一発勝負のトーナメントが幕開け 激戦の予感 〜決勝トーナメント1回戦展望〜

 いよいよ、29日(日本時間)からFIFAワールドカップブラジル大会の決勝トーナメントが始まる。グループリーグ(GL)では順当勝ちあり、波乱ありと様々なドラマが巻き起こった。ここからは負ければ終わりのトーナメント。GLの時のように勝ち点を計算した戦い方ではなく、勝つことのみを目指したサッカーがベスト16から見られるだろう。また、決勝Tから90分間で決着がつかなければ延長戦、さらにPK戦にもつれ込む可能性もあり、まさに総力戦で勝ち抜く力が求められる。果たして、ベスト8に名乗りを上げるのはどのチームか。

アルジェリア、初の決勝T進出! 〜グループH最終節〜

 27日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループH最終節でアルジェリア代表がロシア代表と1−1で引き分けた。試合は6分にFWアレクサンドル・ココリンのゴールでロシアが先制。追いかけるアルジェリアも攻勢を仕掛けるが、得点を奪えぬまま前半を終えた。アルジェリアは後半15分にセットプレーからFWイスラム・スリマニが決め、同点に追いつく。引き分けでグループリーグ(GL)を突破できるアルジェリアは残り30分間を耐え抜いた。アルジェリアは4度目の出場で初の決勝トーナメント進出を果たした。 (クリチーバ) 【得点】 [ア] イスラム・スリマニ(60分) [ロ] アレクサンドル・ココリン(6分)

韓国敗れ、アジア勢全滅 〜グループH最終節〜

 27日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループH最終節で、ベルギー代表(FIFAランキング11位)が韓国代表(同57位)を1−0で下し、3戦全勝の勝ち点9で1位通過を決めた。韓国は1分2敗の勝ち点1でグループリーグ敗退となった。決勝トーナメント進出には勝利が第一条件となる韓国は序盤からチャンスをつくり、前半終了間際には相手の退場で数的優位に立つ。しかし、ゴールを奪えず、逆に後半33分にカウンターで決勝点を許した。 (サンパウロ) 【得点】 [ベ] ヤン・ベルトンゲン(78分)

ドイツは1位、米国は2位で通過 〜グループG最終節〜

 27日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループG最終節で、ドイツ代表が米国代表に1−0で勝利した。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる両国。前半は大きな動きなく終了した。後半10分にFWトーマス・ミュラーが決め、ドイツが先制。ドイツはその後も攻勢を仕掛けるが、追加点を奪えなかった。守備陣は、今大会2試合目の完封。勝ち点7で首位でのグループリーグ(GL)突破を決めた。敗れた米国は、ポルトガルに勝ち点で並ばれたが得失点差で上回った。2位で2大会連続の決勝トーナメント進出となった。 (レシフェ) 【得点】 [ド] トーマス・ミュラー(55分)

ポルトガル、勝利もGL敗退 〜グループG最終節〜

 27日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループG最終節で、ポルトガル代表(FIFAランキング4位)がガーナ代表(同37位)を2−1で破り、今大会初勝利をあげた。1−1の同点で迎えた後半35分、エースのFWクリティアーノ・ロナウドが勝ち越し弾を決めた。この結果、1勝1敗1分で勝ち点を4に伸ばしたが、同勝ち点で並んだ米国に得失点差で及ばず、決勝トーナメント進出はならなかった。 (ブラジリア) 【得点】 [ポ] オウンゴール(31分)、クリスティアーノ・ロナウド(80分) [ガ] アサモア・ギャン(57分)

二宮寿朗「クイアバで感じたコロンビアの熱」 〜ブラジル特捜レポート〜

 ブラジル中部、内陸の都市クイアバは、灼熱の町だ。  気温は30度を超えるが、湿気は第1戦のレシフェ、第2戦のナタールに比べて低く、体にまとわりつくような暑さではない。とはいえ、陽射しがあまりに強く、どちらかと言うと中東のような暑さのイメージに近いだろうか。

フランス、ドローで1位通過 エクアドルは敗退 〜グループE最終節〜

 26日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループE最終節で、フランス代表(FIFAランキング17位)とエクアドル代表(同26位)は0−0のスコアレスドローに終わった。フランスは勝ち点7(2勝1分)となり、グループ1位で決勝トーナメントに進出。エクアドルは勝ち点4(1勝1敗1分)にとどまり、今大会の南米勢では初めてグループリーグ敗退が決まった。 (リオデジャネイロ)

