第48回 たる募金からカープ女子まで

「カープは“たる募金”から生まれた市民球団。そんなファンの善意が実って選ばれた賞。ただの流行ではなく、これからも続いていく。来年は絶対に優勝したい」  広島カープを熱烈に応援する女性ファンを表す「カープ女子」が、その年、話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」年間トップ10に選ばれた。  先のセリフは、授賞式での広島県出身のモデル大井智保子から発せられたものだ。

第46回 細部から進む「エディー革命」

 ニュージーランドの先住民族マオリ族の血を引く選手たちで構成されるラグビーチームを「マオリ・オールブラックス」と呼ぶ。世界6、7番目の実力を誇るといわれている。世界ランキング11位(試合前)の日本代表からすれば、間違いなく格上の相手だ。  このマオリ・オールブラックスをあと一歩のところまで追いつめたのだからエディー・ジャパンの進境は著しい。来年のイングランドW杯、そして5年後の日本W杯が楽しみになってきた。

第44回 上げ潮ゆえに大きい期待と覚悟(緒方孝市)

 成績が下降しているチームなら、大ナタを振るえばいい。新監督に求められる役割は簡単だ。  むしろ、カジ取りが難しいのは上げ潮ムードのチームを任されたケースだろう。前任者の路線を踏襲しながらも、自らの色を加えなければならない。ただ継承するだけなら新監督の意味はない。

第43回 土俵拡張論も上がる規格外の強さ(逸ノ城)

 掛け値なしのモンスターだ。横綱・白鵬が千代の富士と並ぶ歴代2位となる通算31回目の優勝を果たして幕を閉じた大相撲秋場所、もうひとりの主役はザンバラ髪の21歳だった。  新入幕ながら1横綱(鶴竜)、2大関(稀勢の里、豪栄道)を倒し、13勝2敗の好成績で殊勲賞と敢闘賞に輝いた逸ノ城である。

第42回 頂点は見えた。あと一歩はいつ(錦織圭)

 グランドスラム(全豪、全仏、全英、全米)でのシングルス制覇は、日本テニス界にとって悲願である。  全米オープン準決勝で世界ランキング11位(大会前時点)の錦織圭が同1位で5年連続決勝進出を狙ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6−4、1−6、7−6、6−3で撃破した瞬間、多くの者がトロフィーを抱く錦織の姿を想像したはずである。かくいう私もそのひとりだった。

第41回 「ストライカーはハンターだ。狙った獲物は一発で仕留めろ!」(デットマール・クラマー)

 上位進出が期待されたブラジルW杯、日本代表はグループリーグで敗退してしまいました。  あと一歩のところでゴールを割れないシーンを見て「釜本邦茂がいればなぁ……」とつぶやいたオールドファンは少なくなかったのではないでしょうか。

第39回 人間性と旺盛な野心で頂点に立つ(マヌエル・ノイアー)

 ブラジルW杯が開幕する前のことだ。元日本代表GKの小島伸幸に「GKにとって最も必要な条件は何か?」と質した。 「一番は人間性です」  意外な答えが返ってきた。 「GKは失点した場合、全部、それをひとりで背負い込なければならない。そこで他人のせいにしていたら、仲間から信頼されないんです。当然、仲間からの信頼がなければ、共同作業もできない……」

第38回 最強のチャレンジャーを迎える勇断(八重樫東)

 立場こそチャンピオンだが、実質的にはチャレンジャーと言っていい。下馬評は圧倒的に不利だ。  ボクシングWBC世界フライ級王者・八重樫東が4度目の防衛戦に迎える相手はWBA世界ミニマム級、同ライトフライ級元王者のローマン・ゴンサレス。9月5日、東京・代々木第二体育館で対戦することが決まった。

第37回 これぞ「決定力」のベストゴール(ティム・ケーヒル)

 ブラジルW杯・グループリーグにおけるベストゴールのひとつと言っていいだろう。決めたのはオーストラリア代表FWのティム・ケーヒルだ。  対オランダ戦。0対1で迎えた前半21分、DFライアン・マクゴーワンからの後方からのクロスに合わせ、ケーヒルは左足を鋭く振り抜いた。

