第3回ワールドリーグ戦には、カール・クラウザーやミスターXに混じって、もうひとり実力派のアイク・アーキンスも参加していた。当時を知る関係者によるとアーキンスは本物のギャングであり、気心の知れた日本人レスラーには、ハリウッドのトップ女優であるバージニア・メイヨとのツーショット写真を見せびらかしていたという。当時、ギャングでも、ハリウッドの女優と付き合える者は、幹部クラスに限られていた。
球団創設初年度に、打率ほどの勝率(2割8分1厘)しか残せなかったチームが、3年目で勝率5割を目指せるまでになったのだから、何やかやと言われても、楽天の指揮を執る野村克也は名将である。
「オガサワラひとりにやられた」 オリックスのテリー・コリンズ監督はそう言って、唇を噛んだ。 5月28日、交流戦のオリックス戦で自身初となる1試合3本塁打。開幕から巨人の3番に座り、5月30日現在、打率3割3分5厘、14本塁打、36打点――期待にたがわない活躍ぶりだ。
「キンシャサの奇跡」といえばボクシング史上最高の名勝負といっても過言ではない。“象をも倒す”と恐れられた無敗のチャンピオン、ジョージ・フォアマンに数々の伝説を生み出したとはいえ、オールドタイマーのモハメド・アリが挑戦すると聞いた時、誰もが試合後のアリの無惨な姿を思い浮かべたはずだ。
移籍金、年俸(5年契約)合わせて約4600万ドル(約54億円)もかけて井川慶を獲るくらいなら、2年総額300万ドル(約4500万円)で岡島秀樹(レッドソックス)を獲った方が良かったと今頃、ヤンキースは後悔しているに違いない。
さて、リングスに目を移してみよう。<メガバトル>の参加外国人はクリス・ドールマン(オランダ)、ディック・フライ(同前)、ヘルマン・レンティング(同前)、ハンス・ナイマン(同前)、ウィリー・ピータース(同前)、ディミータ・ペトコフ(ブルガリア)、ソテル・ゴチェフ(同前)、アンドレィ・コビィロフ(ロシア)、ヴォルク・ハン(同前)、ウラジミール・クラブチェック(同前)、グロム・ザザ(グルジア)、ゲオルギー・カンダラッキー(同前)の12名。オランダ、ブルガリア、ロシア、グルジアの4カ国からの参加ながら、国際色豊かなトーナメントに見えたのは、これら4カ国には格闘技王国のイメージがあると同時に、プロレスからは疎遠のニュアンスが強く、ために他団体のプロレス会場では味わうことのできないテイストを存分に提示することができたからに違いない。
歴史は繰り返す――。ハンク・アーロンが持つMLBの通算最多本塁打記録にバリー・ボンズがあと10本と迫っている。MLBでは新記録達成の場に、かつてのレコードホルダーが駆けつける“暗黙の儀式”がある。だが、今回ばかりは寂しい宴となりそうだ。
鯉のぼりの季節とともに、カープも浮上してきた。最大時で8もあった借金も5月17日には完済した。プレーオフ進出の条件となる3位以内も十分、射程の範囲だ。 カープ躍進の立役者が4番・新井貴浩である。現在、14本塁打、36打点。これはセ・リーグでは中日のタイロン・ウッズに次ぐ数字。4月後半には2割5分を切っていた打率も2割8分9厘にまで上昇してきた。
世間を騒がせている高校野球の特待生問題に関する高野連の対応を見ていると、あれから百年近くたつというのに、野球人はいまだに「野球害毒論」の呪縛から解き放たれていないのではないかと寂しい気分になる。
開幕ダッシュに成功し、最大時で14もあった貯金が終わって見れば借金14の4位。昨季、巨人が坂道を転がり落ちていった背景にはイチにもニにも抑えの弱さがあった。 締めくくり役がしっかりしないことには安定した成績は残せないのだが、巨人は同じ轍を踏んできた。自前で抑えを育てられないから外国人やFA選手に頼らざるをえなかったのだ。
