大野俊三

第31回 W杯上位進出のカギはボランチ!

 28日に行なわれた南アフリカW杯アジア最終予選バーレーン戦は、日本が終始ボールを持ち続け、試合の主導権を握りました。しかし、ゴール前でシュートを放つ場面は多く見られませんでした。本数だけを見れば前半に8本、後半に6本のシュートを放っていますが、惜しいと思える場面も少なく、ほとんど枠に行きませんでしたね。中村俊輔(セルティック)のフリーキックが1本入ったために、勝ち点3を収めましたが、バーレーンからすれば日本の攻撃はそれほど怖くなかったのではないでしょうか。

第28回 「鹿島、連覇の理由」

 一年通して大混戦だったJリーグ2008シーズン。終盤に3連勝を収めた鹿島アントラーズが見事に連覇を果たしました。2シーズン続けての優勝は00、01年以来になりますね。昨年の優勝でつけた自信が戦いぶりに表れた印象があります。開幕当初は小笠原満男、本山雅志といった経験豊富な選手たちがきっちりと仕事をしました。そこに若い選手たちが勢いをつけ、混戦から抜け出しました。

第27回 「寺田、不安説を一蹴」

 W杯最終予選第3戦は、敵地できっちりと勝ち点3を奪うことに成功しました。負傷者も多くアウェーでは苦戦も予想されていましたが、終わってみれば3−0の完勝。岡田武史監督のコンセプトが徐々に浸透してきたようです。カタール戦は楢崎正剛(名古屋)、中澤佑二(横浜FM)といった、これまでチームの中核を担ってきた選手が欠場しました。そのような状況の中、チーム全体がどのように動くかが注目すべきポイントでした。

第26回 「闘莉王よ、まず自分の仕事をしろ!」

 W杯最終予選で、容易に勝ち点3を挙げることのできる相手はいないでしょう。だからといって、10月15日に行われたウズベキスタン戦のような戦い方をしてはいけません。岡田武史監督が試合後に指摘していたとおり、「相手が積極的にボールを奪いにきたことで臆病になって」いました。試合開始から選手たちには、もっと果敢に攻めの姿勢をみせてほしかったです。

第25回 「2失点で見えた日本代表の問題点」

 南アフリカW杯アジア最終予選がついにスタートしました。アウェーで行われたバーレーン戦は勝利という結果を収めることができました。結果だけをみれば、最終予選の初戦としては上々でしょう。しかし、この試合で日本代表に内在する問題点が浮き彫りになったと感じました。

第23回 「五輪で勝ち抜くために必要なSUBの力」

 いよいよ、北京五輪が始まりますね。日本代表はオリンピック前の壮行試合を終え、1勝1敗でした。五輪本番にも出場してくる2カ国との対戦ということもあり、相手チームも本番前の調整という意味合いが大きかったと思います。この2試合には日本代表の収穫と課題が見えました。

第21回 「日本に五輪OA枠は不要!」

 北京五輪まであと70日を切り、そろそろオーバーエイジ枠について考えなければならいない時期になりました。私は率直に言って、オーバーエイジ枠は使わないほうがいいと思います。確かに経験豊富なベテランが入ることによって、チームに安定感が出てくるというメリットはあります。しかし、この機会こそ若手にチャンスを与えたり、国際舞台での経験を積ませるべきでしょう。若手が国際舞台での経験を積むことは、ひいてはA代表の裾野の拡大につながります。もちろん、勝負にこだわらなければいけない部分もありますが、まずは、U-23代表の選手たちでどう戦うかを詰めていってほしいですね。

第20回 「岡田カラーが見えた代表合宿」

 4月17日、5月のキリンチャレンジカップ、6月のW杯アジア最終予選に向けた日本代表のトレーニングメンバーが発表されました。今回、代表初召集が6人、岡田ジャパンとしては初招集5人と11選手が新たにメンバーに加わりましたね。今後も、新しい選手はさらに増えていくでしょう。継続的にチームに残って牽引役となっている選手には、新しく加わったメンバーにいろいろなことを伝えていってほしいですね。

第17回 「坪井の体重移動を見ていたカカ」

 世界との差は大きいと痛感させられましたね。12月13日に行なわれたクラブW杯の準決勝、日本の浦和レッズはミラン(イタリア)と戦い、0−1で敗れました。結果こそ1点差でしたが、内容的には完敗です。日本のクラブはJリーグ発足以来、レベルが飛躍的に上がっているのは事実ですが、まだまだ世界基準に達していないことがよくわかりました。

第16回「鹿島好調の理由は小笠原にあり!」

 この1ヶ月で日本サッカー界は大きく動きました。まずは残念なニュースからいきましょう。日本代表のイビチャ・オシム監督が16日未明に急性脳梗塞で倒れました。私は、就任当初から高齢であることが気にかかっていました。ニュースを耳にした時は、「とうとう、そういう時期がきてしまったのか」と思いましたね。代表監督という結果を求められる立場でメディアから大きなプレッシャーがかかっていたのでしょう。

第15回 「ワシントンに頼らない浦和レッズ」

 浦和レッズ、おめでとう! 10月24日、浦和がAFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦で韓国の城南一和をPK戦の末に破り、日本のクラブとして初の決勝進出を果たしました。まだアジアの頂点に立ったわけではありませんが、激闘を制しての決勝進出は日本サッカーにとって本当に価値のあることだと思います。

第14回 欧州遠征、気迫を見せたオシムジャパン

 9月初旬に行われた3大陸トーナメント大会、日本代表はホスト国のスイス、オーストリアを抑えて、優勝を果たしました。7日のオーストリア戦はPK戦の末に敗れたものの、11日のスイス戦は4−3で逆転勝ち。最後まで集中力の切れないプレーが印象的でしたね。

第12回 「アジア杯、怖くなかった日本」

 アジアカップはイラクの優勝で幕を閉じました。残念なことに日本は準決勝敗退に終わり、3連覇を達成することはできませんでした。何より痛かったのは、優勝を逃してコンフェデカップへの出場権を獲れなかったことです。コンフェデはワールドカップ前に強豪国と対戦できる貴重な真剣勝負の場ですし、開催国の南アフリカを肌で感じることができる絶好の機会ですからね。

第9回 「相手の心理の逆を突いた水野」 〜北京五輪最終予選〜

 18日、U-22日本代表がU-22シリア代表を2−0で下して北京五輪アジア最終予選進出を決めました。中東でのアウェー戦は何が起こるかわからないですから、その中で結果を出したことは評価されていいと思います。まずはおめでとうと言いたいですね。

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