大野俊三
28日に行なわれた南アフリカW杯アジア最終予選バーレーン戦は、日本が終始ボールを持ち続け、試合の主導権を握りました。しかし、ゴール前でシュートを放つ場面は多く見られませんでした。本数だけを見れば前半に8本、後半に6本のシュートを放っていますが、惜しいと思える場面も少なく、ほとんど枠に行きませんでしたね。中村俊輔(セルティック)のフリーキックが1本入ったために、勝ち点3を収めましたが、バーレーンからすれば日本の攻撃はそれほど怖くなかったのではないでしょうか。
11日の南アW杯アジア最終予選オーストラリア戦は日本にとって必ず勝たなければいけない試合でした。みなさんご存知の通り、結果は0−0の引き分け。岡田ジャパンはホームで勝ち点3を手にすることはできませんでした。
アジアカップ予選の2試合を通じて、代表チームには共通の理解がなかったように見受けられました。海外組が合流せず若手主体で臨んだとはいえ、チームの完成度は低かった。岡田ジャパンは南アフリカへの勝負の年、不安の残るスタートを切ってしまいました。
一年通して大混戦だったJリーグ2008シーズン。終盤に3連勝を収めた鹿島アントラーズが見事に連覇を果たしました。2シーズン続けての優勝は00、01年以来になりますね。昨年の優勝でつけた自信が戦いぶりに表れた印象があります。開幕当初は小笠原満男、本山雅志といった経験豊富な選手たちがきっちりと仕事をしました。そこに若い選手たちが勢いをつけ、混戦から抜け出しました。
W杯最終予選第3戦は、敵地できっちりと勝ち点3を奪うことに成功しました。負傷者も多くアウェーでは苦戦も予想されていましたが、終わってみれば3−0の完勝。岡田武史監督のコンセプトが徐々に浸透してきたようです。カタール戦は楢崎正剛(名古屋)、中澤佑二(横浜FM)といった、これまでチームの中核を担ってきた選手が欠場しました。そのような状況の中、チーム全体がどのように動くかが注目すべきポイントでした。
W杯最終予選で、容易に勝ち点3を挙げることのできる相手はいないでしょう。だからといって、10月15日に行われたウズベキスタン戦のような戦い方をしてはいけません。岡田武史監督が試合後に指摘していたとおり、「相手が積極的にボールを奪いにきたことで臆病になって」いました。試合開始から選手たちには、もっと果敢に攻めの姿勢をみせてほしかったです。
南アフリカW杯アジア最終予選がついにスタートしました。アウェーで行われたバーレーン戦は勝利という結果を収めることができました。結果だけをみれば、最終予選の初戦としては上々でしょう。しかし、この試合で日本代表に内在する問題点が浮き彫りになったと感じました。
グループリーグ初戦のアメリカ戦は、惜しい形の失点で試合を落としました。後半開始直後、一瞬の判断ミスからDFにズレが生じ、そのスキを突かれるという、国際大会で犯してはいけない失敗をしてしまいました。
いよいよ、北京五輪が始まりますね。日本代表はオリンピック前の壮行試合を終え、1勝1敗でした。五輪本番にも出場してくる2カ国との対戦ということもあり、相手チームも本番前の調整という意味合いが大きかったと思います。この2試合には日本代表の収穫と課題が見えました。
W杯のアジア3次予選、ご存知の通り、日本は最終のバーレーン戦に勝利し、グループ1位通過を決めました。6月の4試合の戦いを一言で表現するなら「岡田流が出てきた」。これに尽きるでしょう。
北京五輪まであと70日を切り、そろそろオーバーエイジ枠について考えなければならいない時期になりました。私は率直に言って、オーバーエイジ枠は使わないほうがいいと思います。確かに経験豊富なベテランが入ることによって、チームに安定感が出てくるというメリットはあります。しかし、この機会こそ若手にチャンスを与えたり、国際舞台での経験を積ませるべきでしょう。若手が国際舞台での経験を積むことは、ひいてはA代表の裾野の拡大につながります。もちろん、勝負にこだわらなければいけない部分もありますが、まずは、U-23代表の選手たちでどう戦うかを詰めていってほしいですね。
