのは男子マラソンだ。2005年世界選手権3位、07年世界選手権5位と実績のあると昨年の福岡国際マラソンで日本歴代4位の記録を出した(ともに中国電力)が男子マラソン16年ぶりのメダルに挑む。前日に欠場を決めた大崎悟史、惨敗に終わった女子マラソンの無念を晴らすべく、ラストをメダルで締めくくってほしい。
五輪も残すところ、あと2日。金メダルを大きく期待されていたが準決勝で敗退し、3位決定戦にまわることになった。銅メダルをかけて対戦するのは、1次リーグで敗れた米国だ。オールプロで臨んだ星野ジャパンにとって、メダルなしで帰国することは許されない。選手たちには意地をみせてほしいところだ。
22日はなんといってもに注目だ。日本は4勝3敗の4位通過で準決勝進出を決めた。上々の結果とはいえないが、初めから見据えるのは頂点のみ。これから始まる決勝トーナメントで負けなければ問題ない。準決勝の対戦相手の韓国は、予選で7戦全勝と波に乗るが、日本にとっていい情報もある。2006年に開催されたワールド・ベースボール・クラシックで日本は予選リーグで韓国に2敗を喫した。だが、その後準決勝で雪辱を果たし、そのままの勢いで栄冠を勝ち取ったのだ。チーム一丸となって2年前の再現を目指したい。
21日は女子の団体2種目がメダルをかけた大一番に挑む。まず。20日に昼夜の延長戦を戦い、決勝にコマを進めた日本は、準決勝で敗れた米国と再度、激突する。1日で計21イニング318球を投げきったエース上野由岐子の3連投が予想されるが、おそらく疲労はピークを越えているだろう。チャンスで1本出ていれば、2試合とももっと早く決着がついていた。決勝では打線が打って上野を助ける番だ。ソフトボールは今大会をもって五輪の正式種目から外される。“最後”の金メダルをぜひ日本に持ち帰りたい。
20日は午前中から目が離せない。が準決勝で3連覇中のアメリカに挑戦する。アメリカには1次リーグで屈辱の5回コールド負けを喫した。金メダル獲得のためには倒さなくてはいけない相手だ。勝利すれば銀メダル以上が確定するが、負けた場合は夜に行なわれる3位決定戦にまわり、1日2試合を戦わなければならない。予選のアメリカ戦では温存したエース・上野由岐子(ルネサス高崎)の右腕にすべてが託される。
予選を2勝3敗で終え、辛くも準々決勝に進んだは世界ランク1位のブラジルに挑む。予選では失セットなしで5連勝と絶好調のブラジルの壁は高い。何が起こるかわからない五輪の舞台で大番狂わせを演じたいところだ。最強国を撃破すればロス五輪以来24年ぶりのメダルが現実味を帯びる。
11日目は史上初のメダルを目指すのなでしこジャパンに注目だ。予選を3位通過した日本は準々決勝で地元・中国を破り、勢いに乗っている。この日激突するアメリカはアテネの覇者で今大会の予選でも敗れた相手。難敵を撃破して、ぜひ銀メダル以上を確定させたいところだ。
10日目の注目はなんといっても早朝にスタートする女子マラソンだ。前回大会金メダル・野口みずき(シスメックス)の欠場は残念だが、日本勢の(三井住友海上)、(天満屋)の2選手が出場する。世界トップのレベルを誇る日本の女子マラソン、3大会連続金と5大会連続メダルへの期待は大きい。
9日目は全階級制覇を目指す女子レスリングがスタートする。先陣をきるのはアテネの覇者・55キロ級のと、銀メダルに泣いた48キロ級の(共に綜合警備保障)だ。吉田は女王としてのプライドをかけ、伊調は前回の雪辱を晴らすため金へのマットに上がる。2人揃って表彰台のてっぺんに立つ姿が見られるか。
8日目は陸上競技が開始する。男子ハンマー投げの(ミズノ)、男子100mの(大阪ガス)、男子400m障害の(APF)と日本の陸上界を引っ張ってきた実力者が続々登場。キャリアの集大成となる北京でメダルをとりたいところだ。また女子10000mには(三井住友海上)、(ホクレン)、(ワコール)が出場する。一発勝負のレースで日本勢が表彰台に上がる姿を見られるか。
7日目、(日本コカ・コーラ)が2冠連覇に挑戦する。準決勝ではゴール手前でスピードを緩める余裕の泳ぎで1位通過を決めた北島。五輪男子平泳ぎ史上初の快挙達成に死角は見当たらない。午前中から感動的なシーンが見られそうだ。
6日目、いよいよ日本代表が登場する。公式競技として最後となる今大会、悲願の金メダルを懸けた苛酷な11日間の始まりだ。直前の壮行試合でセ・リーグ選抜に2−11と完敗を喫した星野ジャパン。キューバとの初戦はエース・ダルビッシュ有(北海道日本ハム)の先発が有力視されている。強豪相手に勝利をおさめ、波に乗りたい。
5日目は決勝に注目だ。2連覇を目指す日本は、予選では着地やあん馬のミスが目立ち、開催国・中国に5点差以上をつけられての2位通過に終わった。決勝では持ち前の「正確で美しい演技」で日本中が感動に包まれたアテネの再現がみたい。
4日目は朝から目が離せない。競泳男子100m平泳ぎは、(日本コカ・コーラ)が午前中に実施される決勝の舞台にあがる。最大のライバルと目されたブレンダン・ハンセン(米国)が予選、準決勝と調子が上がらず、北島には追い風が吹いている。2冠連覇に向け、まずは1つ目の金に期待がかかる。
注目は日本のお家芸、柔道だ。男子66キロ級では(旭化成)が連覇を目指して登場する。男子60キロ級では平岡拓晃(了徳寺学園職)が初戦敗退を喫しただけに、その分も結果を残したい。女子52キロ級では19歳の(三井住友海上)が出場する。強豪揃いの階級を勝ち抜いて、優勝すれば日本柔道界初の10代金メダリストとなる。
4年に1度のスポーツの祭典がついに始まった。北京五輪は現地時間8日午後8時8分(日本時間同9時8分)より、メインスタジアムとなる北京市の国家体育場(愛称・鳥の巣)で開会式が行われた。入場行進では、中国語の漢字表記で1文字目の画数の少ない国名順に入場し、日本選手団は23番目に登場した。今回の五輪には史上最多の205カ国・地域が参加し、24日まで28競技302種目が実施される。日本は、このうち26競技に出場。前回のアテネ五輪を上回り史上最多となる576人(選手339人、役員237人)が派遣される。