二宮清純
2025年がスタートした。今年は戦後80年の節目の年にあたる。さらには「昭和100年」を迎えるということもあり、いくつかの雑誌から「昭和の名勝負」と題した特集の執筆依頼を受けた。 私事で恐縮だが、この2 […]
昨年、映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんから話を聞く機会があった。「字幕は一画面に最大2行。それも1秒に出せる字数は3~4字。制約がある中、どうやって観客の皆様に映像を楽しんでもらうか。私たちは原文を直訳しているわけではな […]
<この原稿は2013年8月号の『小説宝石』(光文社)に掲載されたものです> 現役時代、“ミスター・タイガース”と呼ばれ、甲子園球場で絶大な人気を誇った掛布雅之を「脇役」として取り上げることには少々、ためらいが […]
あれ以上の試合を望むファンがいたとしたら、それはグリード(欲張り)だろう。2022年のボクシング年間最高試合に、昨年4月9日に行われたWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太対IBF同級王者ゲンナジー・ゴロフキン戦が選 […]
シンクロニー現象という心理学用語がある。相手に好意を持ったり、敬意を抱いたりすると、知らず知らずのうちに所作や行動が似てくる傾向のことを言う。 スポーツの現場においても、シンクロニー現象の発生は、古くから確 […]
走りのスペシャリストとして鳴らした元広島・今井譲二の名前を、ちらほら目にするようになったのは、東京ヤクルト・村上宗隆がブレークした2019 年のシーズンに入ってからだと記憶している。入団2年目のこの年、36 本塁打をマ […]
現役時代、“燃える闘魂“と呼ばれたアントニオ猪木さん。記憶に残る名勝負をひとつ挙げろと言われれば、1976 年6月26 日、東京・日本武道館で行われたモハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」にとどめを刺す。私は高校2年 […]
「バントの神様」と呼ばれ、現在も犠打の世界記録を保持する川相昌弘さん。現役時代は堅実かつ華麗な守備でも多くのファンを魅了した。当HP編集長・二宮清純との対談では、その野球論・技術論が惜しみなく披露される。 二宮 […]
チーム解散に待ったをかけたのが初代監督の石本秀一である。石本は県内に後援会組織をつくり、募金の領収書代わり広島野球倶楽部の株券を発行した。本拠地・広島総合球場前に酒樽を設置すると、400万円もの大金が集まった。これが世 […]
ワンチームとオールジャパン。18日に都内で行われた橋本聖子組織委会長の就任会見。彼女は先の二つの言葉に力を込めた。 まずワンチームだが、これは組織委に向けられたものだろう。内閣総理大臣まで務めた森喜朗前会長 […]
白鵬、鶴竜の両横綱を含む19人の力士(十両以上)が休場した大相撲1月場所は、西前頭筆頭・大栄翔の初優勝(13勝2敗)で幕を閉じた。 平幕優勝は昨年7月場所の照ノ富士以来、3場所ぶり。 ちなみに2 […]
2011年5月から約1年間、文藝春秋にて「プロ野球伝説の検証」という読み物を連載し、『プロ野球「衝撃の昭和史」』と改題して新書(文春新書)にまとめた。 これは、これまでの仕事の中でも、最も楽しいもののひとつであった。 […]
日本に初めてプロ野球球団『大日本東京野球倶楽部』が創設されたのは1934年12月26日のことだ。メジャーリーグ選抜チームを迎え討つための全日本代表チームが母体となっていた。旗振り役となったのが読売新聞社社長の正力松太郎 […]
パンデミックの収束が見通せない時期だから、いろいろな憶測記事が出るのは止むを得ない。そんな中、英紙タイムズが<日本政府が中止せざるを得ないと内々に結論付けた>と報じた。ただし、それを裏付ける根拠には少々、乏しい。 ま […]
水も漏らさぬ、とはこのことだ。シーズン無失策、すなわち守備率10割。守備職人・菊池涼介(広島)に、またひとつ勲章が加わった。 <この原稿は2020年12月11日号『週刊漫画ゴラク』に掲載されたものを一部再構成 […]
当HP編集長の二宮清純が、週刊ゴング元編集長・小佐野景浩氏との共著『昭和プロレスを語ろう!』を11月27日に出版します。アントニオ猪木、ジャイアント馬場、藤波辰爾、長州力、ジャンボ鶴田、天龍源一郎、タイガーマスクといっ […]
日本の“忍者”はメジャーリーグ(MLB)でも成功するのか!? 広島は11月8日、菊池涼介内野手のポスティングシステムを利用してのMLB移籍を容認したことを発表した。 <この原稿は2019年12月2日号『週刊大 […]
監督は大きく2つのタイプに分けられる。育成型と勝負師型だ。前者の典型が大毎、阪急、近鉄と3球団でリーグ優勝を果たした西本幸雄(故人)だ。厳しい指導で無名の選手を育て上げた。 しかし、日本一は一度もない。生前 […]
カープの天敵といえば、横浜DeNAの4年目のサウスポー今永昇太だ。 今季の対戦成績は以下のとおり。4月12日 先発 9回無得点 0対6 負け4月19日 先発 7回無得点 2対1 勝ち(敗戦投手スペンサー・パットン)5 […]
“大魔神”の異名で恐れられた元横浜のクローザー佐々木主浩が全盛期の頃の話である。当時の巨人監督・長嶋茂雄は「ベイとやる時は8回まで」と事あるごとに語っていた。それまでに攻略しなければ、勝ち目はない、ということである。&n […]
交流戦は5割で乗り切れば御の字と考えていたが、まさか5勝12敗1分けとは……。勝率2割9分4厘。 それ以上に誤算だったのが、交流戦中の貧打である。交流戦がスタートするまで、カープはリーグ2位の打率2割6分と […]
2017年の第4回WBCで侍ジャパンを率いた小久保裕紀は通算2041安打、413ホームランの、平成プロ野球を代表する右の強打者である。ホークスとジャイアンツで4番を打った。 <この原稿は2019年6月7日号『 […]
平成のうちに書いておいた原稿が令和元日の紙面を飾る。その紙面をながめるのもまた乙なものだ。 スポーツにとって平成とはどういう時代だったか。スポーツ中継視聴率ランキングが、それを端的に示している。ベスト5は、 […]
「褒める時は無責任でいい。ただ叱る時には責任がいるぞ」。在りし日の小出義雄の言葉をかみしめながら、この追悼文をつづっている。 名伯楽とはこの人のためにあるような言葉だった。スパルタ指導が当たり前の時代、選手の […]
ジ・インテリジェント・センセーショナル・デストロイヤー。それが7日(日本時間8日)に他界した「白覆面の魔王」ザ・デストロイヤーの正式なリングネームである。 マスター(修士)の学位を持つインテリレスラーは、し […]