スイス、完封勝ちで2大会ぶり決勝T進出 〜グループE最終節〜

 26日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループE最終節で、スイス代表がホンジュラス代表に3−0で勝利した。スイスは6分にFWジェルダン・シャキリのミドルシュートが決まり、先制する。31分にもシャキリにゴールが生まれ、リードを広げて前半を終えた。シャキリは後半にも1点を加え、ハットトリックを達成。守っては、ホンジュラスに最後までゴールを割らせなかった。スイスは2勝1敗で勝ち点6とし、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。敗れたホンジュラスは、3度目の出場にして初勝利はまたしてもお預けとなった。 (マナウス) 【得点】 [ス] ジェルダン・シャキリ(6分、31分、71分)

ザッケローニ監督、退任を表明

 26日(日本時間)、日本代表アルベルト・ザッケローニ監督は、ベースキャンプ地のブラジル・イトゥで記者会見を行い、代表監督からの退任を表明した。2010年10月に就任したザッケローニ監督は、11年にアジアカップ、13年には東アジアカップを制覇した。アジア予選を勝ち抜き、出場権を得た今大会では1分け2敗でグループ最下位で敗退。契約は今大会終了までで任期満了と見られる。

アルゼンチン、メッシの2ゴールで1位通過 〜グループF最終節〜

 26日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループF最終節で、アルゼンチン代表(FIFAランキング5位)がナイジェリア代表(同44位)に3−2で勝利し、3連勝でグループリーグ1位通過を決めた。試合は立ち上がりに1点ずつを取り合う激しい展開。前半終了間際にアルゼンチンがメッシの鮮やかなFK弾で勝ち越す。ナイジェリアは後半開始直後に再び試合を振り出しに戻したものの、すぐさまアルゼンチンが決勝点を奪った。ナイジェリアは敗れたが、1勝1分1敗でグループ2位に滑りこみ、4大会ぶりのベスト16入りを果たした。 (ポルトアレグレ) 【得点】 [ナ] アーメド・ムサ(4分、47分) [ア] リオネル・メッシ(3分、45+1分)、マルコス・ロホ(50分)

ボスニア・ヘルツェゴビナ、W杯初勝利 〜グループF最終節〜

 26日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループF最終節で、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表がイラン代表を下した。W杯初勝利を目指すボスニア・ヘルツェゴビナは序盤からボールを支配し、イランを圧倒。23分にFWエディン・ジェコのゴールで先制に成功すると、後半14分にはミラレム・ピャニッチが決め、リードを広げた。互いに1点ずつを追加し、3−1で試合は終了。初出場のボスニア・ヘルツェゴビナが記念すべき1勝を手にした。一方、イランは大会初得点を記録したものの、完敗。初の決勝トーナメント進出はならなかった。ここまでアジア勢は未だ勝利がない。 (サルバドール) 【得点】 [ボ] エディン・ジェコ(23分)、ミラレム・ピャニッチ(59分)、アブディヤ・ブルサイェビッチ(83分) [イ] レザ・グーチャンネジャード(82分)

日本終戦 コロンビアに力負け 〜グループC最終節〜

 25日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループC最終節で、日本代表(FIFAランキング46位)はコロンビア代表(同8位)に1−4で敗れ、グループリーグ敗退が決まった。日本は前半17分、PKを与えて先制を許すも、多くのチャンスをつくり、前半終了間際、岡崎慎司のヘディングシュートが決まって同点に追いつく。だが後半、主力を投入したコロンビアに攻め込まれ、10分に勝ち越される。早く追いつきたい日本は反撃を試みたものの、前がかりになったところをカウンターで立て続けに失点し、万事休した。 (クイアバ) 【得点】 [コ] フアン・クアドラード(17分)、ジャクソン・マルティネス(55分、82分)、ハメス・ロドリゲス(90分) [日] 岡崎慎司(45+2分)

ギリシャ、劇的勝利で初の決勝T進出 〜グループC最終節〜

 25日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループC最終節で、ギリシャ代表(同12位)がコートジボワール代表(FIFAランキング23位)を2−1で破り、初の決勝トーナメント進出を決めた。ギリシャは前半に2選手が負傷交代を余儀なくされる苦しい展開ながら、相手のミスに乗じて先制する。後半に入って同点に追いつかれたものの、アディショナルタイムにPKを獲得。これを決めて勝ち越し、グループ最下位からの逆転でベスト16入りを果たした。 (フォルタレーザ) 【得点】 [ギ] アンドレアス・サマリス(42分)、ゲオルギオス・サマラス(90+3分) [コ] ウィルフリード・ボニー(74分)

