杉浦大介
「大半の読者はほとんどブルックリン・ネッツに興味がない。ネッツには好選手はいるけど、一般の関心を呼べるスターがいない。唯一面白いのはケビン・ガーネットくらいだが、最近はあまりメディアと話さないからね」 NBAの2014-15シーズンが始まって約1カ月の11月下旬のこと――。ネッツの報道を減らす方向だというある大手メディアの記者が、筆者にそう語ってくれた。その彼は、同じニューヨーク市内でも比べものにならないほどに話題豊富なニックスの番記者に転向するという。
NBAの2014-15シーズンが開幕し、もうすぐ1カ月――。今年も多くの実力派チーム、フレッシュな新鋭チームが台頭し、全世界のファンを喜ばせている。 中でも最高級の注目チームを選ぶなら、イースタン・カンファレンスではクリーブランド・キャバリアーズ(以下・キャブズ)、ウェスタン・カンファレンスではサンアントニオ・スパーズだろう。今回はこの2つのパワーハウスの可能性を探りながら、今シーズンのNBA全体の行方も占っていきたい。
大舞台で2度の指名戦をクリアしたこの半年間において、実績だけを考えれば、WBO世界バンタム級王者・亀田和毅はすでにアメリカで最も成功した日本人ボクサーになったと言ってよい。 7月12日にはラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで、元WBO世界バンタム級王者、当時同級1位だったプンルアン・ソー・シンユー(タイ)に7ラウンド1分35秒でTKO勝利。11月1日には、シカゴで暫定王者のアレハンドロ・ヘルナンデス(メキシコ)に2−1ながら明白な判定勝ちを収めた。
17連続KO勝利を続けるWBA世界ミドル級王者、ゲンナディ・ゴロフキンがリングに戻って来る。10月18日、ロスアンジェルス郊外のホームデポセンターで対するのはWBC世界ミドル級暫定王者のマルコ・アントニオ・ルビオ。カザフスタンの怪物パンチャーにとって、これが12度目の防衛戦となる。
2014年のMLBも大詰めに差しかかり、今週から全米各地でプレーオフが始まっている。ヤンキース、レッドソックス、ブレーブスという伝統チームが揃って出場しないポストシーズンは1989年以来。本命不在の大混戦模様だ。 9月30日に行なわれたアメリカン・リーグのワイルドカードゲームではロイヤルズとアスレチックスが延長12回にもつれ込む死闘を演じ(ロイヤルズがサヨナラ勝ち)、いきなり全米のベースボールファンを堪能させた。今後もこのような大接戦が続きそうな中、覇権に最も近い位置にいるのはどのチームか。今回は世界一の本命、対抗馬、穴を選び、その行方を占ってみた。
今年5月以来のダイレクト・リマッチとなった9月13日のマルコス・マイダナ戦で、無敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザーは3−0の判定勝ちを飾った。勝敗自体は文句のないもの。ただ、そのパフォーマンスに全盛期の輝きを見なかったファンは少なくないのではないか。 デヴュー以来無敗の47連勝(26KO)を続けてきたスピードスターも、いつの間にか37歳。現役生活の終盤に差し掛かっていることは間違いなく、衰えも少なからず感じられるようになってきた。今後は1戦1戦で、これまで以上の苦戦を余儀なくされても不思議はない。
「余計なことを考えず、頭にあるのはヒットを打つことだけ。ただ、打てる球が来たらスイングする。僕のアプローチはキャリアを通じていつも同じで、投手によって変えたりはしないんだ。ただ……もしかしたら変えるべきときもあったのかもしれないけどね(笑)」 9月上旬、今季限りでの引退を発表しているデレク・ジーターに、ある日本人投手の攻略法について訊いたときのこと。そんな答えを返してくれたジーターの爽やかな表情が忘れられない。
