第454回 CS狙える戦力底上げに貢献した眼力 広島・エリック・シュールストロム駐米スカウト

 開幕前には下馬評の低かったカープが、曲がりなりにもクライマックスシリーズ進出争いに加わっていられるのは、青い目のスカウトのおかげだろう。  エリック・シュールストロム。カープファンでも、その存在を知る者は少ない。辣腕の駐米スカウトだ。

第499回 少年少女よ「小石」にスポーツを学べ

 外で遊ぶ子供が減っているという報告がある。確かに昨今、相撲をとるどころかキャッチボールをする子供にも、とんとお目にかかれなくなった。「三丁目の夕日」の世界は遠のくばかりだ。  そもそも「SPORT」の語源は気晴らしや楽しみ、遊びである。電車の中で携帯電話やゲームに没頭している子供を見ると、「もっと体を動かそうよ」とつい、お節介を焼きたくなる。

ベテランの気概 木村和司

“ミスターマリノス”が、名門復活へ着実に成果をあげつつある。Jリーグの横浜F・マリノスで指揮を執る木村和司は、現役時代、司令塔として活躍し、“ミスターマリノス”と呼ばれた名プレーヤーだ。FKの名手として知られ、日本代表で歴代5位の26得点をあげた。94年に現役を引退、サッカー解説者などを経て、昨年、低迷する古巣マリノスの監督に就任した。2年目の今季は首位の名古屋に勝ち点差3の4位(8月19日現在)につけ、7季ぶりの優勝を目指す。  日本サッカーの低迷期を支えた木村のプロフェッショナリズムを、Jリーグが誕生する前年の原稿で振り返ろう。

第452回 沢村栄治と笹崎僙――球界と拳闘界のスターの戦時下の振る舞い

 戦時下、スポーツ選手は何を考え、どう振る舞っていたのか。  それを取材しているうちに、文藝春秋の編集者から興味深い資料を提供してもらった。  タイトルは<帰還二勇士 戦争とスポーツを語る>。これは『オール読物』の1940年9月号に掲載されたものだ。 「帰還二勇士」とは当時、巨人のエースだった沢村栄治と「槍の笹崎」の異名をとったプロボクシング界のヒーロー笹崎僙のことだ。

草莽の教育者 渡辺元智

 横浜高校の渡辺元智といえば、春夏含めて5度の甲子園優勝を誇る高校球界の名監督である。1968年に同校の監督に就任すると、今夏の選手権を含めて25度の甲子園出場に導き、積み上げた勝利数は歴代4位の47にものぼる。渡辺は約半世紀にも及ぶ指導者生活のなかで、“スパルタ”から“対話型”へと、時代に合った指導法を柔軟に取り入れた。そして、松坂大輔(ボストン・レッドソックス)、成瀬善久(千葉ロッテ)、涌井秀章(埼玉西武)など球界を代表するプロ選手たちを輩出したのだ。  名指導者の教育論を、20年前の原稿で辿ってみよう。

第450回 「飛ばないボール」は攻略できるか!?

 中日やロッテなどで主にクローザーとして活躍し、横浜の監督も務めた牛島和彦から、かつてこんな話を聞いたことがある。彼がロッテ時代の出来事。 「南海戦で打者は門田博光さん。僕のフォークボールを読んだ門田さん、いきなり歩き出し、落ちる前を狙い打った。結果はホームラン。これにはびっくりしました」  フォークボールの落ち際をとらえるのは至難の業だ。だったら、落ちる前にしばき上げよう――。門田は、そう考えたのである。驚異的なスイングスピードが、劇画のようなシーンを可能にしたのであろう。

第449回 元・名選手に偏る監督人事に一石 ヤクルト・小川淳司監督

 かつて沢村賞はセ・リーグのピッチャーのみに与えられた。賞に名をとどめる沢村栄治が巨人の所属選手だったからだ。  パ・リーグのピッチャーでも受賞できるようになったのは89年からだ。今季の開幕前、東北楽天の田中将大が「沢村賞を目指す」と公言したのは記憶に新しい。  ところが、こちらの賞は今でもセパで一致を見ていない。  パの監督に贈られる最高の賞が「優勝監督賞」であるのに対し、セは「最優秀監督賞」なのだ。

第494回 なでしこが五輪招致活動の「顔」に

 乾坤一擲とは、こういうことを言うのだろう。1−2で迎えた延長後半12分だ。キャプテンマークを付けた澤穂希が宮間あやの左コーナーキックに飛び込んだ。ニアサイドの死角。右足のアウトに引っかけた。ボールはゴール前にいたアビー・ワンバックをかすめ、ゴールネットを揺らした。値千金の同点ゴール。その瞬間、隣近所から一斉に拍手が巻き起こった。時刻は朝の6時過ぎ。皆、息を潜めて、この瞬間を待っていたのだ。

「MJを超えろ!」 シャキール・オニール

 NBAで一時代を築いたシャキール・オニールが今季限りで引退した。2mをはるかに超える恵まれた体格を生かし、92年にプロ入り。オーランド・マジックから96年に名門ロサンゼルス・レーカーズへ移籍すると、99-00シーズンからのファイナル3連覇に貢献。その後4球団を渡り歩いた。19シーズンの現役生活で積み上げた得点は28596点にものぼる。これはマイケル・ジョーダン、ウィルト・チェンバレンら名だたるスーパースターに次ぐ歴代5位の記録だ。  豪快なダンクでファンを魅了したシャックのプレースタイルを、02年の原稿で振り返ろう。

第492回 王者・下田、「天才肌」から「天才」に

「言葉使いが全く変わった。入ってきた頃と比べると、別人みたいですよ」。最近、2人のスポーツ選手について、別の関係者から同じ感想を聞いた。ひとりがプロ野球、北海道日本ハムの若き主砲・中田翔。そして、もうひとりがこれから紹介するボクシングのWBA世界スーパーバンタム級王者・下田昭文である。

ザ・ストッパー 守護神たちの気概<後編>

「先発完投こそが、ピッチャーの本来あるべき姿」  それがジャイアンツ・藤田監督のピッチャー観であることは、これまでにひとりのストッパーもつくらなかったことで証明されていた。ところが、自らの哲学を覆すかのように今シーズン、初めてひとりのストッパーを育て上げた。それがGの新守護神・石毛博史である。

第491回 万死に値 ドジャースオーナーの球団私物化

 誰もがトップの座を降りて欲しいと願っているのだが、当の本人には全くその気がない。厚顔無恥。全く困った御仁である。  どこかの国の首相のことを言っているのではない。海の向こう、米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースのオーナー、フランク・マッコートのことである。

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