金子達仁
暗闇の奥に淀む有毒ガスの危険を、カナリアは人間よりも早く察知する。ゆえに、金融の世界では株価の急落や景気変調のシグナルとして「炭鉱のカナリア」という慣用句が使われる。 ちなみに、為替市場では金の相場や原油価 […]
一昔前までの常識が、いつのまにか非常識になっていることがあるのは、日本のサッカーも例外ではない。 Jリーグが発足した当時、選手たちに与えられたチケットは“下り限定”の片道切符だった。ひとたび、Jの舞台から転 […]
ジーコが日本にやってきた! いてもたってもいられず、普段は滅多に足を運ぶことのないJSL2部の試合に出かけたのは、いまから28年前のことである。 茶色く剥げた芝。閑古鳥の鳴くスタンド。それでも、うっとりする […]
やるかたなかった憤懣が、一夜明けてもまだ残っている。 3月22日と26日は、全世界的に代表の試合が組まれていた。日本が神戸でのんびりとしたテストマッチを戦った数時間後、欧州ではヒリつくようなユーロの予選が行 […]
1週先は闇、とはよく言ったものである。ロケットスタートに失敗したことは明らかながら、すぐ軌道修正をしてくるはず、と多くの人が予感していたはずの川崎Fが、ちょっと難しい局面に立たされている。ホーム3試合を含む4試合を終え […]
開幕してまだ2試合。この時期の順位を気にしている選手やファンなどいないだろうし、実際のところ、シーズン序盤の成績ぐらいアテにならないものはない。とはいえ、連勝スタートを切って気分の悪い人間はいないし、この時期の勢いがま […]
決勝の相手がカタールに決まったとき、思わずほくそ笑んでしまったのはわたしだけだろうか。 いうまでもなく、カタールは次回W杯の開催国。となれば、プレW杯として行われるコンフェデ杯には開催国枠として出場するはず […]
いまでは日本のサポーターも当たり前のように使っている「バモス」というスペイン語が初めて日本に認知されたのは、78年W杯アルゼンチン大会がきっかけだろう。 スタジアムを埋めつくす真っ白い紙吹雪と、響きわたるサ […]
阪神の高山外野手が母校明治大学のラグビー部が日本一になったことに刺激を受けている、という。競技は違えど、母校の優勝はOBにとって嬉しいものであるらしい。 ならば、母校の、それも自分が所属していたクラブが日本 […]
お粗末な試合であったことは間違いない。失点に関しては特にそうだ。1点目は確かに素晴らしいシュートではあったものの、決まってしまった要因の半分はGK権田の油断にある。2点目もまたしかり。きっかけとなったのは北川のボールロ […]
5連覇に暗雲が、それも相当に濃い暗雲が立ち込めた箱根駅伝での青学。前人未踏の10連覇を阻まれた大学ラグビーでの帝京。19年の新春は、学生スポーツの巨星が相次いで堕ちる衝撃的な展開で幕を開けた。 印象的だった […]
ジーコと言えば悲運。ジーコと言えば無冠。W杯での印象が強すぎるだけに、ついそう思ってしまっていたわたしだが、先日、ブラジルに詳しい知人から意外な事実を知らされた。 「実はジーコって、W杯で1回しか負けてないん […]
いろいろなことがあった18年が終わろうとしている。あとになって振り返ってみれば、日本が初めてW杯への出場を決めた97年に匹敵する、エポックメーキングな1年として位置づけられるのではないか。そんな予感を抱かせる1年だった […]
残留か、降格か。抜け出すか、取り残されるか。ひょっとすると優勝争いよりも劇的で、残酷なドラマが展開されている。当事者に残るのかは、最良か、最悪か、どちらかの結果と記憶しかない。J1かJ2か。来季のカテゴリーを争う戦いに […]
ハリルホジッチ前監督を解任して西野朗氏を後釜に据えたこと。 批判の声も根強かったこの更迭劇が、前評判を覆す快進撃を生んだこと。 W杯終了後、監督に就任した森保監督に率いられた新チームが、負けなし […]
日本代表の18年が終わった。やれなかったのではなく、やらなかっただけ。そう痛感させられた1年だった。 半年前、コロンビアに勝てると信じていた日本人がどれだけいたことだろう。勝ちたい、勝ってくれと祈っていた人 […]
結構、というか、生まれてこのかたなかったぐらい、聞かれている。幼稚園のパパ友から。行きつけの歯医者さんの先生から。基本的には海外のサッカーにしか興味のない友人から。 「新しい日本代表、すごくないっすか?」& […]
先週の本欄でJ1下位グループの大混戦を「降格争い」と書いたら、校閲のチェックが入った。 「争っているのは降格ではなく残留なので、残留争いと表現するのが正しいのでは?」 参りました。というか、これは […]
以前、プロ野球OBの方にうかがって印象に残っている言葉がある。 サウスポーは5キロ増し。 左ピッチャーの投げる直球は、右投げの投手が投げるものよりも時速5キロほど速く感じられるのだという。つまり、サウスポー […]
アジア大会初戦のネパール戦は、少し気分が沈んでしまうような試合だった。 今回のアジア大会がこのチームにとって最大にして最終的な目標だというのであれば、こういう戦い方でもいい。万が一にも取りこぼしは許されない […]
スペインにいたころ「勝てば選手のおかげ。負ければわたしの責任。それが監督という仕事だ」という言葉を聞いたことがある。監督=権力者という思い込みがあったわたしにとっては、衝撃的な言葉だった。 もちろん、監督と […]
いまから22年前の欧州選手権。スペインとの対決を控えた地元イングランドのタブロイド紙がこんなブラックジョークを1面に掲げていた。 「スペインでは美人のことを何というか知っているか? 外国人って言うんだぜ!」& […]
W杯が終わり10日がたった。宴の余韻に浸るまもなく、世界各国では新たなシーズンへ向けての動きが激化している。 中でも目を引くのはイタリアの動きである。ここ数年、ポストシーズンの話題はプレミアの上位陣かスペイ […]
さあ、宴(うたげ)の始まりである。 率直にいって、現代のW杯は依然世界最大の大会ではあるものの、最高の大会ではもはやない。最高の技術、最高の戦術、最高の試合を見たいのであれば、W杯よりも欧州CLの方が希望を […]
妻が憤慨している。「あれ、ひどいわよね」 確かにひどい。というか、大事に至らなくて本当によかった。 人間、覚悟や用意をした上での衝撃であれば、かなりのレベルまで耐えられるそうだが、無防備な状態と […]