杉浦大介

第206回 ドネア、パッキャオ、“スーパーシックス”の行方 〜世界ボクシング2011年ラスト3カ月の見どころ〜

【ドネア、NYC初見参でアピールなるか】  軽量級の新しいスーパースター候補ノニト・ドネア(WBC、WBO世界バンタム級王者)が、今週末、ニューヨークに初登場する。  10月22日にマディソンスクウェア・ガーデン・シアター(MSG)にて、こちらも2階級制覇王者のオマール・ナルバエスと対戦。メガケーブルTV局「HBO」で生中継される興行のメインだけに、必然的に大きな注目を集めることは間違いない。

第205回 長く冷たい冬の到来 〜ヤンキース、2011年シーズン終焉〜

 その瞬間、誰もが逆転ホームランが飛び出したと信じた。  6日に行なわれたタイガースとのアメリカンリーグ・プレーオフ地区シリーズ第5戦、2−3とヤンキースがリードされて迎えた8回裏――。2死ながら1塁に走者を置いた場面で、デレック・ジーターがライトに大飛球を放った。

第204回 “ドリームチーム”イーグルスは頂点に立つのか 〜NFL2011-12シーズン見どころ〜

 全米最大の人気スポーツ、NFL(アメリカン・フットボール)が今年も開幕した。「アメリカはフットボールの国」と多くのスポーツファンが真顔で語る通り、毎年この時期が来るとMLBのニュースもかき消されてしまう。文字通り、国中がフットボールの話題で染まっていくのである。  今シーズンはどんな新たなスター、楽しみなストーリーが生まれるのだろうか。今回はNFLの2011-12シーズンから見どころを4つピックアップし、同時に今季の戦線を占っていきたい。

第203回 オスカー・デラホーヤ、衝撃の告白

 ボクシングの元6階級制覇王者オスカー・デラホーヤが、8月30日にテレビ放送されたインタヴューで衝撃的な告白を行なった。 「ここ2年間、自分の人生はどん底だった。生きている価値があるのかと考えた。自らの命を絶つ勇気まではなかったが、それを考えていたことは確かだ」  9歳の頃から始めたという飲酒が過去2年、エスカレートし、コカインも併用したという。偽物だと強硬に主張し続けて来た数年前の女装写真も、実は自身のものであったと自白。その過程で夫人とも別居状態となり、乱れ行く人生に絶望し、自殺まで頭をよぎったというのだから穏やかではない。

第202回 宿敵同士の久々のシリーズ、今秋実現か

 MLBを代表するライバル同士、ヤンキースとレッドソックスが今季もアメリカン・リーグ東地区で熱い首位争いを演じている。  両チームともに日本人選手は不在となったが、その強さと米国内での注目度の高さは変わらぬまま。8月18日のゲームが終わった時点で、ヤンキースが75勝47敗、レッドソックスは75勝48敗とリーグ1、2位の成績を残しているのだ。

第201回 五十嵐亮太、アメリカ挑戦で得たもの

 メジャーに渡って2年目の五十嵐亮太が、少しずつ真価を発揮し始めている。  2年300万ドルというリリーバーとしてはまずまずの契約でメッツに入団するも、1年目の昨季は1勝1敗、防御率7.12と苦しい成績で終了。同期入団の高橋尚成(現エンジェルス)が「ニューヨークの掘り出し物」になったのと比べ、より期待の大きかった五十嵐の方は誤算に終わってしまった感は否めなかった。  2年目の今季も開幕こそマイナースタートだったが、しかし3Aバッファローでは21試合に登板して防御率0.87と完璧な内容。そこで実力を認めさせると、7月中旬にメジャー再昇格以降は8試合で7回1/3を投げて9奪三振(2自責点)と好内容の投球を続けている。当初は敗戦処理的な役割が多かったが、最近は重要な場面で起用されることも増えてきた。

第200回 下田昭文が開きかけた扉

 7月9日、WBA世界スーパーバンタム級王者・下田昭文はアトランティックシティで同級1位リコ・ラモス(アメリカ)との防衛戦に臨んだ。アメリカ本土で日本人王者がタイトル防衛戦を行なうのはこれが初めて。そのおかげもあって、今回のタイトル戦は多くの注目を集めることになった。  ただそんな歴史的背景よりも、筆者が何より特筆すべきと感じたのは、このファイトが米国最大のプレミアムケーブル局HBOで生中継されたことである。

第199回 レイエス、ベルトラン、K・ロッドはNYを去るのか

 今夏、ニューヨーク・メッツが重大な岐路を迎えようとしている。  これまでチームを支えてきたカルロス・ベルトラン、フランシスコ・ロドリゲス、ホゼ・レイエスの3人が、今季終了後に揃ってFA権を獲得する。彼らをすべて残留させるのはどうやら難しそうなだけに、チーム側が今のうちに誰かを放出し、見返りを得ておこうと考えるのは当然である。おかげで3人の周囲には、開幕直後からトレードの噂が絶えず飛び交い続けてきた。

