高校サッカーの世界で結果を残した指導者がJの世界に身を転じる。過去にもなかったわけではない。ただ、成功と呼べそうな事例はほぼなかった。 なぜか。立場の違いに適応しきれなかったからではないか、というのがわたし […]
女子は優勝、男子は準優勝という結果でアジア大会のサッカーは終わった。実に発見の多い大会だった。 一番の発見は「お、結構効くんだ」ということ。どういうことかと言えば、女子決勝の北朝鮮である。 準々 […]
この原稿が紙面に載る時には、すでにアジア大会の準決勝は終わっている。ただ、どうしても触れておきたいことがある。 準々決勝、対北朝鮮戦のことである。 百歩譲って北朝鮮の激しいプレーについては容認す […]
サッカーにおける世界最高峰の戦いといえば、言わずと知れたW杯。長く4年に1度の大会を心待ちにする人生を送ってきたし、すべての事象を4年単位で測る習慣も染みついている。湾岸戦争。ああ、W杯イタリア大会の年だった……といっ […]
ファンの暴走がチームに打撃を与えた例として、まず思い浮かぶのは、71~72年シーズンの欧州チャンピオンズカップである。 ホームにイタリア王者を迎えたボルシアMGは、立ち上がりから攻撃陣が爆発し、堅守のインテ […]
明治時代、日本の美術品が欧米に流出した、と習った記憶がある。欧米は凄い。日本はダメ。自分たちが生み出したものに自信が持てず、二束三文で売り渡したのと同じ発想は、Jリーグにも巣くっているとわたしは感じてきた。 […]
米国は日本よりも人口が多い。国土も広い。いまやGDPでもかなりの差がある。それはわかっている。 でも、会得はできない。 なぜ、米国には、あんなにも素晴らしいスポーツ施設が数多くあるのか。米国で完 […]
一度や二度、ではなかったような。 「息子さんですか?」 いえいえとんでもない。親子でも親戚でもございません。ええ、何度かお会いしたことはありますよ。すごく腰の低いいい方です――そんなやりとり。 カツヒコとタ […]
チームを作った。自分たちの実力が知りたくなって、隣町のチームに試合を申し込んだ。勝った。次の相手を探す。また勝った。今度は足を延ばしてみる。また勝った。もしや、自分たちは地上最強なのではないか……とうぬぼれていたら、ま […]
なでしこが去った女子W杯で、スペインが決勝進出を決めた。正直なところ、めちゃくちゃ驚いている。 スペイン人の立場になって考えてみる。彼女たちは優勝候補の一角として大会に臨んでいた。手応えも、プライドもあっただろう。&n […]
明らかに変化したなでしこへの期待値 記憶を引っ張り出してみる。12年前、自分の中ではどの段階でなでしこに対する熱に火がついたのか。 大会前は、さっぱりだった。女子W杯という大会自体への […]
原稿を送信してすぐ、「しまった」と思った。 月曜日、女子W杯日本対スペイン戦直後のこと。「男子のサッカーも含めて、こんなことはまず記憶にない」と異様なほど高かったなでしこの決定力に感嘆する原稿を送っておきな […]
2-0というスコアがどれほど危うげで頼りないものか、W杯ロシア大会を見た日本人ならば誰でも知っている。まして、勝てば決勝トーナメント進出がほぼ確実となる状況。安全運転にシフトし、失点のリスクを抑えようと考えるのは当然の […]
ゼロを1にする。1を2倍にする。どちらも簡単なことではないが、個人的には、前者のほうがより困難かな、と考えている。 火曜日の山梨県山中湖村。避暑地とはいえ、冷房のない蒸し風呂のような体育館で、一人の米国人ア […]
W杯アジア最終予選。アウェーゲームの地上波放送がなくなった。大変だと大騒ぎしたのはつい2年前の話である。わたし自身、これで新規のファンの獲得が難しくなる、日本サッカー界の将来が心配だ、と書いた記憶がある。 […]
子供に聞かれたとする。 「けまりってなに?」 わたしだったらこう答える。 「昔の偉い人たちが楽しんだ、毬(まり)を蹴りあげるお遊戯だよ」 じゃ、続けてこう聞かれたら? 「しゅうきゅうってなに?」 […]
調べてみたら06年の9月3日から16日だったというから、もう17年も昔の話、ということになる。 「見ました?」「見ました!」「凄くないですか?」「凄い。あれは本物でしょ」 現役、元選手、メディア関 […]
メキシコで2月に就任したばかりのディエゴ・コカ監督が解任された。外電によると理由は成績不振とのことだが、彼が在任中に残した成績は3勝3分け1敗と、それほど悪いものではない。決定打となったのは、成績というより、米国に0- […]
小学生だった頃、草野球における一番人気な“立ち位置”は「3番サード」だった。神戸でさえそうだったのだから、他の地域ではこの“立ち位置”を巡って、腕自慢の野球小僧がしのぎを削ったに違いない。ユニホームを作るようなチームで […]
かなり熱心なプロ野球ファンであっても、昨年のいまごろ、現役ドラフトなるものに強い関心を抱き、また、それが選手と球団の命運を大きく変えるものになる、などと読んでいた方はほとんどいなかったに違いない。 現役ドラ […]
20歳はもう若くない。サッカーの世界でそう言われ始めて久しい。 確かに、欧州にせよ南米にせよ、20歳でプロ契約できていない選手が大成する可能性はほぼゼロに等しい。ほとんどの国のサッカー選手にとって、20歳と […]
サウジアラビアがアルゼンチンを食った。日本がドイツとスペインを倒した。これぞ「番狂わせ」。もともとは「番付が下の力士が上位に勝つ」というところから来た言葉らしい。 日本語の「番狂わせ」にせよ、英語の「巨人殺 […]
28年前の出来事をまるで江戸時代のように感じていたこともあったのに、57歳にとっての30年前は、手を伸ばせば届きそうな感覚さえある。 ただ、ずいぶんと遠くまできたのは間違いない。日本はW杯の常連となった。五 […]
住友金属にはジーコがいる。リネカーに触手を伸ばしている所もあるらしい。ウチも負けてはいられない。きっと、そんな集団心理が働いたがゆえに、ディアスやリトバルスキーが日本へ来ることになったのだろう。 我が道を行 […]
ハラスメント、という言葉に出合ったことのことを思い出してみる。 第一印象は「はあ?」だった。職場で性的なジョークを言ったら「セクハラ」。上司が部下を厳しく𠮟ったら「パワハラ」……こんなもん、長くは続かん。本 […]