プロ野球

第261回 “神様、仏様”の元へ――球史に残る伝説の投手逝く

 神様、仏様、稲尾様――。「鉄腕」の異名をほしいままにした元西鉄ライオンズのエース稲尾和久さんが悪性腫瘍のため急死した。享年70。  通算276勝。1961年には日本プロ野球タイとなるシーズン42勝を記録した。15勝もすればエースと呼ばれるこのご時世にあって、42勝などという数字は今じゃ想像もつかない。

第260回 「自ら先頭に立ってガンガンやらないと」 元日本代表監督・松永怜一

「日本の球界は現場の指導者に冷たいところがあるので、(殿堂入りは)私には無縁なものと思っていた。手元から巣立っていった選手たちが、球界と社会に貢献したことが認められたのだと思う。こんな名誉なことはありません」  今年1月、特別表彰として殿堂入りを果たした元野球日本代表監督の松永怜一(76)は一言居士らしく皮肉を交えてそう語った。

第35回 予選突破のカギは俊足巧打の上位打線

 いよいよ12月1日から来夏の北京五輪出場を目指して“星野ジャパン”がアジア予選に挑みます。杉内俊哉、多村仁(ともに福岡ソフトバンク)、小笠原道大、高橋由伸(ともに巨人)の4選手がケガのため、自ら代表を辞退したことは残念です。しかし、最終候補に残っているメンバーは、NPBを代表する蒼々たる選手ばかり。ペナントレースが終了したこの時期に、彼らのプレーを観れるというのは、非常に嬉しいことです。

第259回 有能な投手コーチを「解任」した日本ハム球団フロントの不可解

 成果主義という観点で考えれば、ほぼ満点に近い。一軍投手コーチ就任1年目(2006年)のチーム防御率が3.05(リーグ1位)。2年目の今季が3.22(リーグ2位)。しかもチームは2年連続リーグ優勝。投手コーチとしては、およそ考えられる最高の結果を残したと言えるだろう。

第258回 無名の大男が来季の秘密兵器となるか 巨人(テスト中) アンディ・シビーロ

 来季の巨人の隠し玉なのか、それともでくの坊なのか?  最速100マイル(約161キロ)を誇るという身長201センチ、体重100キロの大男アンディ・シビーロ(31)が巨人の入団テストを受けるため宮崎キャンプに合流した。  シビーロは今季所属していたメキシカンリーグのティファナではクローザーとして30試合に登板、4勝1敗13セーブ、防御率1.83の好成績を残している。

第257回 「打てそうで打てない」ダルビッシュ

 日本シリーズ初戦で北海道日本ハムのダルビッシュ有が中日からシリーズ最多タイの13三振を奪った。先発全員からの奪三振はシリーズ初という快挙。  私が注目したのは13奪三振の内訳。このうちの12個が空振りで、見逃しは、わずかにひとつ。  これは何を意味しているのか。ダルビッシュのボールは「打てそうで打てないボール」ということである。

あるベンチの光景

 それは、滋味あふれる光景であった。場所は札幌ドームの3塁側ベンチ(この球場は3塁側がホームチームなんだそうですね)。  ベンチに深々と座った北海道日本ハムの平野謙コーチが、まだ試合中だというのに満面の笑みを浮かべて何やら話している。左腕を相手の肩にまわして、抱きかかえるようにして。  肩を抱かれているのはダルビッシュ有である。平野コーチは、天井を向いたり、何やら指さしたりしながら、実に表情豊かに話し続ける。ダルビッシュは、うん、うん、と何度もうなづく。平野コーチは、ついには歯をむき出して大笑いした――。

第256回 「メジャーリーグ復帰」の可能性はある! ベネズエラ・野茂英雄

 メジャーリーグのポストシーズンゲームにおいて、日本人初の勝利投手となり、ワールドシリーズ出場を決めたレッドソックスの松坂大輔がこう語った。 「野茂さんの試合結果はネットで確認しました。すべてがすごい。僕なんてまだまだ及びませんよ」

第34回 4番の活躍なくして日本一はなし!

 クライマックスシリーズが終了し、いよいよ27日からは日本シリーズが開幕します。パ・リーグからは球団史上初の2年連続リーグ優勝を果たした北海道日本ハム。そして、セ・リーグはレギュラーシーズン2位ながらもクライマックスシリーズで第1ステージ、第2ステージともに全勝と短期決戦での強さを見せた中日。奇しくも、昨年と同じ対戦カードとなりました。

第255回 ヤクルト高田新監督はGMへのつなぎか?

