金子達仁
聞かれるたびに、ちょっぴり複雑で、懐かしくて、嬉しくもなってしまう。 「パラリンピックを楽しむにはどうしたらいいのですか?」 思うに、これは日本ならではの質問ではないか。本来、スポーツはゲーム。五 […]
初めて仕事で東南アジアを訪れたのは、92年バルセロナ五輪予選が開催されたマレーシアだった。 現在から振り返れば、「日本サッカーの夜明け前」とも言うべき時期だったが、もちろん、当時はそんなことがわかるはずもな […]
出会って間もなかったころの中田英寿さんに聞いたことがある。 「自分のことを、世界で何番目の選手だと思ってる?」 まだ多くの日本人にとってW杯が目標ではなく憧れでしかなかった時代である。だから、返っ […]
本当の自信家は「自分は凄い」などとは言わないものだ、と信じている。なので、昨今“日本礼賛バラエティー”とも言うべき番組が人気を博しているのは、根っこの部分で自信を持てない日本人が多いことの表れか、などと思っていた。&n […]
これがトシというものなのか。はたまた、単なる寝不足の影響か。昼夜逆転で五輪にかぶりつきながら、壊滅的なまでに抵抗力をなくしてしまった自分の涙腺に驚かされている。 水泳。感動した。柔道。感動した。重量挙げ。三 […]
コーポレーション・アイデンティティー(CI)という単語を初めて目にしたのは、確か、学生時代に読んだ自動車雑誌だったと思う。 これからのメーカーは、一目見ただけでどこの会社が作ったものかがわかるようなデザイン […]
かつて、五輪のサッカーは“鉄のカーテン”の向こう側の国によるコンペティションでしかなかった。実質的にサッカーだけで生計を立てていても、“ステート・アマ”なる珍妙な肩書の選手たちは、プロとは見なされなかった。これでは、た […]
発足したばかりのJ3が、23歳以下の選抜チームをリーグに加えると決めたとき、わたしはそれを大いに歓迎した。才能豊かな、しかし経験の足りない若い選手たちが、老練なアウトサイダーたちと切磋琢磨することにより、大きな飛躍が期 […]
バルセロナからメッシ、ネイマール、スアレスがいなくなったらどうなるか。あるいは、レアル・マドリードからクリロナ、ベンゼマ、ベイルがいなくなったら。 もはや別のチームである。 五輪サッカーは、だか […]
W杯の出場国が16から24に拡大された時、ベテラン記者たちは“水増し”によるレベルの低下を嘆いていた。実を言えば今回、欧州選手権に関してわたしが持っていた印象は、かつて先輩たちがW杯について抱いていたものと同じだった。 […]
何かの本で、英国にまつわるこんな小話を読んだ記憶がある。 ロンドンのさる豪邸に空き家に入った男が、その家に住む男の子と出くわしてしまった。無邪気な少年は、泥棒に言った。 「ぼく、フットボールが好き […]
まず安堵し、次に頭を抱える――手倉森監督の心中を察すれば、きっとそんなところか。 たとえばアルゼンチンでは、W杯前の最後のテストマッチをイスラエルと戦い、そこで敗れるのが本大会へ向けての吉兆と見なされていた […]
93年の発足当時、Jリーグは世界屈指の金満リーグだった。そのことは、欧州や南米で取材をしていると如実に実感することができた。というのも、こちらが日本人の記者だとわかると、必ずと言っていいほど、かけられる言葉があったから […]
いまにして考えれば思い上がりも甚だしいのだが、94年当時、わたしは米国のサッカーを完全に見下していた。当然、W杯米国大会は、ロクなものになるはずがないと思い込んでもいた。 まずもって、代表チームのサッカーそ […]
本来、スポーツとは祭りのようなものだとわたしは思っている。楽しいから、やる。興味がなければ、あるいはイヤなのであれば、参加しない自由もある。主たる権利は、あくまでも個人にある。 楽しみの中には、むろん、 […]
プロ野球の日本ハムが札幌ドームに代わる新しい本拠地球場建設の構想を進めている、と前日付のスポニチに載っていた。栗山監督に言わせれば「久々に体中がうれしさで埋めつくされた」気分なのだという。 それはそうだろう […]
学生時代、嫌いな教科と言えば数学だった人間が、ここのところ、古いデータや数字とにらめっこする毎日を送っている。以前からずっと興味を持っていたジャンルの仕事を、ついに始めることになったからである。 高校時代、 […]
ちょっとびっくりした。いまではすっかりお馴染みになった欧州CLのアンセム。導入されたのは96~97シーズンからだという。どういうわけか、チャンピオンズ“カップ”が“リーグ”へと移行したのと同時に導入されたものだと思い込 […]
古くは、2部リーグ、1部リーグ、そして欧州チャンピオンズカップを立て続けに制覇した「ノッティンガム・フォレストの三段跳び」がある。 ブンデスリーガならばカイザースラウテルン、日本ではレイソルやガンバなどが、 […]
「根性」という言葉を聞くと、オートマチックにアレルギー反応が出てしまうタチである。大切なのは技術であり戦術。根性なるもので勝てれば世話はない。中学生のころから、長くそう思い込んできた。 ただ、年をとるにつれ、 […]
W杯アジア最終予選の組み合わせが決まった。悪い組み合わせではない、というのが個人的な感想だ。最終予選である以上、そうそう簡単に勝てる試合などないことはわかった上で、それでも、ひとまず安心している自分がいる。 […]
先週の本欄で、岡崎について「高校卒業時、名うての目利きでもある恩師にプロ入り自体を反対された選手」と書いたところ、いまは台湾でユース年代の育成にあたられている「名うての目利きでもある恩師」――黒田和生さんからメールを頂 […]
プロ野球の世界に憧れ、しかしプロにはなれなかった若者たちが集まるクラブチームを取材した時の話である。 プロになれた者となれなかった者。その違いはどこにあるのか。プロ野球の経験者でもあるコーチから聞いた答え […]
伊達公子さんが激怒していたのは、確か、一昨年の年末だった。深夜、突如として自宅に押しかけてきたアンチ・ドーピング機構の調査員。その挑発的な態度は、伊達さんをして警察への出動要請を決断させるほどだった。顛末を […]
創成期のJリーグは引退寸前のロートルに大金をつぎ込み、欧州のメディアから冷笑されることもあった。ただ、先例がなかったわけではない。70年代後半の北米サッカーリーグ(NASL)などは、Jリーグよりはるかに大きなスケールで […]