第305回 「伝説の日本シリーズ」16年目の告白

 世に「怪腕」や「剛腕」と呼ばれたピッチャーは数多(あまた)いるが、「鉄腕」とうたわれたのは、後にも先にも稲尾和久さんただひとりだ。  稲尾さんと最後にお会いしたのは今年2月。金沢市で行われた食のイベントでご一緒させてもらった。ひとつ頼みごとをした。開幕前の「北信越BCリーグ」に気になる投手がいた。

第258回 無名の大男が来季の秘密兵器となるか 巨人(テスト中) アンディ・シビーロ

 来季の巨人の隠し玉なのか、それともでくの坊なのか?  最速100マイル(約161キロ)を誇るという身長201センチ、体重100キロの大男アンディ・シビーロ(31)が巨人の入団テストを受けるため宮崎キャンプに合流した。  シビーロは今季所属していたメキシカンリーグのティファナではクローザーとして30試合に登板、4勝1敗13セーブ、防御率1.83の好成績を残している。

第110回 「核弾頭の明暗」 〜石井琢朗vs.松井稼頭央〜<後編>

 同じショートでトップバッター。しかもリーグの盗塁王。比べるなと言われても比べないわけにはいかない。  ライオンズの松井稼頭央が、このシリーズではじめて笑みを見せたのは3戦目が終わった後だった。  5回表、1死満塁のチャンスで戸叶尚のストレートを左中間に叩いた。走者一掃のタイムリー2ベース。松井らしく初球を狙ったものだった。 「これだけチャンスが回ってきていながら、今までことごとく僕が潰していたでしょう。だから外野フライでも何でもいいと思っていました。今までの分を取り戻したとは言えないけど、これでやっと仲間入りができました」

第257回 「打てそうで打てない」ダルビッシュ

 日本シリーズ初戦で北海道日本ハムのダルビッシュ有が中日からシリーズ最多タイの13三振を奪った。先発全員からの奪三振はシリーズ初という快挙。  私が注目したのは13奪三振の内訳。このうちの12個が空振りで、見逃しは、わずかにひとつ。  これは何を意味しているのか。ダルビッシュのボールは「打てそうで打てないボール」ということである。

第303回 墓場まで持っていく「江夏の21球」秘話

「その話は墓場まで持っていこうと思っているんですよ」。真夏の広島市民球場の放送ブース。クールな表情が少しだけくもった。そこまで聞けばもう十分だった。それ以上、追及する気にはなれなかった。また追及したとしても何の意味もない。あえて言えばそれが勝負のあやというものだろう。

第256回 「メジャーリーグ復帰」の可能性はある! ベネズエラ・野茂英雄

 メジャーリーグのポストシーズンゲームにおいて、日本人初の勝利投手となり、ワールドシリーズ出場を決めたレッドソックスの松坂大輔がこう語った。 「野茂さんの試合結果はネットで確認しました。すべてがすごい。僕なんてまだまだ及びませんよ」

第109回 「核弾頭の明暗」 〜石井琢朗vs.松井稼頭央〜<前編>

「最初の1打席に賭けていました。転がしてしまいさえすれば、あとはヨーイドンの勝負だなと……」  惜しくもシリーズMVPは逃したものの、22打数8安打(打率・364)、1打点、3盗塁、出塁率5割の活躍で優秀選手賞に輝いたベイスターズの石井琢朗は、そう切り出した。

第255回 ヤクルト高田新監督はGMへのつなぎか?