「ブルペンでの状態は良かった。90マイル台前半から中盤くらいまではラクに投げられるように感じたよ。まだやるべきことは残っているけど、少しでも早く復帰したいという気持ちに変わりはない」 8月14日、ESPNラジオのインタヴューに応えたマット・ハービーのそんな言葉を聴いて、来季への希望を膨らませたメッツファンは多かったはずだ。
9月13日 ラスベガス/MGMグランドガーデン・アリーナ WBA・WBC世界ウェルター級、スーパーウェルター級王者 (アメリカ/46戦全勝(26KO)) vs. 元WBA世界スーパーライト級、ウェルター級王者 (アルゼンチン/35勝(31KO)4敗) 「再戦も良いじゃないか。ファンが望む試合をこなしていきたいんだ。みんながメイウェザー対マイダナの第2戦を観たいなら、それをお届けするまでさ」 ニューヨークで行なわれたキックオフ会見の際、無敗の5階級制覇王者、メイウェザーはそう語っていた。
7月11日、NBAに、いや米スポーツ界全体に衝撃が走った。マイアミ・ヒートとの契約をオプトアウトしてFAになっていたレブロン・ジェームスが、「スポーツ・イラストレイテッド」誌の電子版で手記をリリースした。オハイオ州アクロン出身のレブロンにとって地元チームであるクリーブランド・キャバリアーズ(以下、キャブズ)への復帰を、そこで表明したのである。
【サイ・ヤング賞】 ア・リーグ (マリナーズ/10勝2敗、防御率2.10) 次点 (ヤンキース/11勝3敗、同2.10) 7月3日の登板前時点ではヘルナンデスと田中はどちらも防御率2.10で、勝ち星では田中が1つ上回っている。しかし、投球回、奪三振、WHIP、被打率などではすべて“キング・フェリックス”が上だけに、そちらの方に軍配を上げるべきだろう。特に被本塁打では田中が13本、ヘルナンデスが4本と差がついており、本拠地とするスタジアムのサイズを考慮しても、内容的にはマリナーズのエースがやや上である。
昨今の米ボクシング界で最大のニュースといえば、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(以下/GBP)のリチャード・シェイファー氏が6月2日にCEO職の辞任を発表したことである。 シェイファー離脱の原因は、GBPの創始者であるオスカー・デラホーヤと仲違いしたこと。5月3日のフロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナ戦の前にラスベガスで会見を行なったデラホーヤは、その場でシェイファーとの間に問題があることをすでに認めていた。それゆえに、今回の発表は業界内の誰にとっても驚きではなかった。
「神様、仏様、田中様……」 日本風に言えば、ヤンキースファンはそう手を合わせて拝みたい気分だったかもしれない。 4連敗中だったヤンキースの“最後の砦”として6月5日に先発マウンドに上がった田中将大は、ア・リーグ西地区の首位を独走するアスレチックス相手に6回を5安打1失点。これで9勝目を飾るとともに、12試合連続クォリティスタート、防御率2.02も依然としてリーグ1位と、その勢いは止まるところを知らない。5月のア・リーグ月間最優秀投手選出も当然で、現時点で新人王、サイ・ヤング賞の有力候補であると言ってよい。
5月24日 カナダ・モントリオール ベルセンター スーパーウェルター級10回戦 WBO世界スーパーウェルター級6位 (アメリカ/23戦全勝(11KO)) vs. WBO世界スーパーウェルター級9位 (アメリカ、日本/24勝(16KO)1敗1分) ニューヨーク生まれの元日本&東洋太平洋スーパーウェルター級王者、チャーリー太田の“キャリア最大の一戦”が間近に迫っている。
5月3日 ラスベガス MGMグランドガーデン・アリーナ WBC世界ウェルター級王者 (アメリカ/45戦全勝(26KO)) vs. WBA世界ウェルター級王者 (アルゼンチン/35勝(31KO)3敗) “現役最強王者”フロイド・メイウェザーの試合前の“ファイトウィーク” (種々のイベントが催されるビッグファイト前の1週間)が、これほど盛り上がりに欠けることは珍しい。
