金子達仁
日本文化の危機である、といったら笑われるだろうか。 マンガが文化だということについては、異論のある方も少なくないのでは、と思う。マンガがなければ日本という国に対する世界の関心ははるかに低いものになってい […]
毎週日曜日の午後9時を楽しみに待つ秋になった。TBS系で放送されているドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」。北海道の雄大な景色と人々の夢。登場人物はもとより、制作人の競馬という世界に対する愛情がひしひしと感じられる。 &n […]
元英国特殊空挺部隊の精鋭にして、大学講師兼保険調査委員。日英ハーフの平賀=キートン・太一が世界を股にかける80~90年代の傑作コミック「MASTER キートン」に、ロンドンのタクシーに乗った主人公が運転手から出自を聞か […]
W杯優勝は実現可能な目標なのか、それともただの大言壮語なのか。ファンを二分してきたこの問題に、ついに答えが出た。 目指す資格は、ある。 前半で2点のリードを奪ったブラジルに、ある種の緩み […]
世界には、目にしただけで対戦相手が平常心を乱されてしまうユニホームがある。目にしただけで「勝てそうもない」「やっぱり強そうだ」と感じさせてしまうユニホームがある。最近でいえば、アルゼンチンやフランス、スペインあたりがそ […]
日本代表にとってのW杯が、夢の夢のそのまた夢でしかなかった時代、この国でもっとも集客力のあるイベントは高校サッカー選手権だった。Jリーグの前身でもあるJSL(日本サッカーリーグ)が時に3ケタの観衆しか集められないことも […]
女心と秋の空。8位の浦和までは優勝の可能性がある、と書いたのはたった1週間前のことなのだが、状況は激しく移ろった。浦和が引き離され、川崎F、広島、町田も厳しくなった。個人的には、「一歩抜け出したか」と見ていた京都が3位 […]
終盤にさしかかったJリーグがいよいよ大変なことになってきている。 各チームが残り10試合を切り、陸上競技でいったら第4コーナーにさしかかろうとする段階だというのに、首位の京都から4位の神戸まではわずか勝 […]
もし米国のメディアに「当然の報いだ」と嘲られたとしても、わたしには返す言葉がない。 来年のW杯を勝ち抜くには、いままで以上に選手層を厚くする必要がある。それはわかる。だから先発全員を入れ替えた。意図は理 […]
他ならぬメキシコのファンが一番不満を抱いているようだが、正直、「なぜ?」という思いはある。 なぜ米国なのか。なぜメキシコではないのか。なぜエスタディオ・アステカではないのか。 米西海岸で […]
W杯カタール大会でドイツを倒したときは狂気した。まさか、W杯杯でドイツと戦い、逆転勝利を収める日が来るなんて! 信じられないものを見た。そんな気分だった。 だが、より驚愕させられたのは翌年、ウォルフスブ […]
プロの選手と高校生。どちらがプレーヤーとして高いレベルにあるかはいうまでもない。だが、技量が下だからといって、見る者の胸を打つ熱量までもが劣るわけではない。というか、プロでさえかなわないほどの爆発的な感動を生むこともあ […]
あくまで門外漢なので、純粋に思ったことを。 学校側の発表。考えに考えた末にひねり出した文面だったことは間違いない。でも、だからひっかかった。どこからどう読んでも、SNSとそれによってひき起こされた騒ぎを […]
文部科学省が発表した24年度の「経年変化分析調査」によると、調査対象となった小学6年と中学3年の学力が、過去の調査に比べると明らかに下落したのだという。 文科省の分析では、原因の一端として考えられるのは […]
測定方法やポジションによって、相当なズレではある。一説では900キロ。一説では3000キロ。ちなみに、体重65キロの人間が10キロ走った場合には約1000キロ消費されるという。何の話か。平均的なサッカー選手が1試合あた […]
いたのかもしれないが、わたしは出会えなかった。98年W杯フランス大会直前、「優勝するのは俺たちだ」と豪語していたフランス人。 「俺たちは個人主義者だから、ドイツ人のようにロボットになれない」と妙な自信を見 […]
E-1選手権で日本が2大会連続、通算3度目の優勝を決めた。 以前から言われていたことではあるが、今大会もまた、「大会の意義」について様々な声が飛び交った。「こんな大会に参加すること、勝つことに意味はある […]
サッカーは基本、ミスが試合を構成する大きな要素となっているスポーツである。いわゆるプレッシングにしても、相手のミスを誘発するための手段、ということになる。もちろん、状況によっては「ミスは許されない」という場面がないわけ […]
長嶋茂雄さんが亡くなられてもうすぐひと月になる。メディアを埋めつくすようだった情報の奔流も、ようやく落ち着いてきた。 現役時代の記憶がほとんどなく、掛布雅之さんの背番号「31」は長嶋さんと王貞治さんの背 […]
浦和の敗退は決まってしまったが、クラブW杯、なかなか面白い。アルヒラルはレアル・マドリード、ザルツブルクと引き分け、最終戦に勝てば次のラウンドに進める位置につけている。代表チームの世界ではずいぶんと払拭された半面、クラ […]
日本の突破がすでに決まっていたW杯アジア最終予選の終盤を迎えるに当たって、わたしはひそかに期待……というか「そうならないかな」と出現を願っていた状況があった。いわゆる“ヒホンの恥”と呼ばれ、その後のサッカー界を大きく変 […]
すでに本大会行きのチケットは獲得しているとはいえ、W杯アジア最終予選の残り2試合は、日本にとって決して小さくはない意味を持っている。 大幅にメンバーを入れ替えたことで、日本に頑張ってもらう以外に道はない […]
まだサッカーがどマイナースポーツだったころは、テレビの番組欄に「サッ」というカタカナを見つけただけで気分が昂ったものだった。え? まさかサッカーを中継してくれんの? よくひっかかったのが「サッチャー」。時の英国首相の名 […]
あなたの股関節、可動域がおかしくないですか?――とつっこみたくなるような打ち下ろしの左ボレーで、三笘薫が今シーズンの10点目を決めた。交代出場で、同点弾。しかも相手はリバプール。まったく、お見事というしかない。 &nb […]
何年かに一度書いているのだが、GKはサッカーにおける“炭鉱のカナリア”だと信じている。 人口比でいうと10%に満たない、得点面での貢献がほとんどないGKというポジションは、世界に多くの国々でだいぶないが […]