コスタリカ、無敗で首位通過 〜グループD最終節〜

 25日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループD最終節で、コスタリカ代表がイングランド代表に0−0で引き分けた。ウルグアイ、イタリアに連勝し、勢いに乗るコスタリカは、イングランドを相手にしても堅い守りを披露。GKケイラー・ナバスを中心にゴールを最後まで割らせなかった。勝ち点1を積み上げたコスタリカは、2勝1分け、勝ち点7でグループDを1位で通過した。一方、56年ぶりにグループリーグ(GL)敗退となったイングランドは、今大会初の勝ち点。GL3連敗は免れた。 (ベロオリゾンテ)  

ウルグアイ、イタリア破って決勝Tへ 〜グループD最終節〜

 25日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループD最終節で、ウルグアイ代表(FIFAランキング7位)がイタリア代表(同9位)を1−0で勝利し、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。グループリーグ突破には勝つしかないウルグアイはチャンスを何度もつくりながら得点を奪えない。イタリアは後半、レッドカードによる退場で数的不利になり、守りを固めて引き分けを狙う。このままスコアレスドローでイタリアの決勝トーナメント進出かと思われた後半36分、ウルグアイがセットプレーから値千金の決勝点をあげた。 (ナタル) 【得点】 [ウ] ディエゴ・ゴディン(81分)

メキシコ、クロアチアとの直接対決制してGL突破 〜グループA最終節〜

 24日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループA最終節で、メキシコ代表(FIFAランキング20位)がクロアチア代表(同18位)に3−1で勝ち、グループ2位(2勝1分)で決勝トーナメント進出を決めた。勝った方がグループリーグを突破する一戦は後半途中までスコアレスの緊迫した展開が続く。しかし、後半27分、DFラファエル・マルケスのヘディングシュートが決まってメキシコが先制。そこから立て続けに得点を重ね、相手の逆襲を1点にとどめた。敗れたクロアチアは98年フランス大会以来のベスト16入りはならなかった。 (レシフェ) 【得点】 [ク]イバン・ペリシッチ(87分) [メ]ラファエル・マルケス(72分)、アンドレス・グアルダード(75分)、ハビエル・エルナンデス(82分)

ブラジル、大勝でGL首位通過 ベスト16でチリと対戦へ 〜グループA最終節〜

 24日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループA最終節で、ブラジルがカメルーンに3−1で勝利し、グループリーグ突破を決めた。ブラジルは前半17分、FWネイマールのゴールで先制。26分にMFジョエル・マティプに同点弾を奪われたものの、35分に再びネイマールが決めて勝ち越した。後半は開始早々の4分にFWフレッジのゴールでリードを広げると、39分にはMFフェルナンジーニョのダメ押し点で試合を決めた。ブラジルは勝ち点を7に伸ばし、同7で並んだメキシコを得失点差で上回って首位通過。ベスト16ではグループB2位のチリと対戦する。 (ブラジリア) 【得点】 [ブ] ネイマール(17分、35分)、フレッジ(49分)、フェルナンジーニョ(84分) [カ] ジョエル・マティプ(26分)

オランダ、全勝で1位通過 〜グループB最終節〜

 24日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループB最終節で、オランダ代表(FIFAランキング15位)がチリ代表(同14位)を2−0で下し、3連勝で首位通過を決めた。2連勝同士の対決は、前半はチリが積極的な攻撃をみせ、相手ゴールを脅かす。しかし後半に入ってリズムを取り戻したオランダは32分、途中出場のMFレロイ・フェルのゴールで先制する。アディショナルタイムにも追加点をあげて勝利をモノにした。敗れたチリはグループ2位(2勝1敗)での決勝トーナメント進出となった。 (サンパウロ) 【得点】 [オ] レロイ・フェル(77分)、メンフィス・デパイ(90+2分)