 北海道日本ハムのGM・高田繁氏の東京ヤクルト監督就任が決定的になった。現場の指揮を執るのは20年ぶりだ。  思い出すのが故根本陸夫氏の例だ。根本氏は西武の実質的なGMとして黄金期を築き上げた。その根本氏が福岡ダイエー(現福岡ソフトバンク)の監督に就任した時には驚いた。

第301回 “裏技”では済まされない亀田家の蛮行

 雨上がりに大きな石をひっくり返すと、底にべっとりとヒルがこびりついていることがある。多くの観衆や視聴者はあんな気分を味わったのではないか。  もし、反則を指示する声を集音マイクが拾っていなかったら、亀田陣営の悪事は見過ごされていた可能性が高い。そうなれば、サミングや頭突き、抱え投げといった反則技も「闘志の表れ」(父・史郎氏)で処理されていたのである。

第254回  “赤ヘル”一筋の偉大なピッチャーだった 広島・佐々岡真司

 それはひとつの時代の終わりを告げる象徴的なシーンだった。  さる10月7日、本拠地・神宮球場で東京ヤクルトの古田敦也兼任監督が現役に別れを告げた。試合後、古田は、まるで優勝監督のように5度も宙を舞った。  対戦相手の広島マーティ・ブラウン監督は、古田の最後の打席で、粋な演出をした。同期入団で、同じく今季限りでユニホームを脱ぐ佐々岡真司をマウンドに送ったのだ。

第108回 反逆のバンク 〜競輪選手・松本整〜

 松本整が“中年の星”と騒がれたのは一昨年のことだ。  7月の寛仁親王牌に続き、9月のオールスター競輪をも制覇した。自らが打ち立てた最年長G1制覇の記録を再び自らの手で塗りかえた。  この時、松本は43歳だった。  この快挙を目のあたりにした“ミスター競輪”中野浩一は言った。 「驚くべきことだ。あの年になってまだ気持ちが切れないなんて……」

第300回 “ムラの村長”よ 責任を取れ

 新弟子の「リンチ死」疑惑の渦中にある前時津風親方(元小結・双津竜)の解雇理由は「相撲協会の信用、名誉を著しく失墜させた」というものだった。わかったようなわからないような説明だが、それを言うなら、北の湖理事長ら執行部の面々にも同様の処分が下されるべきではないか。新弟子の死因に疑念がもたれた時、協会あげて真相究明に乗り出していれば、文科省から指導を受けることもなかったし、世間からこれだけ批判を浴びることもなかっただろう。理事長以下執行部の不作為が「協会の信用、名誉を失墜させた」ことは明々白々である。

第252回 向こう5年も球団の期待を裏切らないだろう マリナーズ・イチロー

 自らのことを「闘う政治家」と言っておきながら、国会の代表質問前に辞任し、病院に逃げ込んだ。これが戦場なら「敵前逃亡」である。安倍晋三前首相のことだ。  旧知の自衛隊OBの軍事評論家が手厳しい口調でこう言った。 「敵前逃亡は、軍隊なら銃殺。ましてリーダーの敵前逃亡なんて聞いたことがない。もっと芯のしっかりした人物だと思っていたが、もうがっかりだ」

第250回 強肩、強打、巧守の「第二の田中」を育ててほしい 日本ハム・田中幸雄

 プロ野球の世界には、いわゆる“当たり年”というものがある。  古くは“江川世代”。高校時代から“怪物”の異名をほしいままにした江川卓を筆頭に、掛布雅之、山倉和博、達川光男、大野豊、袴田英利らがプロ野球でも大活躍した。  近年では“松坂世代”か。

第106回 主将の熱い日々 〜ラグビー選手 箕内拓郎〜

 44日間に渡ってオーストラリアで行われた第5回ラグビーW杯はルーツ国イングランドの優勝で幕を閉じた。5回目のW杯にして初めて、エリス杯が北半球にもたらされた。  決勝の対オーストラリア戦は劇的な幕切れとなった。延長残り1分のところでイングランドSOのウィルキンソンが芸術的なDG(ドロップ・ゴール)を決めた。穏やかな楕円球の軌道が2本のポールの間を通過した瞬間、全ては終わった。歴史に残る100分間の死闘だった。

第296回 「チームは生き物」で成長した日本ハム

 優勝争いをしている最中での日本ハム・トレイ・ヒルマン監督の唐突な退任発表。他の球団なら「サプライズ!」となるところだが、日本ハムは違った。「異例かもしれないけれど、日本ハムじゃあり得ない話じゃない」と大社啓二オーナー。現場レベルも落ち着いたもので動揺の色はほとんど見られない。

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