プロ野球

第248回 地味を絵に描いたような男の一世一代の大芝居 広島・山崎浩司

 終戦の日、たまたま私は広島市民球場で広島対巨人17回戦をゲスト解説していた。  7回表、1対1と同点の場面。巨人は代打・清水隆行の送りバントが決まり一死二、三塁。  ここで三塁ベースコーチの伊原春樹は、三塁走者の李承に「敬遠もあるぞ」と告げた。一塁ベースコーチの西岡良洋もボールから目を切っていた。

第247回 二代にわたる名父子選手が日本では生まれない不条理

 ジャイアンツのバリー・ボンズが日本時間8月8日、通算756本塁打を記録し、ハンク・アーロンが保持していたメジャーリーグ通算最多本塁打記録を31年ぶりに更新した。  記念すべきインタビューでボンズは興味深いことを言った。 「父がよく言っていた言葉を思い出した。重心を後ろに乗せろ、と言っていたのをね」

第246回 「2000本安打」達成日は勝利で飾りたい 広島カープ・前田智徳

 カープの前田智徳が8月12日、プロ野球史上31人目の通算1000打点を達成した。 「2000本安打を達成した方(35人)より(1000打点を達成した方のほうが)少ないので驚いた。ありがとうの気持ちでいっぱいです。チャンスをくれた皆さんに感謝したい」  無口な男が珍しく表情をほころばせて答えた。

第244回 もはや「真実は墓場まで」長嶋茂雄の監督解任事件

「日本経済新聞」朝刊の名物コラム「私の履歴書」で読売巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄氏の連載が始まったのは7月1日のことだ。  選手、監督時代を通じて劇的なエピソードには事欠かない長嶋氏だが、最大のハイライトシーンは1980年オフの「解任」事件である。

成瀬とマー君

 タイロン・ウッズは藤川球児を打てませんでしたね。7月26日の阪神−中日戦。3−2と阪神1点リードで迎えた8回裏、久保田智之が2死満塁まで攻め立てられて、打席にはこの時点でのホームラン王・ウッズ。ここで救援した藤川は、アウトローにストレートを投げ込んで、ものの見事に三振に仕留めた。

第242回 斎藤と岡島が証明した日本の「技術力」

 37歳の斎藤隆(ドジャース)と31歳の岡島秀樹(レッドソックス)がミッドサマー・クラシック――米オールスターメンバーに選出された。  岡島は登板機会に恵まれなかったが、斎藤は1回を三者凡退に封じた。気合が乗っていたのか、MAXは96マイル(約155キロ)を計測した。その投球はとても37歳には見えなかった。

第241回 退路を断って「制球力」を磨かねば明日はない 広島・永川勝浩

 クローザー永川勝浩の1軍登録抹消(12日に再登録)とともに、広島カープのクライマックス・シリーズ出場の可能性も消えてしまったように感じられる。  7月1日の巨人戦、永川は6−4と2点リードの9回表、クローザーとしてマウンドに上がった。ところが、味方のエラーでリズムを崩し、一挙に5点も奪われてしまう。“ガラスの抑え”を象徴するようなシーンだった。

第240回 楽天の大健闘を支える“窓際族”の野村信者

 球団創設初年度の勝率は打率程度の2割8分1厘。2年目は3割5分6厘。「パ・リーグのお荷物」と呼ばれていた楽天が今季は大健闘だ。7月1日現在、31勝39敗2分、勝率4割4分3厘で4位西武から3.5ゲーム差の5位。クライマックスシリーズ(3位以内)出場も夢ではない。

巨人の不在について

 先日発表されたオールスター・ファン投票の最終結果には、ある顕著な特徴があった。東北楽天の選手が8人も選ばれたこと? もちろんパ・リーグの特徴はそれに尽きるが、ここで話題にしたいのはセ・リーグである。首位を走る巨人の選手がやけに少ない。選ばれたのは中継ぎ投手の林昌範と捕手の阿部慎之助、三塁手・小笠原道大の3人だけ。楽天ではなく、久々に首位を快走する日本一の人気球団こそ、8つくらいのポジションを占めても不思議ではないのに。