スペイン、3発快勝フィニッシュ 〜グループB最終節〜

 24日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループB最終節で、スペインがオーストラリアに3−0で勝利した。スペインは序盤こそ相手の激しいプレッシングに苦しんだが、徐々に主導権を握った。すると前半36分、FWダビド・ビジャのゴールで先制。後半も24分にFWフェルナンド・トーレス、37分にMFフアン・マタのゴールでオーストラリアを突き放した。すでにGL敗退が決まっている両国は、スペインがGL3位、オーストラリアは同最下位での終戦となった。 (クリチバ) 【得点】 [ス] ダビド・ビジャ(36分)、フェルナンド・トーレス(69分)、フアン・マタ(82分)

ポルトガル、土壇場で追いつきGL突破に可能性残す 〜グループG第2節〜

 23日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループG第2節で、ポルトガル代表が米国代表と2−2で引き分けた。ポルトガルは前半5分にFWナニのゴールで先制したが、徐々に米国にペースを握られる。後半19分に追いつかれると、36分にはFWクリント・デンプシーに決められ、逆転を許す。負ければグループリーグ(GL)敗退のピンチだったが、試合終了直前にFWシウベストレ・バレラのゴールが生まれた。土壇場で追いついたポルトガルは勝ち点1を掴み取り、決勝トーナメント進出の可能性を残した。勝てばGL突破が決まった米国は、勝ち点4。同勝ち点のドイツとの最終節を引き分け以上で、決勝トーナメントに進出できる。 (マナウス) 【得点】 [米] ジャーメイン・ジョーンズ(64分)、クリント・デンプシー(81分) [ポ] ナニ(5分)、シウベストレ・バレラ(90+5分)

アルジェリア、32年ぶりW杯白星 韓国は4失点 〜グループH第2節〜

 23日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループH第2節で、アルジェリアが韓国に4−2で勝利した。アルジェリアは前半26分、FWイスラム・スリマニのゴールで先制。さらに28分にDFラフィク・ハリシュ、38分にはMFアブデルメヌ・ジャブのゴールでリードを広げた。後半5分、MFソン・フンミンにゴールを許したが、17分にMFヤシン・ブラヒミがダメ押しの4点目。その後、27分にFWク・ジャチョルにゴールを決められたものの、アルジェリアが快勝といえる内容で32年ぶりにW杯で白星を挙げた。 (ポルトアレグレ) 【得点】 [ア] イスラム・スリマニ(26分)、ラフィク・ハリシュ(28分)、アブデルメヌ・ジャブ(38分)、ヤシン・ブラヒミ(62分) [韓国] ソン・フンミン(50分)、ク・ジャチョル(72分)

ベルギー、ロシア下して連勝 12年ぶり16強 〜グループH第2節〜

 23日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループH第2節で、ベルギーがロシアに1−0で勝利した。前半は互いに得点機を迎えたものの、生かすことができず、スコアレスで試合を折り返した。後半も拮抗した状態が続く中、両チームとも交代策で活路を見いだそうとした。それでも無得点のまま試合は展開していったが、43分、途中出場のFWディボック・オリギが決勝点。連勝のベルギーは2002年日韓W杯以来のベスト16進出を決めた。 (リオデジャネイロ) 【得点】 [ベ] ディボック・オリギ(88分)

灼熱のクイアバでザックジャパンに期待すること 〜スタッフ現地レポート〜

 飛行機を乗り継ぎ6時間、日本代表のグループリーグ最終戦(対コロンビア)が行われるクイアバにやってきた。飛行機を降りて、空港内まで外を歩いた数分間で、クラクラするほどの暑さに驚いた。さすがは6月の最高気温が37度を記録したこともある灼熱地帯。レシフェとナタルは海沿いで、風もありまだ爽やかさが感じられた。だが、クイアバは風も少なく、さらに湿地帯ということもあってズシッと体にのしかかるような暑さである。

ナイジェリア、1点守る ボスニア・ヘルツェゴビナは敗退 〜グループF第2節〜

 22日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループF第2節で、ナイジェリア代表(FIFAランキング44位)がボスニア・ヘルツェゴビナ代表(同21位)に1−0で勝利した。ナイジェリアは前半29分にFWピーター・オデムウィンギーが先制弾を決める。その後は追加点をあげられなかったが、押し気味に試合を進め、W杯では98年フランス大会以来の勝利をあげた。ボスニア・ヘルツェゴビナは連敗でグループリーグ敗退が決まった。 (クイアバ) 【得点】 [ナ] ピーター・オデムウィンギー(29分)

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