第350回 “教えながら教わる”台湾で成長した渡辺監督

「洋行帰り」に箔がつくのは何もビジネスの世界に限った話ではない。野球界でもコーチ留学、コーチ修行といえば、取りも直さずそれは渡米を指す。翻って韓国球界や台湾球界で禄を食んでいると聞くと、つい「都落ち」という言葉を思い浮かべてしまう。埼玉西武・渡辺久信監督の成功は、球界がそうした偏見を捨て去るきっかけになるのではないか。

「魔術師の告白」。 星野伸之<後編>

星野 何となくコツを覚えたきっかけは、フォアボールを避けようとしたことです。たとえばワンスリーやノーツーというカウントで、一番嫌うのは、バッターにボールを見送られることです。フォアボールになってしまいますから。全力で投げてボールがボールひとつはずれたりすると最悪ですよ。

第301回 「日米摩擦」まで引き起こすアマ最強右腕 新日本石油・田澤純一投手

「日米の国交は断絶だ。日本のメジャーリーガーは全員引き揚げさせる」  いやはや凄まじい怒りだ。  今秋のドラフトの超目玉で、アマチュア球界ナンバーワン右腕といわれる田澤純一(新日本石油ENEOS)がボストン・レッドソックスに狙われていると知った巨人・滝鼻貞雄オーナーのセリフだ。

「魔術師の告白」。 星野伸之<前編>

 タテジマのユニフォームを着ると痩身がさらに際立って見える。この痩身のサウスポーが珍プレーの主役となったのは今から7年前のことである。  対ライオンズ戦。ブルーウェーブのスターターとしてマウンドに上がった星野伸之のボールを、あろうことかキャッチャーの中嶋聡(現ライオンズ)はミットでなく素手で捕り、そのまま投げ返してしまったのだ。

第300回 甲子園の有望株は?

 今夏の甲子園は大阪桐蔭(北大阪代表)の17年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。決勝で常葉学園菊川(静岡)戦は21安打で17点を奪った。ここの打線は火がついたら止められない。中田翔(北海道日本ハム)がいた昨年はチームのスケールは大きかったが脆さも同居していた。今年はどこからでも点の取れる打線に成長していた。エースの福島由登を中心に守りもしっかりとしていた。

第346回 「分析されている」意識弱かった星野ジャパン

 日本のスコアラーの技術レベルは、ある意味、世界一かもしれない。先頃、NHKが「とどかなかったメダル 〜星野監督が語る北京での戦い〜」という番組を放送した。三宅博スコアラーを中心としたロジスティックス部隊の奮闘をサイドストーリー的に描いた特集だが、彼らがとってきた情報は驚くほど正確で、恐ろしいほど精緻だった。しかし、残念ながら星野ジャパンがそれらを最大限に生かし切ることはできなかった。

第298回 “一番”に天職を見出したイチローの祝「3000本安打」

「センター前ヒットなら、いつでも打つことができる」。日本でプレーしている頃、イチロー(マリナーズ)はそう語っていた。  それが証拠に日米で積み上げた3000本安打の内訳を見るとレフト方向に668本、センター方向に820本、ライト方向に740本(ホームランと内野安打を除く)とセンター方向が最も多い。イチローのバッティングはあくまでもセンター返しが基本なのだ。

第297回 北京から「日本球界」を狙う巨漢の好打者 韓国代表・金東柱内野手

 野球韓国代表の中軸・金東柱(キム・ドンジュン、斗山ベアーズ)といえば、今や日本の野球ファンにも、すっかりお馴染みである。  体重98キロの巨漢。実際にはもっとあるだろう。いかにもパワーのありそうな体つきだが、見た目以上にバッティングは器用だ。

第343回 グルジア侵攻に“及び腰”IOC

 モスクワから南南東の方角へ約2時間半。切り立った短剣のようなカフカスの山々を越えると、赤茶けた大地が見えてくる。  私が初めてグルジアを訪れたのは1989年2月のことだ。当時はソビエト連邦を構成する15の共和国のひとつ。別の顔である格闘技王国の実相を探るのが目的だった。

第342回 清水が世界王座を「与えられる」日まで

 報われない死闘を演じ続けたボクサーがいる。元東洋太平洋バンタム級王者の村田英次郎だ。  世界王座に4度挑み、2分け2敗。2度のドローは村田に軍配が上がってもおかしくない試合だった。紙一重の差に泣き続けた。引退後、村田は私にこう語った。「これが私の運命ですよ。自分がいくら強くたって、それ以上に強いチャンピオンがいたら世界はとれない。それがボクシングですよ」

第295回 野茂を「殿堂」に押し上げる「良きオヤジ」 元ドジャース監督 トミー・ラソーダ

 現役引退を表明した野茂英雄に「殿堂入りの有力候補になる」と明言し、久しぶりに存在感を示したのが元ドジャース監督のトミー・ラソーダ。  メジャーリーグ通算123勝は野球殿堂入りには足りない数字だが、日本プロ野球時代の78勝を足せば201勝になる。

第340回 “英雄原点”社会人の誇りに「野茂賞」を

 もう随分前の話だが、現役引退を表明した野茂英雄に「野球をやっていて一番うれしかったシーンは?」と聞いたことがある。メジャーリーグでの2回のノーヒッターか、はたまたドジャース時代の2回の地区優勝か、あるいは近鉄時代の思い出か……。返ってきた答えは意外なものだった。

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