森・西武野球は何を残したか<中編>

 西武で11年間にわたってピッチングコーチを務めた八木沢壮六(現千葉ロッテ監督)が森野球を分析する。 「森さんの野球は、まず1点をとる野球。森さんは“守りの野球”を標榜していますが、点が入ってないことには、守るものがないでしょう。  初回からでもバントを使うのは、とにかく1点を先にとり、相手にプレッシャーをかけるため。相手が点を追いかけるパターンになれば、それに対応する形で、いろんな手が打てる。そういう状況になって初めて3人のリリーフ投手もいきてくるわけです。西武からロッテにきて、西武の1点がいかに大きくのしかかるかということが分かりました。今後、西武に勝つには、とにかく先に点を与えないこと。それが鉄則です」

第353回 真のWBCへ イチローの重い問いかけ

「北京の流れから(WBCを)リベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みを揃えることなど不可能」。目の覚めるような正論だ。一部に「一選手が言うべきことではない」との声もあるが、誰かが言わなければならなかったことだ。イチローの男気に敬意を表したい。

第352回 球界の命綱「時間短縮」もっとシビアに

 教師が答案用紙に採点結果を書いて生徒に返すだけでは教育とは呼べない。指導とも呼べない。なぜこの点数になったのか、冷徹な検証が必要である。  今季のプロ野球は「試合時間マイナス6%」を目標にスタートした。過去10年間の平均試合時間は3時間18分。つまり12分短縮の3時間6分が目標だった。

第305回 満を持して「日の丸」を背負う安打製造機 横浜・内川聖一内野手

 これまで、プロ野球における右打者の最高打率は1999年、横浜のロバート・ローズが記録した3割6分9厘。それを超えての首位打者獲得がほぼ確実になった。  横浜の内川聖一が打ちまくっている。10月8日現在、132試合に出場して打率3割7分8厘。打率に加え、安打数(185本)、得点圏打率(4割5分)もリーグ最高。打ち出の小槌を持っているようなものだ。

森・西武野球は何を残したか<前編>

 日本シリーズ20連勝という森監督の不敗神話にピリオドが打たれた。このシリーズ、ライオンズは先取点を奪った3試合を全てものにし、先取点を奪われた4試合を全て失った。結論をいえば、今年のライオンズには試合を引っくり返すだけの力がなかった。徳俵で相手の寄りをこらえるだけの力はあっても、寄り返し、反対側の土俵の外に相手を投げ捨てるだけの底力は持ち合わせていなかったのである。

第350回 “教えながら教わる”台湾で成長した渡辺監督

「洋行帰り」に箔がつくのは何もビジネスの世界に限った話ではない。野球界でもコーチ留学、コーチ修行といえば、取りも直さずそれは渡米を指す。翻って韓国球界や台湾球界で禄を食んでいると聞くと、つい「都落ち」という言葉を思い浮かべてしまう。埼玉西武・渡辺久信監督の成功は、球界がそうした偏見を捨て去るきっかけになるのではないか。

「魔術師の告白」。 星野伸之<後編>

星野 何となくコツを覚えたきっかけは、フォアボールを避けようとしたことです。たとえばワンスリーやノーツーというカウントで、一番嫌うのは、バッターにボールを見送られることです。フォアボールになってしまいますから。全力で投げてボールがボールひとつはずれたりすると最悪ですよ。

第301回 「日米摩擦」まで引き起こすアマ最強右腕 新日本石油・田澤純一投手

「日米の国交は断絶だ。日本のメジャーリーガーは全員引き揚げさせる」  いやはや凄まじい怒りだ。  今秋のドラフトの超目玉で、アマチュア球界ナンバーワン右腕といわれる田澤純一(新日本石油ENEOS)がボストン・レッドソックスに狙われていると知った巨人・滝鼻貞雄オーナーのセリフだ。

「魔術師の告白」。 星野伸之<前編>

 タテジマのユニフォームを着ると痩身がさらに際立って見える。この痩身のサウスポーが珍プレーの主役となったのは今から7年前のことである。  対ライオンズ戦。ブルーウェーブのスターターとしてマウンドに上がった星野伸之のボールを、あろうことかキャッチャーの中嶋聡(現ライオンズ)はミットでなく素手で捕り、そのまま投げ返してしまったのだ。

第300回 甲子園の有望株は?

 今夏の甲子園は大阪桐蔭(北大阪代表)の17年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。決勝で常葉学園菊川(静岡)戦は21安打で17点を奪った。ここの打線は火がついたら止められない。中田翔(北海道日本ハム)がいた昨年はチームのスケールは大きかったが脆さも同居していた。今年はどこからでも点の取れる打線に成長していた。エースの福島由登を中心に守りもしっかりとしていた。

第346回 「分析されている」意識弱かった星野ジャパン

 日本のスコアラーの技術レベルは、ある意味、世界一かもしれない。先頃、NHKが「とどかなかったメダル 〜星野監督が語る北京での戦い〜」という番組を放送した。三宅博スコアラーを中心としたロジスティックス部隊の奮闘をサイドストーリー的に描いた特集だが、彼らがとってきた情報は驚くほど正確で、恐ろしいほど精緻だった。しかし、残念ながら星野ジャパンがそれらを最大限に生かし切ることはできなかった。

第298回 “一番”に天職を見出したイチローの祝「3000本安打」

「センター前ヒットなら、いつでも打つことができる」。日本でプレーしている頃、イチロー(マリナーズ)はそう語っていた。  それが証拠に日米で積み上げた3000本安打の内訳を見るとレフト方向に668本、センター方向に820本、ライト方向に740本(ホームランと内野安打を除く)とセンター方向が最も多い。イチローのバッティングはあくまでもセンター返しが基本なのだ。

第297回 北京から「日本球界」を狙う巨漢の好打者 韓国代表・金東柱内野手

 野球韓国代表の中軸・金東柱(キム・ドンジュン、斗山ベアーズ)といえば、今や日本の野球ファンにも、すっかりお馴染みである。  体重98キロの巨漢。実際にはもっとあるだろう。いかにもパワーのありそうな体つきだが、見た目以上にバッティングは器用だ。

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