第239回 アイランドリーグからカープへの“復活”は!? 香川オリーブガイナーズ・天野浩一

 広島カープは5勝18敗1分の戦績で交流戦最下位に終わった。交流戦開幕前は3位につけていたが、交流戦で13も負け越したことにより、現在(6月28日)は3位と8.5ゲーム差の5位。クライマックスシリーズに出場するためには3位以内を確保しなければならないが、きわめて厳しい状況になってきた。

第238回 桑田のMLB生命線は「レインボール」

 パイレーツの桑田真澄が6月14日(日本時間15日)、ホームでのレンジャーズ戦に登板し、負け試合ながら9回の1イニングを三者凡退に切ってとった。  11球中「レインボール」と名付けたカーブを4球も投げた。カーブは桑田がメジャーリーグで生き残るための生命線だろう。

第30回 和製・マダックスは桑田しかいない!

 今月10日、ピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄投手がメジャー昇格を果たしました。しかも球団から用意された背番号は「18」。このことからも、首脳陣の桑田投手への期待感が高いことが窺い知れます。  桑田投手は昨年9月に自身のホームページで巨人退団の意向を表明。その後、さまざまな憶測が飛び交う中、今年1月にパイレーツと正式契約を交わしました。当時は、「39歳という年齢では通用しないのでは?」「メジャーには昇格できないだろう」など否定的な意見も少なくありませんでした。

第235回 外様ながらチームを引っ張る“努力の人” 巨人・小笠原道大

「オガサワラひとりにやられた」  オリックスのテリー・コリンズ監督はそう言って、唇を噛んだ。  5月28日、交流戦のオリックス戦で自身初となる1試合3本塁打。開幕から巨人の3番に座り、5月30日現在、打率3割3分5厘、14本塁打、36打点――期待にたがわない活躍ぶりだ。

日米二人のセットアッパー

 メジャーリーグで今一番注目されている日本人選手は誰だろうか。残念ながらアメリカに行ったことがないので、かの地の風土はよく知らないのだが、きっとダイスケ・マツザカではないだろう。もちろん、ヒデッキー・マツイでもない。おなじヒデッキーでも、レッドソックスの岡島秀樹なのではないだろうか。

第29回 「上原のクローザー」原監督の深謀遠慮

 現在、セ・リーグの首位を昨年のリーグ覇者・中日と争っている巨人。この好調さは、やはり投手陣にあると見ていいでしょう。先発陣の数が揃っていることに加え、上原浩治投手がクローザー役を見事に果たし、ここ数年にはなかった一つの勝ちパターンが確立しつつあります。

第233回 Aクラス入りするには“青い目”の相棒が必要だ 広島・新井貴浩

 鯉のぼりの季節とともに、カープも浮上してきた。最大時で8もあった借金も5月17日には完済した。プレーオフ進出の条件となる3位以内も十分、射程の範囲だ。  カープ躍進の立役者が4番・新井貴浩である。現在、14本塁打、36打点。これはセ・リーグでは中日のタイロン・ウッズに次ぐ数字。4月後半には2割5分を切っていた打率も2割8分9厘にまで上昇してきた。

第232回 上原「抑え」転向の本当のメリット

 開幕ダッシュに成功し、最大時で14もあった貯金が終わって見れば借金14の4位。昨季、巨人が坂道を転がり落ちていった背景にはイチにもニにも抑えの弱さがあった。  締めくくり役がしっかりしないことには安定した成績は残せないのだが、巨人は同じ轍を踏んできた。自前で抑えを育てられないから外国人やFA選手に頼らざるをえなかったのだ。

第231回 「3番」の経験が“ポストイチロー”に近づくはず ヤクルト・青木宣親

 スタートダッシュに失敗したチームの中で、この男だけは開幕から絶好調だ。  スワローズ青木宣親のバットから快音が止まらない。4月26日現在、打率3割9厘7厘はダントツのリーグトップ。イチローを超える2回目のシーズン200安打達成へ視界は良好だ。

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