第59回 再選が一転、疑心の4日天下(ゼップ・ブラッター)

 元ブラジル代表FWで、1994年アメリカW杯のMVPロマーリオは国際サッカー連盟(FIFA)をして「サッカー界の汚職の総本山」と呼ぶ。  ロマーリオといえば、現役時代は「悪童」のニックネームが示すように、何かとトラブルを引き起こすことで有名だったが、引退後は政治の道を志し、現在はブラジルの上院職員である。

華麗なW杯の裏でFIFA会長選の暗闇 <前編>

 再選からわずか4日での退陣表明だ。去る5月29日、国際サッカー連盟(FIFA)会長選で5期目の当選を果たしたゼップ・ブラッターだったが、その4日後に緊急会見を開き、辞意を表明した。FIFA幹部経験者が複数逮捕される贈収賄事件が明らかになり、ブラッター会長自身にも捜査の手が及ぶと言われている中での電撃辞任。しかし、FIFAの金銭をめぐる疑惑が浮上したのは今回が初めてではない。ブラッターが2選目を果たした2002年の会長選でも、それは起こった。当時の原稿で、なんでもありの権力闘争を振り返り、FIFAの闇に触れてみよう。

第694回 FIFAの醜聞「最後の伏魔殿」 〜ブラッター緊急辞任〜

 ディスクローズが大原則の国際機関や国際組織にあって、これほど透明性の悪い組織は近年、他に思い浮かばない。皮肉を込めて言えば、いっそのこと「最後の伏魔殿」として、ユネスコが定める「無形文化遺産」に登録を申請してみたらどうか。もちろん「負の遺産」として。

第693回 カープ、得失点差トップだけど最下位なんでだろう〜

 ♪なんでだろう〜、なんでだろう〜。日常生活の何気ない疑問を独特のギターのリズムに乗せて踊りながら問いかける「テツandトモ」を久しぶりにテレビで見かけた。赤いジャージの中本哲也と青いジャージの石澤智幸。出で立ちも芸風も昔のままだった。

サッカーの時間 田嶋幸三

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三副会長が、この4月、国際サッカー連盟(FIFA)理事に当選した。田嶋は4年前にも立候補したが、落選しており、2度目の挑戦で要職を勝ち取った。5月末のFIFA総会で正式に承認されれば、小倉純二JFA名誉会長以来、4人目の日本人FIFA理事となる。田嶋はこれまでアンダー世代の日本代表監督を歴任し、JFAの技術委員長を務めるなど、日本サッカーの強化・育成に尽力してきた。今後はFIFA理事として、アジアの競技力向上に意欲を見せる。田嶋が抱くビジョンを、13年前の原稿で振り返る。

第691回 “詐欺”や“偽計”もスポーツの一部

 ファイトマネーもケタ違いなら、損害賠償の請求額もケタ違いである。「世紀の対決」として注目を集めたフロイド・メイウェザーとの世界ウェルター級王座統一戦で1億ドル(約120億円)ものファイトマネーを手にしたマニー・パッキャオが、右肩の故障をネバダ州のアスレチック・コミッション(NAC)に報告しなかったことを理由に、試合後、2人の男性から500万ドル(約6億円)以上の損害賠償を求める訴訟を起こされた。

第690回 「浪花節」貫いた阿修羅原のプロレス人生

 長ドスを手にした高倉健が天龍源一郎なら、橋の袂で暗闇からニョッと現われる池部良が阿修羅原――。まるで映画『昭和残侠伝』のような入場シーンだった。1991年8月9日、SWS1周年記念興行。横浜アリーナでの“龍原砲”の2年9カ月ぶりの復活戦は未だに忘れられない。

第688回 「カウント2.9」闘病垣原に救いの手

<突然ですが、あまり良くないニュースがございます。自分の体に悪性リンパ腫が見つかり、来年から闘病生活を余儀なくされることになりました>。元プロレスラー垣原賢人からメールが入ったのは、街がにぎわう昨年のクリスマスのことだ。折り返し電話を入れ、病状を聞いた。

第579回 広島・菊池は現代の「忍者」だ!

「グラウンドにはゼニが落ちとる」  との名言で知られる南海の元監督・鶴岡一人が生きていたら、「守備だけでゼニが取れる選手やな」と目を丸くしたのではないか。  広島のセカンド菊池涼介の守備は、見ているだけで視線が痙攣する。名セカンドといえば、高木守道や土井正三、辻発彦、近年では荒木雅博(中日)や藤田一也(東北楽天)らの名前が思い浮かぶが、菊池のプレーは異次元である。

朝原宣治vs.井上悟――100メートル10秒の壁に挑む <前編>

“10秒の壁”は、ついに破られるのか。この3月、桐生祥秀が米国の大会で追い風参考ながら100メートル9秒87の好タイムを叩き出した。これまで数多の日本人スプリンターたちが挑んだものの、公認記録での9秒台にはまだ誰ひとり到達できていない。1998年に伊東浩司がマークした10秒00の日本記録は、約16年半も更新されぬままだ。初の9秒台へ、桐生に向けられる周囲の期待は大きい。かつて100メートルの日本記録を保持していた朝原宣治と井上悟も、“10秒の壁”に挑戦した日本人スプリンターである。2人の韋駄天の物語を、18年前の原稿で紹介しよう。

第687回 カネ事情が“異形”の野球大国キューバ

 米国とキューバが急ピッチで国交正常化を進めている。キューバといえば葉巻やラム酒ばかりでなく野球選手の宝庫でもある。今季開幕時、MLBのロースターに入った選手は18人。これはドミニカ共和国の83人、ベネズエラの65人に次ぐ。国交が正常化されれば、さらに増えることは間違いない。

第55回 世界で戦える「競歩」の星

 腰をくねらせながら前進する競歩は、見た目にはコミカルに映る。公園で練習していると、見知らぬジョガーに次々と抜き去られる。 「走って抜き返してやろうと思うこともありますよ」  ソウル五輪男子20キロ競歩代表の酒井浩文が、かつて、そう語っていたことを、ふと思い出した。

Back to TOP TOP