(第2シード/54勝28敗) 怪物レブロン・ジェームスとヒートの“歴史との戦い”がスタートする。今季も激戦を勝ち抜いて“スリーピート(3連覇の意味。スリーとリピートを合わせた造語)”を達成すれば、「史上最高の選手になりたい」と目標を語るレブロンのレジュメに大きな勲章が新たに加わることになる。
4月12日 ラスベガス MGMグランドガーデン・アリーナ WBO世界ウェルター級タイトルマッチ (アメリカ/31勝(12KO)無敗1無効試合) vs. (フィリピン/55勝(38KO)5敗2分) 「マニーは飢餓感を失った。もう取り戻せないよ。キラー・インスティンクト(負けん気)を失ってしまったんだ」 3月中にHBOが放送したビッグファイトのプレヴュー番組内で、ブラッドリーがパッキャオに向かってそう語りかけたシーンが話題を呼んだ。
「今季の私たちにはシーズン90勝を挙げる力がある」 2月下旬、メッツのサンディ・アルダーソンGMがチーム上層部にそう伝えたと地元メディアが報道し、ニューヨークでは話題になった。 総額5億ドル近くを投入し、田中将大、カルロス・ベルトランらを獲得する大補強を展開したヤンキースではない。過去5年連続で負け越し、90勝以上を挙げたことなど2007年以降は一度もないメッツの話である。
「準備はできているよ。さあ、始めよう」 そんな言葉とともに、ジェイソン・コリンズはNBAに戻ってきた。 昨年4月、「スポーツ・イラストレイテッド」誌上でゲイであることを告白したコリンズは、2月23日、ブルックリン・ネッツと10日間契約を締結。NBA史上初めて同性愛を告白した現役選手となり、以降はプレーオフを目指すチームの一員としてプレーし続けている。
2013年末、アメリカ国内のさまざまな媒体がボクシングの年間賞を制定する際、決まって名前が挙げられた日本人ボクサーがいる。八王子中屋ジムの荒川仁人である。 昨年7月27日に行なわれた荒川対オマー・フィゲロア戦(WBC 世界ライト級暫定王座決定戦)は稀に見る大激闘(フィゲロアが判定勝ち)となり、2013年の年間最高試合候補のひとつとして特筆され続けることになった。
「もう2月なのだから、より安定したプレーを続ける必要がある。これまでも良いゲームはあったけど、安定感がなかったことが自分としては気に入らなかった。そろそろ一丸となってペースを上げていく時期だよ」 2月1日のニューヨーク・ニックス戦に106−91で圧勝を飾った直後――。レブロン・ジェームスが残したそんなコメントが、王者マイアミ・ヒートの現状を分かりやすく物語っていた。
ヤンキースの“A・ロッド”ことアレックス・ロドリゲスが、再びネガティブな形で全米の注目を集めている。 昨年、薬物問題でMLBから今季終了まで211試合の出場停止処分を受けるも、その後に異議申し立てを表明。しかし、1月11日に仲裁人より発表された審議結果は、彼にとって好ましいものではなかった。
マニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザー、ノニト・ドネアという3人の人気ボクサーが、2014年上半期にビッグファイトに臨むことが確実となっている。まだ対戦相手は未定だが、4〜5月に彼らが次々とアメリカのリングに登場することになりそうなのだ。
“悪の帝国”の復活――。今オフのヤンキースの補強策を一見して、そんな風に感じる人も中にはいるかもしれない。 FA戦線解禁後に、ジャコビー・エルスベリー、ブライアン・マッキャン、カルロス・ベルトランを次々と獲得。自前のFA選手だった黒田博樹と再契約し、デレック・ジーターとも金額を上積みした上で1年契約を結び直した。
「今季はニューヨークのバスケットボール界がこれまでにないほどに盛り上がるシーズンになるかもしれないな……」 2013-14シーズン開幕前、地元の記者仲間とそんな話をしたのが、今ではもう遠い昔のことのように感じられる。