4月17日、5月のキリンチャレンジカップ、6月のW杯アジア最終予選に向けた日本代表のトレーニングメンバーが発表されました。今回、代表初召集が6人、岡田ジャパンとしては初招集5人と11選手が新たにメンバーに加わりましたね。今後も、新しい選手はさらに増えていくでしょう。継続的にチームに残って牽引役となっている選手には、新しく加わったメンバーにいろいろなことを伝えていってほしいですね。
グループ首位をかけた大一番で、受けて立ってしまいましたね。3月26日、日本代表は南アフリカW杯アジア地区3次予選第2戦でバーレーン代表に敗れ、グループ2位に転落しました。どうして、もっとアグレッシブに戦うことができなかったのか。非常に残念ですね。
決して満足できない結果でしたね。中国の重慶で行われた東アジア選手権、日本は1勝2分けの2位で大会初優勝を逃しました。十分に優勝するチャンスがあっただけに、タイトルを獲れなかったことは本当に残念でした。
1月26日、日本代表は岡田武史監督が就任して初の国際親善試合でチリと戦い、スコアレスで引き分けました。日本の方がチャンスを多くつくっていたし、勝てない相手ではなかった。それだけに残念な結果でしたね。
世界との差は大きいと痛感させられましたね。12月13日に行なわれたクラブW杯の準決勝、日本の浦和レッズはミラン(イタリア)と戦い、0−1で敗れました。結果こそ1点差でしたが、内容的には完敗です。日本のクラブはJリーグ発足以来、レベルが飛躍的に上がっているのは事実ですが、まだまだ世界基準に達していないことがよくわかりました。
この1ヶ月で日本サッカー界は大きく動きました。まずは残念なニュースからいきましょう。日本代表のイビチャ・オシム監督が16日未明に急性脳梗塞で倒れました。私は、就任当初から高齢であることが気にかかっていました。ニュースを耳にした時は、「とうとう、そういう時期がきてしまったのか」と思いましたね。代表監督という結果を求められる立場でメディアから大きなプレッシャーがかかっていたのでしょう。
浦和レッズ、おめでとう! 10月24日、浦和がAFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦で韓国の城南一和をPK戦の末に破り、日本のクラブとして初の決勝進出を果たしました。まだアジアの頂点に立ったわけではありませんが、激闘を制しての決勝進出は日本サッカーにとって本当に価値のあることだと思います。
9月初旬に行われた3大陸トーナメント大会、日本代表はホスト国のスイス、オーストリアを抑えて、優勝を果たしました。7日のオーストリア戦はPK戦の末に敗れたものの、11日のスイス戦は4−3で逆転勝ち。最後まで集中力の切れないプレーが印象的でしたね。
8月22日、カメルーンを迎えて、アジアカップ後初となる日本代表戦が行なわれました。結果は2−0で日本代表が勝利しましたが、内容ではカメルーンのスピード、テクニック、フィジカルの強さの前に随分苦労した印象を受けました。
アジアカップはイラクの優勝で幕を閉じました。残念なことに日本は準決勝敗退に終わり、3連覇を達成することはできませんでした。何より痛かったのは、優勝を逃してコンフェデカップへの出場権を獲れなかったことです。コンフェデはワールドカップ前に強豪国と対戦できる貴重な真剣勝負の場ですし、開催国の南アフリカを肌で感じることができる絶好の機会ですからね。
日本代表が3連覇を目指すアジアカップが間もなく始まります。オシム監督にとっては代表監督就任後初のビッグタイトルだけに結果が問われる大会になりそうです。オシム監督自身も「内容か結果かで言えば、結果を重視する」と言いきっていますからね。
Jリーグは相変らずガンバ大阪が好調を維持しています。13節終了時点で2位の浦和レッズに勝ち点差4、3位の川崎フロンターレに勝ち点差6をつけて首位を快走していますね。ガンバの強さは、その総合力にあります。
18日、U-22日本代表がU-22シリア代表を2−0で下して北京五輪アジア最終予選進出を決めました。中東でのアウェー戦は何が起こるかわからないですから、その中で結果を出したことは評価されていいと思います。まずはおめでとうと言いたいですね。