 北海道日本ハムのGM・高田繁氏の東京ヤクルト監督就任が決定的になった。現場の指揮を執るのは20年ぶりだ。  思い出すのが故根本陸夫氏の例だ。根本氏は西武の実質的なGMとして黄金期を築き上げた。その根本氏が福岡ダイエー(現福岡ソフトバンク)の監督に就任した時には驚いた。

第254回  “赤ヘル”一筋の偉大なピッチャーだった 広島・佐々岡真司

 それはひとつの時代の終わりを告げる象徴的なシーンだった。  さる10月7日、本拠地・神宮球場で東京ヤクルトの古田敦也兼任監督が現役に別れを告げた。試合後、古田は、まるで優勝監督のように5度も宙を舞った。  対戦相手の広島マーティ・ブラウン監督は、古田の最後の打席で、粋な演出をした。同期入団で、同じく今季限りでユニホームを脱ぐ佐々岡真司をマウンドに送ったのだ。

第252回 向こう5年も球団の期待を裏切らないだろう マリナーズ・イチロー

 自らのことを「闘う政治家」と言っておきながら、国会の代表質問前に辞任し、病院に逃げ込んだ。これが戦場なら「敵前逃亡」である。安倍晋三前首相のことだ。  旧知の自衛隊OBの軍事評論家が手厳しい口調でこう言った。 「敵前逃亡は、軍隊なら銃殺。ましてリーダーの敵前逃亡なんて聞いたことがない。もっと芯のしっかりした人物だと思っていたが、もうがっかりだ」

第33回 松坂、メジャー1年目の壁

 日本のプロ野球同様、メジャーリーグもレギュラーシーズンは残すところあとわずかとなり、最後の熾烈な争いが繰り広げられています。そんな中、アメリカン・リーグでは22日(現地時間)、ボストン・レッドソックスがタンパベイ・デビルレイズに逆転勝ちし、2年ぶりのプレーオフ進出を決めました。当然、日本でも注目されることでしょう。

第250回 強肩、強打、巧守の「第二の田中」を育ててほしい 日本ハム・田中幸雄

 プロ野球の世界には、いわゆる“当たり年”というものがある。  古くは“江川世代”。高校時代から“怪物”の異名をほしいままにした江川卓を筆頭に、掛布雅之、山倉和博、達川光男、大野豊、袴田英利らがプロ野球でも大活躍した。  近年では“松坂世代”か。

第248回 地味を絵に描いたような男の一世一代の大芝居 広島・山崎浩司

 終戦の日、たまたま私は広島市民球場で広島対巨人17回戦をゲスト解説していた。  7回表、1対1と同点の場面。巨人は代打・清水隆行の送りバントが決まり一死二、三塁。  ここで三塁ベースコーチの伊原春樹は、三塁走者の李承に「敬遠もあるぞ」と告げた。一塁ベースコーチの西岡良洋もボールから目を切っていた。

第247回 二代にわたる名父子選手が日本では生まれない不条理

 ジャイアンツのバリー・ボンズが日本時間8月8日、通算756本塁打を記録し、ハンク・アーロンが保持していたメジャーリーグ通算最多本塁打記録を31年ぶりに更新した。  記念すべきインタビューでボンズは興味深いことを言った。 「父がよく言っていた言葉を思い出した。重心を後ろに乗せろ、と言っていたのをね」

第246回 「2000本安打」達成日は勝利で飾りたい 広島カープ・前田智徳

 カープの前田智徳が8月12日、プロ野球史上31人目の通算1000打点を達成した。 「2000本安打を達成した方(35人)より(1000打点を達成した方のほうが)少ないので驚いた。ありがとうの気持ちでいっぱいです。チャンスをくれた皆さんに感謝したい」  無口な男が珍しく表情をほころばせて答えた。

第244回 もはや「真実は墓場まで」長嶋茂雄の監督解任事件

「日本経済新聞」朝刊の名物コラム「私の履歴書」で読売巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄氏の連載が始まったのは7月1日のことだ。  選手、監督時代を通じて劇的なエピソードには事欠かない長嶋氏だが、最大のハイライトシーンは1980年オフの「解任」事件である。

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