第198回 パッキャオとメイウェザー、再び「準決勝」へ

 現役最強と目される2人のボクサーが、9月、11月と相次いで試合を行なうことが決まった。  無敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザーはビクター・オルティスと、8階級をまたいで活躍を続ける現代の拳豪マニー・パッキャオはファン・マヌエル・マルケスと、それぞれラスベガスで雌雄を決する。

第197回 NBA新時代の幕開けか 〜ヒート・ダイナスティの可能性〜

 マイアミ・ヒートが5年ぶりのファイナル制覇に近づいている。  ヒートとダラス・マーベリックスの顔合わせとなった2011年のNBAファイナルは、2戦を終えて1勝1敗。第2戦では最終クォーターに15点差を逆転されて、ヒートは初黒星を喫した。それでも大事な6、7戦を地元マイアミでプレーできるだけに、未だにこのシリーズはヒート有利と見る向きが多い。

第196回 内紛勃発? 大丈夫かヤンキース

 5月中旬に行なわれた宿敵レッドソックスとの3連戦の真っ最中に、ヤンキースを予期せぬ激震が襲った。  14日の試合前のこと――。打率1割台の不振ゆえに、この日は打順9番に降格されたホルヘ・ポサダの出場が、急きょキャンセルされたのだ。  当初は「軽い故障か」と問題視されていなかったが、ゲーム中にブライアン・キャッシュマンGMが異例の緊急会見を開き、「不出場はケガが原因ではない」と発表。一部の地元メディアはここですかさず「9番降格に激怒したポサダが欠場を志願した」と報道し、記者席も一時騒然となった。

第195回 パッキャオはモズリーをKOできるか 〜WBO世界ウェルター級タイトル戦、直前予想〜

 世界ボクシング界において今年上半期最大のビッグファイトと呼べる一戦が間近に迫っている。  現代の拳豪マニー・パッキャオが7日、保持するWBO世界ウェルター級王座をかけて元3階級制覇王者“シュガー”・シェーン・モズリーと対戦する。これまで6階級制覇(事実上の8階級制覇という声もある)を達成してきた英雄にとって、これが2011年初のファイト。最近ではパッキャオがリングに立つたびに世界的な注目を集めるようになっただけに、今回も興行的には莫大な成功を収めることはまず間違いない。

第194回 2011年NBAプレーオフ、4つの注目チーム

“近年稀に見る大混戦”――。  今週末から開幕する今季のNBAプレーオフについて、そんなふうに語る識者は多い。3連覇を狙うロサンゼルス・レイカーズ、マイケル・ジョーダン時代以来のファイナル制覇を目論むシカゴ・ブルズ、怪物レブロン・ジェームスをはじめとする“ビッグスリー”の力で頂点を目指すマイアミ・ヒート、伝統の強豪サンアントニオ・スパーズ、通算18度目の優勝を狙うボストン・セルティックス……と実力派チームは目白押し。

第193回 2億ドルの“アンダードッグ”、ヤンキースが発進

「ヤンキースが“アンダードッグ”として開幕を迎えるのはいつ以来かな?」 「ジョー・トーレ政権が始まった1996年以来かもしれないな……」 2011年シーズン開幕を翌日に控えた3月30日。公開ワークアウトが行なわれたヤンキースタジアムで、記者仲間とそんな会話を交わした。

第192回 NFL、ついにロックアウトに突入

 長く米スポーツ界最強のビジネスモデルと呼ばれてきたNFLが、3月中旬からロックアウトに突入してファンを落胆させてしまっている。  新労使協定を巡るオーナー陣と選手会の話し合いは一向に進まず、3月4日の期限までに妥協案を見出すことはできずじまい。その後、デッドラインを引き延ばして交渉を続けたが、結局は決裂。3月12日にオーナー側は選手たちの練習施設などへの立ち入りを禁止するロックアウトの開始を発表した。

第191回 2011年メッツ、3つのポイント

 過去2年、どん底の不振に悩んだメッツが、再出発のシーズンを迎えている。  このオフの間にサンディ・アルダーソンが新GMに、テリー・コリンズが新監督に就任。厳格さには定評ある2人を「保安官役」として抜擢し、チーム内に溜まった膿みを出そうという狙いだったのだろう。

第190回 2011年ヤンキース、3つのポイント

 MLB開幕まで1カ月半を切り、各チームは春季キャンプに突入―――。  2年ぶりの王座奪還を目指すヤンキースも、タンパの地で新たなスタートを切っている。しかし昨季はプレーオフで惨敗を喫し、今オフも戦力補強は必ずしも円滑には進まなかった。現時点でレッドソックスがアメリカンリーグの大本命とみられ、ヤンキースは対抗馬扱いに止めている識者が圧倒的に多い。  その理由はどこにあるのか? そして今季のチームのどこに注目すべきなのか? 今回は3つのポイントに絞って見ていきたい。