第36回 秋田と世界の子供たちに勇気を(富樫勇樹)

 創設4年目でのファイナル進出の立役者は弱冠20歳、身長167センチのポイントガード(PG)富樫勇樹だった。  bjリーグ(日本プロバスケットボールリーグ)の2013−2014シーズンファイナルは琉球ゴールデンキングス(沖縄・ウエスタンカンファレンス王者)が秋田ノーザンハピネッツ(イースタンカンファレンス王者)を103対89で下し、2季ぶり3度目の優勝を果たした。

第35回 勝てる「日本らしさ」への努力(アルベルト・ザッケローニ監督)

 大久保嘉人、岡崎慎司、本田圭佑、香川真司、清武弘嗣、柿谷曜一朗、齋藤学、大迫勇也――。  人事はメッセージである。サッカーのブラジルW杯を戦う日本代表メンバー23人中、8人をFWとして登録したのは、標榜する攻撃サッカーを貫くとのアルベルト・ザッケローニ監督の毅然とした意思表示だろう。

第34回 上げ潮に乗って攻め上がる24歳(酒井宏樹)

 6月に開幕するブラジルでのサッカーW杯を「自分の成長を確かめる意味で楽しみ」と語る代表選手がいる。ドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)のハノーファー96でプレーするサイドバックの酒井宏樹だ。  酒井といえば185センチの長身をいかした右サイドからのダイナミックな攻め上がりが持ち味。ゴールに直結する“高速クロス”は日本代表の秘密兵器でもある。

第30回 五輪の借りは五輪でしか返せない(木崎良子)

 さる3月9日に行なわれた名古屋ウィメンズマラソン。35・7キロを過ぎたあたりで早川英里、田中智美から遅れ始めた時には、「日本人最先着」は無理かと思われた。  失速の理由は左太腿裏のしびれ。15キロ過ぎから異変を感じていたという。  しかし木崎良子は諦めなかった。懸命に追走し、40キロ手前で2人に追いつくと早川とのし烈な3位争いを制して、「最低限の目標」に掲げていた日本人トップでゴールに飛び込んだ。

第29回 「世界」と一対一で渡り合った人間力(青木功)

 日本を代表するゴルファーである青木功が、プレーヤー部門で「日本プロゴルフ殿堂」入りを果たした。  式典で71歳の青木は「私に引退はありません。引退しないことを、ここで宣言しますよ」と張りのある声で語った。 「自分にとってゴルフは天職。これしかないと決めているんです。だから、現役はいつまでと決めてしまったら寂しいですよ。いつか、ゴルフができなくなる時が必ず来る。その時に悔いが残らないよう、1日1日、1年1年を大切に過ごしていくつもりです」

第28回 日本に活を入れる異次元の華やぎ(ディエゴ・フォルラン)

 日本代表が初めて出場したワールドカップ――1998年フランス大会での日本の守りは海外のメディアからも高い評価を受けた。井原正己とともに最終ラインを統率したのが秋田豊である。  初戦のアルゼンチン戦ではエースストライカーのガブリエル・バティストゥータを徹底してマーク。世界屈指の点取り屋と堂々のマッチアップを演じた。

第26回 1000分の1秒を制した男

 スピードスケートの500メートルは、文字どおり1000分の1秒を争う究極のタイムレースである。距離にすると1・5センチ程度だ。  スタートの出遅れは、そのまま致命傷となる。  1998年長野五輪金メダリスト、02年ソルトレイクシティ五輪銀メダリストの清水宏保ほどスタートにこだわった選手を、私は他に知らない。

第24回 「諦めない」それがミラクルの条件(佐藤寿人)

 残り2試合で、首位・横浜F・マリノスとの勝ち点は5差。横浜はひとつでも勝てば優勝だったのに対し、3位・広島は負けはもちろん、引き分けすらひとつも許されないという過酷な状況。これを引っくり返しての優勝だからミラクルと言っていいだろう。

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