金子達仁

スポーツライター

“新国立議論”に感じられない「お・も・て・な・し」

 心底呆れ、かつ、ガッカリした。東アジア杯のことではない。あれはせいぜい「軽い失望」ぐらいなもの。国内でプレーする選手たちの意地や下克上へかける思いといったものがあまり感じられなかったのは残念だが、この時期、この大会のために必死になれと言われても、選手としては難しかったのかもしれない。大丈夫。きみたちができなかったことは、海外組がやってくれるとも。

勝敗はどうでもいい。チームの哲学が見えない

 目の覚めるような一撃、という表現があるが、山口の同点弾ぐらい、この表現にふさわしい一撃はなかった。言うまでもなく素晴らしいシュートではあったが、それ以前に、試合が信じられないほどに退屈だったからである。あのシュートが決まるまで、視聴者が闘っていたのは韓国ではなく睡魔だったのではないか。少なくとも、わたしに関してはそうだった。

早実、なでしこ……「物語」持つチームは強い

 7月下旬の10日間、高校野球の地方予選を取材した。フリーのライターになって20年、甲子園で取材をしたことはあっても、地方大会を1回戦から取材するとなるとさすがに初めてのこと。頭では理解しているつもりだった、この国における高校野球というものの存在の重さを、改めて実感させられた10日間でもあった。

ただ寂しくて情けないハリルJAPAN「埼玉の悪夢」

 シンガポールで最大の発行部数を誇る「ストレイツ・タイムス」の電子版によると、日本のシュートを止めて止めて止めまくったGKイズワン・マフブッドは、試合後に一言、「ミラクル」とつぶやいたという。サッカーが2つのチームによって勝敗を争う競技である以上、一方にとっての奇跡は、当然、他方にとっての悪夢である。

初戦の相手がカメルーンでなかったのは吉兆か

 怪鳥のごとく舞い上がったオマン・ビイクが、非常識なほど高打点からのヘディング・シュートを見舞った。コースは甘く、強さもなかったが、しかし、通常ではありえない角度からのシュートは、GKネリー・プンピードのミスを誘う。カメルーン1。アルゼンチン0。大げさではなく、全世界が揺れた世紀の番狂わせ。呆然とするディエゴ・マラドーナの表情はいまも鮮明に記憶しているが、それが起きた日にちまでは覚えていなかった。

クラブの格だけで評価するのは時代遅れ

 スペイン語の発音通りに表記するならばメヒコ・オチェンタイセイス。日本語に直せばメキシコ86。ちょっと信じられない気もするが、わたしにとって初めての外国でありW杯だった86年のメキシコ大会から、かれこれ30年近くが経とうとしている。  長旅の疲れでヨレヨレになって到着したメキシコシティーのホテル。何げなくつけたテレビにまず映ったのは、清涼飲料水を片手に微笑むサッカー選手の姿だった。

“J2の名将”石崎監督、殻を破れるか

 先週末のJリーグでは、J2から昇格してきた松本と山形が初勝利を挙げ、これで昇格組は3節までにすべて白星を手にしたことになった。  昨年、3冠を達成したのはJ2から昇格してきたばかりのG大阪だったが、まっさきに降格が決まったのも、昇格してきた徳島だった。1部と2部との間に存在する格差が、他の国よりも複雑かつ微妙になっているのがJリーグの現状だ。

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