金子達仁
スポーツは国境を越える。いがみあっている国同士が、同じ競技に熱狂するのは、決して珍しいことではない。 ただ、個人の人気が国境を越えるのはもう少し難しい。過去、日本のスポーツ界は数多の国民的英雄を生み出し […]
代表チームたるもの、どんな試合、どんな大会であっても勝利を目指すのは言うまでもない。ただ、24年の終わりにさしかかって思う。 もしアジア杯で日本が優勝していたら、今年の印象はどうなっていただろうか。 & […]
移籍にまつわる話というのは、ミュンヒハウゼン男爵に話を聞くようなもの、と自分に言い聞かせている。ありそうでなさそうなホラ話。実際のところはもう少し信憑性は高いのかもしれないが、現実寸前にちゃぶ台返しがあるのもこの世界。 […]
24年のJ1も残り1節、10試合となった。昨年は最終節を待たずに神戸が優勝を決めていたが、今年はまだ3チームに優勝の可能性が残り、かつ、3チームが降格の危機に直面している。 しかも、優勝、もしくは残留を […]
カンプノウに白い巨人を迎え撃つバルセロニスタ。ボンボネーラでリーベルを待ち受けるボケンセ。カトリック対プロテスタント、あるいはケルト対アングロサクソンという側面も持つ、セルティック対レンジャーズも凄かった。代表チームの […]
試合前の国歌吹奏。中国人が君が代にブーイングを浴びせたのはこれが初めてではない。その醜悪さでいったら、20年前、ジーコを憤慨させたアジアカップのときの方が上だった。 ただ、あのとき、中国人の蛮行を問題視 […]
サンドロ・ヒロシ、ホドリゴ・タバタという名前をご存じの方が、どれだけいらっしゃるかどうか。 彼らは、日系ブラジル人である。そして、W杯日韓大会前後に、日本代表入りが取り沙汰された選手だった。ラモスや呂比 […]
最近ではほとんど聞かなくなった。 曰く、日本のサッカーには想像力が足りない。曰く、日本人選手の闘う力は凄いが、知性が感じられない。 目にするたび、耳にするたび、胸が痛んだ。返す言葉もなか […]
衰退。失業。退屈。それが、30年前の英国人が考えた、外国人から見る英国のイメージだった。そこに「危険なサッカー場」という項目を付け加えれば、わたしにとってのかつての英国のイメージも完成する。 だが、若い […]
阪神ファンとしてのわたしが、“アレンパ”を諦めたのは、9月23日の巨人戦だった。前日は才木で1-0。ここで連勝を決めれば勝ったも同然。そう意気込んで迎えた試合で負けた。現場の選手たちのきもっちはわからないが、少なくとも […]
日本人の一人として、オーストラリアに謝罪したい。 15日、彼らが会場に到着した時点で、試合開始まで1時間を切っていたという。どんな事情があったにせよ、これは完全に日本側の責任である。もし同じことが敵地で […]
W杯最終予選のアウェーゲームが地上波で放送されなくなったのは、前回大会からだった。当時、サッカー界に走った衝撃は小さいものではなかったし、わたし自身、これでライトな層が離れるのではないか、ファンの新規獲得が難しくなるの […]
長く、スペインは「買うだけ」の国だった。 国としての経済規模はともかく、巨大なスタジアムを保有する2強には資金力があった。レアルはペレを白紙小切手で勧誘し、バルサは桁外れの移籍金でマラドーナを獲得した。 […]
わたしに娘はいないが、いたとする。年頃だったとする。ある日、「紹介したいヒトがいるの」と言われたとする。ドキッとする。「何をやっているヒトだ?」と聞いたら「サッカー」という答えが返ってきたとする。 困る […]
平沢政輝という選手を覚えていらっしゃる方がどれだけいるだろうか。88年に東海大一(現東海大静岡翔洋)を卒業した、左利きのストライカー。シュートの技術はもとより、ゴール前での異様なほどの落ち着きぶりが異彩を放つ、間違いな […]
だいぶムカつき、イライラさせられた試合だったことを白状しておく。 まずは試合前の国歌吹奏。過去、歴史的に何の因縁もなく、直近の対決で不利益を被ったわけでもないバーレーン・サポの君が代に対するブーイング。 […]
さあ、W杯最終予選である。 今大会からアジアからの本大会出場枠が8・5に増えたことで、以前よりラクな予選になるのでは、といった声もあるようだが、個人的には、日本サッカー史上最大の経験値が得られる最終予選 […]
SVアウストリア・ザルツブルクというチームがある。オーストリア3部に所属するチームで、設立は2005年。チームが世界的大資本に買収された際、伝統やチームカラーを否定されたことに反発したサポーターたちを中心に設立された。 […]
フランスに本社を構える米国資本のスポーツ専門放送局「ユーロスポーツ」が制作したパリ五輪の記念ポスターが、何やら物議を醸しているらしい。取り上げられたスターたちの中に、金メダル獲得数で2位、3位に入った中国、日本の選手が […]
パリ五輪女子サッカー決勝のカードが、ブラジル対米国に決まった。米国の決勝進出はともかく、ブラジルが準決勝でスペインを粉砕したのには驚かされた。 ブラジルは、決勝トーナメントに入ってからの2試合を、大黒柱 […]
戦いを前に、自らの勝利を願わないアスリートはいない。と同時に、敗北の可能性に思いを馳せないアスリートもいない。戦う以上は、勝つことがあれば負けることもある。その前提を踏まえているからこそ、ときに訪れる苦すぎる敗北を、ア […]
サッカーとは直接関係はないが、またしても考えさせられるニュースがあった。体操・宮田選手の五輪辞退騒動である。 一報に触れ、まずわたしの頭に浮かんだのは「かわいそうに」だった。「たかが」喫煙や飲酒で、一生 […]
まずは前日飛び込んできた衝撃のニュースについて。事実ならば、彼のサッカー人生はほぼ終わったというしかない。仮に本人が続行を望んだとしても、サッカー界として断じて許さないという姿勢を見せる必要もある。ただ、事実かどうか判 […]
サッカーには、時が経たなければ見えてこないものがある。 70年W杯でピークを迎えたブラジルの時代、魔術師たちの時代は、74年、オランダとクライフの出現によって終わった。サッカーは、武将たちの一騎打ちから […]
まずは先週木曜日に決まったW杯アジア最終予選の組み合わせについて。 どこも簡単な相手ではないし、特に、インドネシアには国としての勢いを感じる。序盤戦でひとつでも番狂わせを演じるようなことがあると、そのま […]