国文学者であり民俗学者、そして歌人・釈迢空として、独自の学問を築き上げた折口信夫は、「怒れる人」であったという。 膨大かつ独創的な著作で今なお多くのファンを惹きつけてやまない折口の、そのような次第に着目した […]
5月5日、筒香嘉智(横浜DeNA)が放った、今季横浜スタジアムでの第1号ホームランは、飛距離116メートル、打球射角35度、最高到達点33メートルだったそうだ。今季から球団が公表を開始した、「トラッキングシステム」のデ […]
近年のカープの歴史を考えてみると、一つの転機が2013年だったことがわかる。この年、16年ぶりのAクラスと初のクライマックスシリーズ進出を決めている。 続く2014年もクライマックスシリーズに進出し、20 […]
緒方孝市監督は「守り勝つ野球」を標榜しているそうだ。しかし、ここまでの守備を想定していたわけではあるまい。「守り勝つ」というのは、通常、投手陣が最少失点に抑えて、それを堅実な守備で守って、少ない得点で勝っていく――そん […]
なんて底意地の悪いヤツなんだ、と思われるかもしれないが、開幕から4試合を消化した時点(4月4日)での筒香嘉智(横浜DeNA)の打率をご記憶だろうか。7分7厘。頭に「3割」はつかない。13打数1安打である(翌5日には2安 […]
何を今さら、と思われるかもしれないが、3月3日に日本代表の中田翔(北海道日本ハム)が打ったホームランは興味深かった。 しょせん、WBC本番をひかえた練習試合でしょ、と言われるかもしれないが、日本代表-阪神戦 […]
この2年間、広島カープが一種の社会現象のように日本中で盛り上がったのは、おそらくその過半の原因を、黒田博樹の“一球の重み”復帰が担っていた。 その黒田氏が引退した今季、カープで最も人気があるのは、菊池涼介で […]
所用で広島に来てみたら、スポーツ紙の一面を堂々と堂林翔太が飾っていたりする。 いわく<堂林豪弾 新井さん打法 今年は違うぞ~>(『日刊スポーツ』2月8日付) いいなぁ。キャンプだなぁ。ついでに、ドラフト1位 […]
そうか、大谷翔平(北海道日本ハム)はWBCには出ないのか――。愕然とした人も多いだろう。もちろん私もその1人である。 “辞退”会見をする栗山英樹監督の表情を見ていて、何というか、覚悟のほどを感じた。 迷っただ […]
大谷翔平(北海道日本ハム)の打撃練習には、顕著な特徴がある。インパクトのときに左足(つまり軸足)を、大きくはね上げるのである。 試合中の打席では見られない動作なので、きっと何かを意図してやっているのだろうな、と思ってい […]
その言葉が発せられたのは、昨年12月14日のことである。別に現場にいたわけではないが、記事を読んだときの、いわば得体のしれない衝撃は、いまだに体の奥のほうに残っている。 「打率10割、200本塁打、1000打 […]
今年のカープが全国の野球ファンに与えたインパクトは、やはり大きかったようだ。 未だに余韻が尾を引いているらしく、会う人ごとに言われる(なぜか巨人ファンが多いような気がする)。いわく、「なぜ、あそこで投手を変 […]
FA宣言していた糸井嘉男の阪神入りが決まったという。4年総額18億円だとか。 11月22日のスポーツ紙は、いずれもこのニュースを一面で大々的に報じていた。 35歳のシーズンとなった今年、53盗塁 […]
日本シリーズには、どうもいい思い出がない。いや、もちろん「江夏の21球」はあったし、高橋慶彦やジム・ライトルが躍動して3度の日本一に輝いた歓喜は、よく記憶している。 だけど、日本シリーズと言われてまず思い出 […]
背番号15が永久欠番に決まった黒田博樹(広島)の現役最後の1球は、大谷翔平(北海道日本ハム)に投じたアウトローに沈むスプリット(あるいはフォーク)だった。10月25日、広島対日本ハムの日本シリーズ第3戦、6回裏のことで […]
なんとしても、日本シリーズに行きたい。クライマックスシリーズ(CS)に臨むこの気持ちは、誰も同じだろう。もちろん、私もです。 第1戦を取ったことは、きわめて大きい。さすがクリス・ジョンソンだった。インコース […]
史上最高の投手は誰か、というのは、よくある設問だ。答えは100人いれば100通りあって当然なわけで、お互いその理由を言い立てる議論の過程が楽しい。 とりあえず日本野球に限るとして、私の場合はちょっと前まで、 […]
少しだけ気は早いですが、優勝おめでとうございます。 いまは、それ以外に言うことがない。 以下は、蛇足として読んでください(笑)。 MVPは誰だろう。本命・新井貴浩、対抗・菊池涼介、穴 […]
ダルビッシュ有(レンジャーズ)が5勝目をあげた8月29日(日本時間30日)のマリナーズ戦は、非常に印象深いものだった(実はこの試合はマリナーズ先発・岩隈久志との対決が注目されたのだが、岩隈は早々に降板したので、ここでは […]
「勝ちパターン」とか「勝利の方程式」と呼ばれる継投策がある。これを確立しているチームは強い、というのが近年の常識だ。 たとえば今年のカープは、7回ブレイディン・ヘーゲンズ、8回ジェイ・ジャクソン、9回中崎翔太 […]
打った瞬間、入ったと思った。いやはや、すごい逸材が現れたものだ。 右翼手も、その瞬間、追うのを諦めた……ように見えた。ところが、途中から打球に合わせるようにして、追い始める。えっ? ウソだろ、入るだろ? フ […]
もはや、何も言うことはない。すべてがうまくいっている――。そんな感じでしょうか。1991年以来だから、25年ぶりの優勝だなあ。 あえて気がかりな点を探せば、ブレイディン・ヘーゲンズに、少し疲れが見えること、 […]
これはもう事件と言うべきである。何ほどかのことは、ここでも触れておかねばなるまい。 6月14日の西武戦から6月29日の東京ヤクルト戦まで、広島カープがなんと11連勝した。球団としては32年ぶりの快挙だという […]
鬼門の交流戦まっさかりだが、カープは貴重な勝ち星を、たて続けに2つ拾った。 まずは6月5日の福岡ソフトバンク戦。1-1で引き分け濃厚かと思われた延長12回裏。丸佳浩が、あのデニス・サファテから見事にサヨナラ […]
日曜日だというのに、朝からあわただしい日だった。5月29日のことである。 ダルビッシュ有(レンジャーズ)のメジャー復帰戦と、前田健太(ドジャース)の先発試合がちょうど同時刻に重なってしまったのだ。当然、ダル […]