第189回 The Knicks Are Back! 〜名門ニックス、ついに復活へ〜

「世界で最も有名なガーデン」と呼ばれるマディソンスクウェア・ガーデンに、少しずつかつての熱気とBuzzが戻ってきつつある。  NBAの名門チーム、ニューヨーク・ニックスはここ10年間、どん底の不振に悩み続けてきた。プレーオフ・シリーズの勝利は1999〜2000年以来なし。それどころかここ9年はすべてシーズン勝率5割以下。今季も最初の11試合を3勝8敗と負け越した際には、再び惨敗シーズンを繰り返すかと思われた。

第188回 2011年世界ボクシング界、4つの見どころ

 マニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザーという現役2大ボクサーの直接対決は、未だに幅広い層から待望され続けている。  すでに最善の時期は逸した感があるが、それでも実現すればペイ・パー・ビューの最多売り上げ記録更新は有力。恐らくはカウボーイズスタジアムに10万人以上の観客を集め、史上最大の興行として歴史に名を刻むことになるだろう。

第187回 ジェッツはプレーオフで奇跡を起こせるか

“アメリカの情熱”NFLは、今週末からいよいよプレーオフに突入。ニューヨークからはジェッツが今年も勝ち上がり、実に42年ぶりとなる悲願のスーパーボウル進出を目指すことになる。  1月8日に行なわれる緒戦の相手は、現役有数のQBペイトン・マニング率いるインディアナポリス・コルツ。1年前のAFCタイトル戦で苦杯を喫した因縁のライバルである。この決戦を前に、いつでも強気なレックス・ライアンHCは「私たちは今年こそ最後まで勝ち進めると思っている。どこが相手だろうと、ウチのほうが優れたチームだ」とコメント。相変わらず大胆な「優勝宣言」で、地元のファン、メディアを喜ばせている。

第186回 リー獲得失敗でヤンキースに暗雲?

「メリー・“クリフ”マス!」。クリフ・リーのフィリーズへの復帰が決まった翌日、「フィラデルフィア・デイリーニューズ」紙はそんな見出しを掲げた。  今オフの目玉と言われた左腕エースの決断は、誰をも驚かせる意外なものだった。獲得が本命視されたヤンキース(7年1億4800万ドル)とレンジャーズ(6年1億2000万ドル)から、より良い条件を提示されたにも関わらず、リーは2009年にもプレーして愛着のある古巣フィリーズとの5年契約を選んだのである。

第185回 マイアミ・ヒートの迷走はどこまで続くのか

 マイアミ・ヒートが苦戦している。 レブロン・ジェームス、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュという豪華スターが集結したことで、今季はヒートが圧倒的な強さを発揮して勝ち進むと考えたものは決して少なくなかった。  ニックスなどを率いた元名コーチのジェフ・バン・ガンディ氏をして、開幕前には「ヒートは1996年にマイケル・ジョーダン率いるブルズがマークしたシーズン72勝の記録を破るかもしれない」と予想したくらい。「スリーキングス」誕生のインパクトはそれほどに大きく、前評判は全米を揺るがすほどに高かったのだ。

第184回 パッキャオが向かう先

 そろそろその偉業を形容する言葉も底を尽きかけている。  無敵の進撃を続ける世界ボクシング界のスーパースター、マニー・パッキャオが11月13日にアントニオ・マルガリートにも判定勝ち。空位だったWBCスーパーウェルター級王座も手中に収め、これで史上2人目の6階級制覇を達成した。  その過程で、フェザー級、スーパーライト級でも最強と目された選手に勝っている。つまり事実上は、前人未到の“8階級制覇”(フライ〜スーパーウェルター級)というとてつもない記録を成し遂げたと言ってもよいのだ。

第183回 ワールドシリーズ第5戦、明暗を分けた1球

 シーズン&プレーオフを併せて6度のノーヒッター(うち2つは完全試合)が生まれるなど、投手絡みの快記録が続出した2010年のMLB。「The year of pitcher(投手の年)」と呼ばれた1年の締めくくりに相応しく、結果的に今季最終戦となったワールドシリーズ第5戦も息詰まる投手戦となった  この日のマウンドに立ったのはティム・リンスカムとクリフ・リー。ともにサイヤング賞受賞歴を持つ両エースの前に、6回までレンジャーズ、ジャイアンツの打線はそろって沈黙。「1点が勝負を分ける」という予感の中で、ひりひりするような緊張感に包まれたままゲームは続いていった。

第182回 ワールドシリーズはヤンキースvs.フィリーズ!?

◇アメリカン・リーグ  アメリカ国内でも、ア・リーグ優勝決定シリーズはやはりヤンキースが有利と予想する声が多い。9月の不振で心配されたヤンキース打線は、地区シリーズのツインズとの3試合で大舞台での勝負強さを再びアピール。特に3番打者のマーク・テシェイラが復調気配(地区シリーズでは4安打3打点)なのが心強い。しかも相手投手に1球でも多く投げさせる姿勢がチーム全体に貫かれているだけに、このシリーズでも極端な得点力不足に悩まされることは考え難い。

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