リングス初のトーナメント戦である<メガバトルトーナメント>はリングス・オランダのボスであるクリス・ドールマンが子分のディック・レオン・フライをレッグロックで破り初代の覇者となった。ドールマンをして“泣く子も黙る赤鬼”とはよく言ったもので、その武骨な面構えからは、いかにもアムステルダムの夜の暗がりを取りしきる用心棒の元締めの威厳がにじみ出ていた。加えて溶岩が冷却してできたような体付きも、相手を威嚇するには充分だった。
「自然災害がない限り、2010年W杯は絶対に南アフリカで開催する。これが最終的な見解だ」。8日、FIFAのゼップ・ブラッター会長はそう明言した。そこまで言い切って大丈夫なのか。
スタートダッシュに失敗したチームの中で、この男だけは開幕から絶好調だ。 スワローズ青木宣親のバットから快音が止まらない。4月26日現在、打率3割9厘7厘はダントツのリーグトップ。イチローを超える2回目のシーズン200安打達成へ視界は良好だ。
ハンカチ王子が神宮で2勝目を挙げた日曜日、東京から遠く離れた石川県立野球場で現役医学生がプロ初登板を果たした。 選手の名前は高田泰史(22)。日本で初の医学生プロ。さる4月28日、スタートしたばかりの日本で2番目のプロ野球独立リーグ「北信越BCリーグ」石川ミリオンスターズの投手である。高田は新潟アルビレックスBC相手に先発し、負け投手となったものの、1、2回を無失点で切り抜けた。4回に制球を乱し、4点目を失ったところでマウンドを降りた。金森栄治監督に「気にするな。クリーンヒットは1本じゃないか。打たれたわけじゃないんだ。この失敗を次に生かせ」と励まされた。
たとえば内臓の一部にガン細胞が見つかったとしよう。それが原因で腰は痛むし、体はだるい。普通の人間なら、きっとこう考えるはずだ。 「まずはガン細胞を切除してもらおう。すると腰の痛みも体のだるさもなくなるはずだ」
野球のマイナーリーグを舞台にしたケビン・コスナー主演の映画がある。 題名も『マイナーリーグ』。 ハンバーガーをかじりながら街から街へとバスで移動し、球場に着いても観客はパラパラ。実力次第でメジャーリーグに昇格できるものの、結果を残せなかったものには「クビ」の宣告が待ち受ける。この作品は、そうしたマイナーリーガーの悲哀を描いた秀作である。
昨季、メジャーリーグ(デビルレイズ)で15本もホームランを打っているバッターをつかまえて「意外性の男」と呼ぶのは失礼かもしれないが、こういうバッターが下位にいるのは、相手にとっては脅威だ。
ドイツW杯後に引退したサッカー元日本代表の中田英寿が「日本人の最高の武器はアジリティー(俊敏性)だ」と語っていた。テクニックでもスピードでもなく「アジリティー」と言ったところに妙な説得力があった。
過ちを改めざる、これを過ちという――。toto(スポーツ振興くじ)の運営を見ていると「論語」の中に出てくる孔子のこの言葉を思い出す。日体協への07年度の助成金がゼロになることが明らかになった今、存在意義を見いだすのは困難だ。
「For Iggy, Bomber debut comes up no Dice」(井川は松坂ではなかった) 試合翌日の『デイリー・ニューズ紙』の見出しがこれだ。 オリオールズ相手に5回を8安打7失点。井川慶(ヤンキース)のメジャーデビューは散々だった。変化球が決まらず、苦し紛れに投げたストレートがことごとく打ち返された。
世間を騒がせている西武球団の利益供与問題。いわゆる「裏金」には2種類あると私は考える。ひとつは違法性の疑いの濃いもの。多額の“栄養費”などを選手側が税務申告しなかった場合、脱税の罪に問われる可能性がある。仮にキックバックを要求し、不正に懐に入れた者が球団内にいたら、それは背任にあたる。
スッタモンダの末に今秋のドラフトから裏金の温床とみなされてきた「希望枠」が撤廃されることになった。 多くのメディアは「一歩前進」と評していたが、果たしてそうか。下位チームから順番に指名する完全ウエーバー制を導入しない限り、不正は後を絶たないだろう。